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OpenTypeフォント「嵯峨本フォント」をテキストエディットで楽しむ方法

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鳥海修氏

鳥海修氏

日本電子出版協会が開催した「木田泰夫氏:電子出版、日本語処理、漢字フォントの歴史」のあと、セミナーに参加していた字游工房の鳥海修氏や同社スタッフの方々と食事することになり、OpenType書体「かづらき」や「こうぜい」といった日本の文字が本来持っているボックスにとらわれることなく、自由で優美な連綿体による文字の表現について聞いたところ、すごく格好良いフォントがあると言って「嵯峨本フォントプロトタイプ」を紹介しはじめ、もの凄くマニアックな解説までしてくれました。


嵯峨本は、海外から伝わってきた活版印刷術に刺激を受け、江戸時代初期に作られた木活字による組製版本だそうですが、あまりにも手間がかかるため木版印刷が主流となり、世界の歴史と逆行する形となってしまった古活字本だそうです。

その古活字をデジタルフォント化しようとしたのも凄いですが、それを無料配布しているのも、さらに凄いと思いました。

この嵯峨本フォントは縦組みでの使用が推奨されていて、字形切替機能を持つアプリケーションが必要なため、Adobe illustrator、Adobe InDesignが推奨されています。

ただ、これらはデザインツールで文書作成アプリケーションではないため、普通の人が使用するには敷居が高過ぎます。

そこで、OS X El Capitanのテキストエディットで使う方法を紹介します。


SagabonPrototype.otf

SagabonPrototype.otf

嵯峨本フォントプロトタイプサイトの嵯峨本フォントプロトタイプダウンロードをクリックしてダウンロードします。

ダウンロードフォルダに出来たsagabon_fontフォルダ内の「SagabonPrototype.otf」ファイルをダブルクリックします。

内容を確認後「フォントをインストール」ボタンを押してインストールします。


テキストエディット

テキストエディット

一番分かりやすいかな文として、百人一首の1番歌「あきのたの かりほのいほの とまをあらみ わがころもでは つゆにぬれつつ」を使いました。

このブログから文章をコピーして使用する場合は、テキストエディットを起動後、メニュー>フォーマット>標準テキストにするを選び、さらにその下にある「レイアウトを縦向きにする」を選択してからペーストして下さい。


本文を選択し、メニュー>フォントパネルを表示を選択してフォントパネルを表示します。

ファミリーから「嵯峨本フォントプロトタイプ」を選択すると、表示フォントが変わります。

文字が小さくて見辛い場合は、フォントパネルのサイズにある数字の大きいものを選んで下さい。


ツールバーの左端にある歯車ボタンをクリックして「タイポグラフィ」を選択します。

リガチャの「一般的なリガチャ」をオン/オフすると、文字の一部字形が変わります。

また、縦書き句読店候補のオン/オフで文字間隔が変わります。


嵯峨本フォントの拘りは、現代仮名遣いでは当たり前の濁点付与に関して、当時の仮名文字では、あまり用いられなかったことも考えられていることです。

百人一首の1番歌には「が」と「で」の2文字の濁点付与仮名が使われていますが、このうちの「が」を「か」に打ち直すと、字形が変わるだけでなく、1文字前の「わ」の字形も変わります。


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