Mac Treasure Tracing Club
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2002年2月15日に、東京国際フォーラム ホールCにて開催された
アップル クリエイティブ映像ワークフローセミナー on Mac OS Xに関する特集ページです。

セミナー レポート

・DRAWING AND MANUALの菱川氏が制作されたオープニングムービーで幕を開けた「アップル クリエイティブ映像ワークフローセミナー on Mac OS X」。

 まずはアップル原田社長の挨拶からセミナーが開始されました。まずアナウンス開始から2週間という短時間だったものの、多くの方が集まって下さったという挨拶から始まり、アップルはデジタルハブ戦略という新しいライフスタイルの提案を行うと共に、実現に向けて昨今の厳しい経済状況に於ても利益を出しつつ、Mac OS X, FinalCut Pro3などのソフトウェア、1GHzのPowerMacなどのハードウェアの両面について積極的な投資を継続していると説明されました。また、iMac発売の際にはコンシュマーマーケットへの投資を積極的に行ったが、今後はプロマーケットへの投資を積極的に行うとして、Apple Solution Expertsというソリューション提案の出来るパートナーへの投資や昨夏に結成されたアップルの直販部隊の存在を説明されました。同時に、先日のQuickTime Live!でのQuickTime 6, MPEG-4についての発表や、QuickTimeの8,000万というダウンロード数を上げて「QuickTimeこそがディファクトスタンダード」と説明されつつ、今後の展開として今回のようなセミナーやサポート体制の強化によって一層のプロマーケットへの注力と共に、3月21日から開催されるMacworld Tokyoについては60以上のカンファレンスを用意することで「コンシュマー色の強いExpo」から「Proとコンシュマー共に満足して貰えるExpo」へと進化するので是非来場して最新のソリューションを体験して欲しいと述べられて挨拶を締めくくられました。

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 ここからはアップル恩田本部長にセミナーの進行が移り、まずはアップルの最新ソリューションについて解説されました。

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 アップルは「Final Cur Pro 3」「PowerMac」「Mac OS X」という3つの革命を行ったと説明され、概要解説が行われました。概要については今まで何度も解説されてきた事の再確認だったのですが、特に興味深かったのは「1GHz PowerMacは初代のPowerMac G4と比較しても4倍以上のパワーを持っている」という1GHzマシンの圧倒的なパワーについてと、「Mac OS Xのリリースによって、Mac OS Xは最大規模のUNIXインストール数となった」という説明。3つの革命のついての説明と同時に、これらを利用するうえで必要となるサポートである "AppleCare Plotection Plan" について、ゲートウェイ社において定評の有ったサポート部門の指揮を取っていた任田氏がアップルに入社することによって今まで以上に品質を向上させるという「サービスナンバーワン宣言」が高らかに発表されました。

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 続いて、注目のFinal Cut Pro 3(FCP3)について、デモを交えての機能説明がアップル吉崎氏を加えて行われました。FCP3で注目の新機能は「G4でのDV-RT」「オフラインRT」「カラーコレクション」の3機能と、今までと変わらないDVからHDまで対応できるスケーラビリティの高さ。また、FCP3からMac OS Xに対応したことについては「(ビデオ編集時には頻繁に行われる) 大容量データのコピーやレンダリングが高速化されるので、それだけでも利用する価値は有る」、「Dockにはファイルやフォルダを登録できるので、プロジェクトの置き場として活用すると非常に効果的」などと解説され、吉崎氏によるデモではDockを右側に配置して、デモで利用するプロジェクトをDockに収録するという利用をされていました。

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デモを行う吉崎氏が着用していたのがFinalCutPro Tシャツ。
初めて見たがかなり格好良い。



 一通りFCP3のデモが終わったところでFCPと連動する各種クリエイティブツールについての解説へ移り、まずは"Maya"から。短時間で Maya の説明は難しいために、今回はリアルタイムに行われる物理計算についてのデモとして、簡単なピンボールゲームを作成してボールとピンの位置関係で映像がリアルタイムに変わる様子が見せられました。続いて今後の展開について、まず「昨日決定しました」という事でまだプレスリリースも出ていない特別価格キャンペーンとして2002年02月15日〜03月27日に\598,000(税, メンテナンス料別)にてMaya version 3.5.1 for Mac OS Xが提供されるという情報と、Maya Personal Learning Edition(PLE)についての説明が行われました。

PLEについては北米では2月に、日本では3月に日本語チュートリアルを付属させる形で提供を開始する予定となっており、配布方法はまずはWebからのダウンロードから開始されるものの、追ってCD-ROMによる配付、更には雑誌付録のCD-ROMへの収録も予定しているとの事でした。PLEのファイルフォーマットは製品バージョンと一切互換性が無いために、PLEで作成したファイルを製品版に読み込ませたりすることも出来ないとの事でした。北米では既に5万オーダー、現在でも5,000オーダー/週というペースで申し込みが増えている状況であり、注目して欲しいとの事でした。

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5分のプレゼン時間で作り上げられたピンボールゲーム


 続けて、ヴィクトル伊藤氏によってアニメーションとモデラー機能を持ち、Mac OS X に対応することで20%の速度向上を実現した "Universe"、アドビ春日井氏による "AfterEffect 5.5"、ボーンデジタル竹村氏によるMac OS Xに対応した "Commotion 4.1" のデモなどが行われました。

