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Apple Creators Portfolio
July 2000 MACお宝鑑定団 
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7月15日に 東京国際フォーラムで開催された「Apple Creators Portfolio〜Final Cut Proが変える映像ビジネス」にかんするレポートページです。


レポート

Final Cut Proによるビジネスソリューションを提唱する今回のApple Creaters Portfolioは、最近のDesktop Movieに対する注目の高さを裏付けるように東京国際フ ォーラムの会場ホールを満席にするほど(3,000人以上だと思います)の大盛況ぶりでした。来場者を見ると若い人の割合が圧倒的に多かったのが印象的でした。

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受付を済まして入場すると頭上にはチャップリンのThink different. 垂れ幕が下がっており、その先のロビーではイメージワン・フォーカルポイント・メディアヴィ ジョンなどのビデオ関連デベロッパ数社がブースを構えて製品デモを行っていました。ここでは目立った新製品は有りませんでしたが、個人的には興味があったイメー ジワンのビデオエンコードシステム「Media Cleaner Power Suite」の実働デモが見 れたのが面白かったです。

 ロビーを過ぎて会場に入ると、舞台を挟むように両側に黒沢監督などのThink different.垂れ幕、そして舞台には中央の巨大なAppleマークを挟んで大型スクリー ン2基と、向かって左手には演台、右手にはデモマシンというように Steve Jobs が 講演をする時と全く同じデザインがなされていました。

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講演はピーター・バカラン氏の司会によって進行し、まずは2000年には放送ではデジタル放送への移行の始まりの年であり、DVDについて前年比4倍の伸びという予想だ が、PlayStation2効果によって今後更なる市場拡大が見られ、インターネットに目を 向ければ大半でラジオがあるもののUSでは4,400局ものインターネット放送局が開局するなど、映像に対する需要が飛躍的に高まってきているという市場の魅力についてのアピールから始まりました。この市場ではDVDやインターネットなどを使うことによってコンテンツの量はもちろんの事ながら表現力、つまりCGなどの新たな表現とインタラクティブ性を持たせること、また編集に高価な編集機材を備えた専用スタジオを必ずしも必要としないためにコスト削減も図れるというのが魅力であると言われました。

 このような市場ニーズを前置きとして、「デジタル映像が拓く新たな世界」としてFinalCutProを利用してのビジネスシーンソリューションの解説に入りました。

 講演の一番手はヴァン・リン氏。彼の幾つもの作品を上映した後、作品の95%はMacintoshで作成しているという話から始まりました。今まではスタジオ編集には高額なWorkStationが必要と思われていたが、その事は既に事実でなく、フォトリアリズムの動物や建物を作成することや生番組でHDから直接キューを出すような処理まで今ならMacにPhotoshop・FinalCut・AfterEffectsなどを組み合わせれば十分可能であるし、それは自分に限らず多くのクリエータがやっている事であると現場の様子が語られました。以前はアナログ映像との組み合わせであった上にMacの処理能力も低かったので試用するか、1つか2つの新表現を試すだけであったが、今であればデジタル映像であるうえにMacの性能が著しく向上したためにリアルタイムに処理をさせる事が可能となり時間を節約できる上に、QuickTimeを核とした強力な環境のためにWeb・ DVDなど多くのメディアに対応させることが可能となったとの事でした。

ここで実際 にアリス・ID4・T2などのDVDタイトル(全て今夏移行に発表される)のオープニングに当たるインタラクティブ画面を表示しましたが、どれも2人だけで6週間程度の作業という超短時間で作成できた上に、デジタルであるので文字だけを置き換えるだけで今までは他人に任せていたようなマルチ言語対応などの処理まで出来、プロデューサが作成作業全てに目を行き届かせることで一貫性が持てるようになるとの事でした。このようにデジタル処理を行うことによって新たな展開が幾つも考えることが出来るという言葉でスピーチが締めくくられました。

<この後にカイル・クーパーのビデオメッセージが有りましたが、同じような話だたので省略>

 続けて「デジタル映像が広げるビジネスチャンス」というタイトルでジム・ベーカー氏のStreamingについてのスピーチとなりました。ストリーミングはオンラインで配信される映像の事を指し、放送とインターネットのコンバージェンス(融合)への原点となるものであるとの事でした。特に放送済番組や上映終了後の映画などの既存コンテンツをアーカイブ化し、再利用できるという点が非常に魅力的であり、2005年には2800億円規模の市場になると見積もられている巨大市場であるとの事でした。もちろん課題も多く、TV・映画クオリティに慣れ親しんだユーザーを満足させられるクオリティを維持する事と、ブロードバンドが普及するまでは配信のパフォーマンスに問題があります。ブロードバンドについてはUSでは2〜3年前から行われてきた基盤整理の甲斐があって徐々に準備が完了しているものの、日本ではこれから整備が始まるので、コンテンツを持っている企業には今からブロードバンド時代への準備を行うべきであるとの話でした。

