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2007年9月12 - 13日に大崎ゲートシティで開催された「The InDesign Conference: 東京」に関する特集ページです。


13日(A-6)セミナーレポート

13日セミナーレポート


13日セミナーレポート(A−6)

・実証・InDesign移行後のエディトリアルデザイン現場
菊池美範(エイアール)



現在、菊池氏の会社では、雑誌、ムック、書籍、カタログ等年間合計約16,000ページのデザインをほとんどInDesignで行っていると説明した。



8年前の1999年当時に受注していた雑誌、ムック、書籍、カタログのエディトリアルデザインはQuarkXPressによる制作がほとんどであった。それがInDesignに取って代わられた経緯を、同社の歴史を振り返る形で紹介した。

2001年 InDesign 草創期:まだ試験的導入の時代で、入稿実績はわずか1%以下だった。InDesignの理想に環境がついていけない時代と呼べ、マシンスペック、編集、デザイン、オペレーション、出力のリソースすべてが不足していた。



2002年 InDesign 揺藍期:InDesign1.0から2.0へ、導入実績が少しづつ増え、出力環境が整い始めた。InDesignの入稿実績は10%以下だった。InDesign2.0の時代となり、作業環境が現実的なものとなりつつあった。全面移行ではないものの、誌面や別冊など、クライアントが一部をInDesignに切り替えることを了解し、興味を示すようになった。



2003年 InDesign 停滞期:InDesignへの移行に足踏みとなった年で、導入に躊躇するクライアントが続出し、QuarkXPressへ一部逆戻り状況が発生したと説明した。入稿状況は10%強で、InDesignで提案したページデザインのフローが覆され、とても苦しかった時期だったと振り返った。それでもPowerMac G5がリリースされたことで、Mac環境でのInDesign環境が劇的に向上したことが好機となりつつあったと説明した。



2004年 InDesign成長期:強力な、Mac OS X v10.3 "Panther"、PowerMac G5、InDesign CS 日本語版という強力な環境が整い、移行に拍車がかかった年だったと述べた。入稿状況は30%となり、QuarkXPressと「併用」しようという風紀が出来てきた。本格的な移行が始まり、デザイナーはInDesignとQuarkXPressを戸惑いながら併用していた時期だったと説明した。また、InDesignへ全面移行する雑誌や書籍が多くなってきたものの、踏み切れない編集部もまだ多かったと述べた。



2005年 InDesign急成長期:InDesign CS2 日本語版が登場し、InDesign比率が全体の5割となり、新規案件もInDesignが多数を占めるようになったと述べた。デザイナーは、InDesignでの仕事に高レベルで対応出来るようになり、軸足が移った年といえると述べた。同社では、QuarkXPress6を導入開始したものの、入稿実績はこれ以降も全くない状況が続いたと説明した。



2006年 InDesign成熟期:InDesign比率が全体の8割に達し、InDesignが業務の中心となった年だったと説明した。しかし、派遣会社に依頼するオペレータや、首都圏以外での印刷会社への入稿は、まだ不足感が否めない状況であったと振り返った。



2007年 移行完了期:Intel Mac+InDesign CS3? 日本語版が決定打となり、InDesignへほぼ完全移行し、入稿状況は、QuarkXPressによる入稿状況が1%以下となり、8年前と逆転する状況となったと説明した。なお、QuarkXPressデータは改版や増刷時修正にだけという状況で、新規案件ではないと補足されていた。



■QuarkXPress/IllustratorとInDesignとのページデザイン生産性を比較する■

菊池氏は、InDesign CS3 とQuarkXPress 6.5.1で、同じ内容のページデザインを実際に比較するデモを行い、さくさく感はQuarkXPressがいいと感じるかもしれないが、生産性はInDesignのほうが遥かに上で、比べるレベルにもならないと述べた。

●ルビコントロールと多言語環境のフレキシビリティ



ルビコントロールと多言語環境のフレキシビリティについて説明し、外国語の読みとして下にルビをふりたい場合があるが、QuarkXPressでは上下値の限界があり、文字との接触ができてしまうので、親文字に対して、ルビとしてふるのではなく、フローティングボックスを作る必要があり、非常に効率が悪い。InDesignの場合は、どこまでできるか試したことはないが、かなりの距離をとることができるので、接触しない位置でルビをふることができると説明した。

●Illustrator8以下の環境をInDesignへ



絵本の場合、観音開きがあったり、仕掛けがあったり、歯形が多く、ページが少ないことも多いので、Illustratorでもいいかなと思っていたが、InDesignに移行してみたと述べた。作業は、Illustratorとかわらない。InDesignではあるけど、見開きや、4ページ単位で、単ページで作っていると説明した。

●ページの一覧性と色校正前の細かなコントロール

QuarkXPressとIllustrator8以下を使用した場合で検証してみたと述べ、1ページづつ作るのになぜInDesignがいいのか?について説明され、つながったページを一度に見られる。ページをページを前後で切り替えるとき、確認することができる。写真が多く、写真の上に文字を載せる場合、QuarkXPressだと、プレビューが汚すぎて、色校がでないとわからないが、InDesignだとモニタ上で、かなり近く出せると説明した。また、繋がったページを一度に見られることも利点だと説明した。

●移行のメリットを最大限に(移行の手間がかかっただけとなってはいけない)

InDesignへの移行のポイントとして、QuarkXPressからの資産コンバート。変換データのクリーニング、非互換部分の調整、データの最適化、ノウハウの蓄積とデータベース化、案件によっては変換マニュアルを作成する。などを上げた。



変換のノウハウはデータベース化し( 詳細なガイドラインマニュアルを制作)、新しい人が入ってきても作業が出来るようにしておく必要があると説明した。例えば、QuarkXPressで作成されたスタイルには、InDesign CS3で開くとマークがついているので、読み込みのときに「新しいスタイル定義を使用」を選択する。自動置換しなかったマーク付きのスタイルは手動で置換する。 など、ノウハウ的な部分を、新しい人が入ってきた度に、こういった内容を口頭で伝えていては膨大な時間がかかってしまうので、ガイドラインマニュアルを作り、できるだけ早くIndesign DTPに移行してもらうように教育することが望ましいと説明した。



現場での課題として、InDesignでも完璧ではないと述べ、無線綴じ雑誌の背幅は校了間際にサイズ変更となることがあり、「書きトンボ」だと効率が非常に悪い。例えば、ページの大きさが変則的な設定はできないものか?と思ったりする。こういうことから、Illustratorで作られる場合があるのでは?と思ってしまうと述べ、今後に期待したいと述べた。



CS、CS2からCS3への移行については、2004年に導入したシステムのリプレイスが進み、低コストでも移行可能となった。カタログ制作に便利な表スタイルの導入、Mac mini (Core Duo)で十分実用レベル。シームレスになってきた、Photoshop CS3、Illustrator CS3、Brige CS3との連携などにより、プロフェッショナルとしての限界を引き上げる事に繋がっていると説明した。

また、InDesignオペレータが増加傾向となり、DTP/印刷/出版/デザインの現場ではオペレータを派遣会社に頼っているケースも多い。しかし、現実にはInDesignに関しての練度が高いオペレータは不足している。こういった現状を解決するために、派遣会社によるInDesignオペレータの育成(例、テンプスタッッフ・テクノロジー)がはじまりつつあると説明した。



最後に、菊池氏は、エディトリアルデザインは決してレガシーな存在ではない。QuarkXPressからの移行は既に待ったなしの局面に。Illustrator DTPからの移行はページデザインの概念をかえることからスタートする必要がある。と強い口調で述べ講演を終えた。


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