また、アップルの吉崎氏によってAfterEffectsとFinal Cut Proをシームレスに接続するソリューションとして "Automatic Duck AE/FCP" のデモが行われました。これはFinal Cut Proのプロジェクトファイルをマルチレイヤーを維持したまま、トランジションは不透明度の展開として解釈することでAfterEffectsへ直接読み込ませることを可能にするAEプラグインとの事でした。

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粘土細工のような感覚で3Dモデルが作れるUniverse FCPのレイヤーをきちんと読み込めるAutomatic Duck AE/FCP


 以上で映像関連のデモは終了。最後にFCPと連動するサウンドとして、FCP付属の "Peak DV" についてアップル小西氏によるデモが行われました。Peak DV以外の著名な音楽ソフトについては、まだMac OS Xへの対応となっていないが、今年半ばぐらいまでには対応を果たすだろうとの事でした。

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これらの音楽ソフトの対応は今年半ばぐらい??


 おまけで、アップル吉崎氏によるMac OS X対応の "DVD Studio pro 1.5" のプレビュー。「まだβなので」ということで起動させての画面を見せるだけで動作は行われませんでしたが、「FCPのマーカー情報も直接読み込めるようになる予定」と非常に興味深い発言がありました。

Mac OS X上で動作するDVD Studio Pro 1.5。基本的なインターフェイスに変化はない


 第1部の最後には、オープニングムービーを作成されたDRAWING AND MANUALの菱川氏による制作秘話が。映像の現場では実働例が少ないことや、対応Plug-inの数が充分でないなどの理由から「怖くて使えない」という意見も多いが「(今回の制作現場のように)環境や利用プラグインなどを限定する事で充分実用になる」という先駆者ならではの意見や、オフラインRTで出先でPowerBookでカット編集をやる事が更に実用的になったし、FCP3から付いた波形モニターは非常に使えるという現場の声を聞くことが出来ました。

第2部はアップル大宮本部長による QuickTime Live! 2002 の報告から開始。

まず、ストリーミングの現状について、"標準が市場が作る"としてビデオであればDV、DVDであればMPEG2などのオープンなスタンダード規格が有ることによって普及したが、ストリーミングはQuickTime, Real, WindowsMediaと3規格が乱立しており「テレビのチャンネルを変えるたびに受像機を変えなくてはならないような状況であるが、1つの規格をサポートしないことでマーケットリーチが狭まってしまうのが現状であるのでクリエーターの負担が増えてしまう」と説明されました。

 これを解決するのがQuickTime6でサポートされる "MPEG-4"。ファイルの圧縮について定義した"MPEG-1,2"と異なり、MPEG-4では圧縮からプロトコル、著作権保護機能まで定義しているが「Appleはまずは最もリクエストが多いビデオ・オーディオコーデックをサポートする」という方針でQuickTime6をリリースするとの事でした。QT6の他の目玉は「MPEG-2デコード」「Flash5のサポート」「品質とパフォーマンスの改善」の3点。MPEG-2のデコードについては「今までDVD Playerのみでサポートしていたが、QuickTimeでサポートする事でQuickTimeを利用する全アプリケーションでMPEG2を利用できるようになる」との事でした。

 新アプリケーションとしてMPEG4配信、MP3のプレイリスト配信、スキッププロテクションの強化を図った "QuickTime Streaming Server 4"、Firewire経由でキャプチャしたビデオをQuickTimeの全コーデックでリアルタイム配信可能な "QuickTime Broadcaster" の発表が行われましたが、「今日は時間が無いので」という事で残念ながら実働デモは行われませんでした。

 この後に、MPEG4の問題点となっているライセンス料について説明されました。「Appleは1エンコーダ、デコーダにつき25セントというライセンス料の支払いには同意できるが、MPEG-4配信者にも1ストリームにつき2セントの支払いを義務付けるのはまだ発展途上のストリーミング業界が発展・育成される事に対する足枷となるので同意できない」というポリシーを持っているとした上で、ライセンスが改善されるまでMPEG4のデコード・エンコード機能を持つQuickTime6・QuickTime Broadcasterの配付は見送り、MPEG4のデコード・エンコードとは関係の無いQTSSについては既に配付を開始したと説明されました。

大宮本部長は「QuickTimeはアプリケーション・OSの基幹に存在し、全てをスムーズに、シームレスに接続するのに重要であるので、今後も注目して欲しい」として話を締めくくられました。

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残念ながら期待の実働デモは無し



この後は、D-Fuse(イギリス)のマイク氏を招いてFinal Cut Proで制作した映像の上映と制作過程を解説すると共に、ビデオジャーナリストでJ-WaveのナビゲータであるMorley Robertson氏による同氏が以前中国で撮影した映像を交えつつ、最新の機材で如何にコンパクトで簡単に世界に向けて映像を発信できるようになったかという講演が行われ、セミナーは幕を閉じました。

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マイク氏 Morley Robertson氏


 今回のセミナーは、QuickTime Live!で発表された内容の実働デモが見れるのでは無いかという期待が叶うことは有りませんでしたが、Mac OS X・Final Cut Pro3と共に成熟度を上げる最新のビデオソリューションが分かり易く解説される非常に貴重なものでした。




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