BIZONのThunderbolt 3対応外部ビデオカードボックス「BizonBOX 3」で「NVIDIA TITAN Xp」を試す
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BIZONが販売する、Thunderbolt 3対応外部ビデオカードボックス「BizonBOX 3」に、NVIDIA製Pascal ベースGPUカード「NVIDIA TITAN Xp」を接続して試してみました。
4レーンのPCI Express 3.0対応可能なインタフェースを搭載し、PCI Express Full Lengthサイズでデュアルスロットを使用するカードに対応しています。
インターフェイスは、最大40Gbpsの転送速度が可能で、最も要求の厳しいPCIeカードに対しても十分な帯域幅を提供します。
同時購入出来るGTX 980 Ti以上のGPUの場合、標準同梱される200W電源アダプタではなく、99ドルの400W電源アダプタを選択する必要があります。
BizonBOX 3と接続するケーブルは複数本で構成されています。
また、この電源アダプタには空冷ファンが搭載されており、結構うるさいです。
背面は、専用電源コネクタと、Thunderbolt 3ポートx2、DisplayPortが装備されています。
対応するGPUカードですが、NVIDIA 9xx-series (Maxwell)、NVIDIA 10xx-series (Pascal)がMac対応で、AMDのGPUカードはWindowsでのみサポートされています。
なお、Thunderbolt 3接続の場合、仕様としてプラグ&プレイ利用出来るはずですが、実際はThunderbolt 3ケーブルを外すとカーネルパニックが発生します。
実際の使用状況としては、Thunderbolt 2接続の「BizonBOX 2S」と変わらない気がします。
BizonBOX 3に収納されたNVIDIA TITAN Xpは、8PIN*6PINの補助電源端子に電源ケーブルが接続されています。
本体が649ドル、NVIDIA TITAN Xpが1,589ドル、400W電源が99ドル、送料92ドルで、合計2,429ドル(約27万円)となります。
NVIDIA TITAN Xpの性能仕様は、12GBのGDDR5Xメモリを内蔵 (11.4 GB/秒)、CUDA コア数: 3,840 基 x 1.6 GHz、12TFLOPsとなっています。
出力ポートは、HDMI2.0×1、DisplayPort1.4×3が装備されています。
BizonBOX 3をThunderbolt 3ケーブルで、MacBook Pro (15-inch, 2016)に接続してみました。
付属するケーブルは、長さ0.5mのThunderbolt 3 パッシブケーブルのため、すぐ横に設置することになります。
今回の場合は、Thunderbolt 3ポート同士を接続するので、DisplayPort接続には非対応ですが、最大長さ2mまで使用できるThunderbolt 3 アクティブケーブルを使用して、MacBook Proから離して使用することも可能だと思います。
システム情報のThunderbolt項目を確認してみたところ、AKiTiOのAKiTiO Thunder3 PCIe Boxと認識されました。
このことから、BizonBOX 3はAKiTiO Thunder3 PCIe Boxをベースにフルレングス対応に変更し、AKiTiO Nodeの400W のパワーサプライユニットを外付けにしたOEM製品だと考えられます。
製品に同梱されているマニュアールに記載されている、BizonBOX 3をアクティベートするための「BizonBOX Device Manager」(bizonbox.prefPane)をインストールします。
なお、BizonBOX 3のNVIDIA TITAN Xpは、外付けディスプレイを接続していないとGPUドライバがロードされないため、プラグ&プレイ利用は出来ません。
BizonBOX Device Manager(bizonbox.prefPane)は、Gatekeeper非対応のため、macOS Sierra環境では、システム環境設定>セキュリティとプライバシーで、ユーザー名とパスワードを使用してのインストールが必要になります。
macOS Sierraでは、NVIDIA TITAN Xpを認識しないため、Quadro & GeForce macOS Driver(Quadro SeriesでQuadro K5000 for Mac、全てのオペレーティングシステムを表示を選択)の最新版をダウンロードしてインストールします。(2017.4.20時点の最新版は、Release 378.05.05.05f02です)
また、MAC用CUDA ドライバもインストールします。
このドライバは、Macに搭載されたNVIDIA GPUでも利用可能です。
NVIDIA Driver Managerなどをインストール後、接続された外付けディスプレイの電源をオンにして、BizonBOX 3をThunderbolt 3ケーブルで接続した状態でMacを再起動すると、ビデオカードとして「NVIDIA TITAN Xp」が認識されます。
別途、BizonBOX EXや、CompuLabのfit-Headlessがあれば、それをNVIDIA TITAN XpのHDMIポートに接続しておくことで、外付けディスプレイ無しでもGPU認識されるようになります。
なお、NVIDIA Driver ManagerでOS X標準のNVIDIA Driverに変更すると、NVIDIA TITAN Xpは認識されなくなります。
Geekbench 4で、Geekbench 4 Computeベンチマーク計測してみました。
CUDA計測値は「245691」、Metal計測値は「31487」でした。OpenCL計測値は、途中でエラーになり未計測です。
CUDA Benchmarks Scoreチャートと比較する限り、GPUカードの性能は発揮出来ているようです。
Mac環境におけるDeep Learning開発するデベロッパーには、この性能を手元に置けるメリットは大きいと思います。
Appleがデベロッパー向けに公開している「OpenCL N-Body Simulation」を使用し、MacBook Pro (15-inch, Late 2016)のAMD Radeon Pro 455とNVIDIA TITAN XpとのOpenCL性能を計測してみました。
AMD Radeon Pro 455が「330」前後なのに対して、NVIDIA TITAN Xpは「2400」前後の性能が出ており、約7倍の性能があるようです。
Adobe Photoshop CCのグラフィックプロセッサー項目で、NVIDIA TITAN Xp OpenCLとして認識されていました。
GPU処理を行う場合、AMD Radeon Pro 455と比較して約5倍程度の速度向上が見込めるようです。
協力:物書堂
Update:macOS High Sierra環境で、BOX自体が認識されないことから、販売が中止されたようで、他社製品が紹介されています。