 ブロードキャストに使用するメディアで最も魅力的なのは、もちろんアップルのQuickTimeテクノロジー。非常に柔軟なメディアリッチなシステムであり、メディアミックスを行えるので新たな収益源と出来る可能性が有るために、事実QuickTimeTVブランドにはCNN・ディズニーなどの多くの有名ブランドが名を連ねています。ここで実際の例として出されたのはUSの人気番組「クイズ ミリオネア (日本ではフジテレビがローカライズして放送中)」のWebゲーム。これでは視聴者がスタジオ映像を見ながら場面下部に表示されるクイズ問題と回答群を見ながら回答を選択する事、そして各回答に対して何人が選択したかという数値をリアルタイムで表示する事、正解したら賞金と累積賞金の表示というように、QuickTimeのマルチレイヤー構造をフル活用した双方向性を持ったシステムとなっていました。

 これらの例を踏まえた上での、ストリーミングのビジネスチャンスについては
 ●クラブ・イベントなどの中継 (ex:ウッドストックのライブ中継)
 ●ビデオ・オン・デマンドシステム (ex:映画の予告配信、遠隔授業の実現など)
 ●ホスティング&配信 (ex:10億円規模の市場を持つAkamai)

などが主立ったものだが、これ以外にも既存コンテンツを持っている会社がエンコードに関する知識が少なかったり、余りにも持ちネタが多過ぎるために社内で処理をし切れずに外注することや、そのような処理は積極的に全てパートナー外注してしまうことなどが良くある例であると紹介されました。

 この後にも様々なスピーチも有ったのですが、FinalCut Proや映像ビジネスとは関係が薄いものもあったので要所のみを。

 続けて行われたアップルコンピュータ社 古村氏のスピーチでは、FinalCutPro1.2.5よりiMac DVも動作サポートを行うようになったので最安価なシステムとしては30万円から、放送業務用のものでも200万円もあれば機材は十分に揃うだろうとの事でした。また既にUSで発表されている「RT Mac」は今秋に$999でリリースされるという情報と、日本初公開となる非圧縮HDを扱える「TARGA Cinema」の実働デモが行われました。TARGA CinemaはMac専用であり、100MB/sもの巨大なデータをハンドリング出来るように設計されているシステム。価格こそ発表されませんでしたが「PowerMac G4のパワーと組み合わせることによって今まで億クラスの金額が必要だったシステムを信じられないほどの安価で発売する」と述べられました。

 菱川勢一氏は今のプロモーション環境ではTVと同時にWebでの展開が必要とされており作成時間も短くなっているので、誰でも共通で使えるMacOS + FinalCut Proという環境は非常に魅力的であると述べられると共に、Firewireが普及した事によって事務所内ではFirewire HDをリムーバブルディスク代わりに使っているとVST社の製品の映像を見せながら紹介されていました。HDの容量が上がるのと同時に扱うデータ量も増大してゆくのでもっと価格が安価になって欲しいとおっしゃっていたのには同意出来るものが有りました。

 スピーチのラストバッターとして登場されたのは掛須秀一氏。氏の「FinalCutを使いこなすことで映像を繋ぎあわせて一つの作品を作るという作業が分かるし、様々な表現法を学習することも出来る」と述べられ、FinalCutProはこれから映像を学習する者にとっても魅力的な製品であると述べられていたのが印象的でした。

 スピーチは菱川氏と掛須氏の合作であり、先日からQuickTimeで予告編配信が開始された「五条霊戦記」の映像を上映しながら終了し、プレゼント抽選会へ。1等 (PowerMac G4 with CinemaDisplay)1本と2等(FinalCut Pro) 5本とアップルは景品の大盤振る舞いだったのですが、2等5本のうち3本までが関係者席と思しき列番号の人に当たったために一部からはブーイングも......最後の抽選会だけは、もうちょっと何とかしましょう。

非常に長時間に渡る、実り多いイベントであったために多くの参加者が満足していたようです。日本では今から大きな成長が見込まれている市場だけに、狙いを持っている人や企業は一日も早く歩みを初めて他者に差をつけておくべきだと実感しました





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