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Mac Treasure Tracing Club Digital Production 2002
May 2002 MACお宝鑑定団 
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2002年5月15日から17日までの3日間、東京ビッグサイトで開催される
Digital Production 2002に関する特集ページです。


会場レポート

・ Apple

 Appleブースでは QuickTime というコアのテクノロジーの展示から、iMovie・iDVDというiアプリによる編集、果てには Final Cut Pro 3 によるOffline RT (モバイルでのRT編集)・カラーコレクション、DVD Studio ProによるDVDマスター製作まで映像の下から上まで一環したワークフローを実現している事を実動展示するブースを展開していました。

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 現時点で、ストリーミングからHDまで一環してサポートしているのはQuickTimeしか無いのが現状で有り、それを的確に示した展示というのはMPEG-4によるストリーミングだけ、HD・SDによる撮影・編集だけという展示の多い会場内ではある意味異色の特徴有る存在でした。

 残念ながら、当日朝に発表されたばかりの Xserv の展示は行なわれませんでしたが、大容量のデータをハンドリングする機会の多いビデオマーケットやネットワークを駆使するQTStreamingマーケットのユーザーにとっては待望の製品だっただけに、1台ぐらいは持って来て欲しかったというのが正直な感想でした。

・Panasonic

 NABで発表されて話題を集めた ミニDVカメラレコーダーの参考出品 (出荷は2002年09月を予定) を行っていました。このカメラは内部でシネテレ変換を掛ける事で24Pにて映像を記録する事を可能にし、ガンマ値などもシネマに近い画が撮れる様にプリセットされているカメラとなっています。

 残念ながら今回の展示はモックアップのみという事で触る事などは一切出来ませんでしたが、かなりコンパクトな筐体に納まっている事は確認出来ました。

 パナソニックはこのカメラを DVCPRO では大きすぎるシチュエーション、例えばショートムービーやMusic PVなどでの撮影に使われる事を意識しており、ワークフローとしてはDVCPROと併せて撮影を行なった上で Final Cut・CinemaToolにて編集、出力はシネマ〜ストリーミングまで何でもサポートという形をアップルと共に提供して行くとの事でした。

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かなりコンパクトな24P DVカメラ PowerBook G4が一緒に展示されている


 NABにおいてはDVCPROの編集システムに入れるFirewireアドオンボードなども展示されたようですが、今回は「持って来ていない」という残念な状況でした。なお、価格については45万円前後となるようで、年末にはPAL版も出るらしいです。

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ブースにはAppleテクノロジと連動したソリューションを示すパネルも...


・アドテックス

 DVカメラとFirewire接続する事でPCレスでもDVデータを吸い上げ、リアルタイムレコーディングが可能なハードディスクDVレコーディングシステム "DV MasStar"、アナログからのキャプチャやRS-232Cもサポートした上位機種の "DV MasStar PRO" を展示していました。

 このシステムはAC接続せずともバッテリによって90分は駆動させる事が出来る上に、本体の機能として簡易カット編集機能を持ち、FirewireはストレージクラスをもサポートしているのでPCに接続すれば外付けHDとして認識されます。HDは過酷な撮影環境でも耐えられるように専用のカートリッジに入った状態で販売され、現時点ではDVデータを20, 110, 270分の3種類がラインアップされています。

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ノンリニア編集の時間短縮やHDならではの
高速なサーチは非常に有益

Cinema Tools for Final Cut Pro

 今回の映画テレビ技術展に於いて、日本初公開されたCinema Tools for Final Cut Proを簡単に御紹介しよう。このCinema Tools for Final Cut Pro(以下、Cinema Tools)は、Final Cut Pro 3(以下、FCP)の機能を強化するツールである。テレシネと言う言葉を聞いた事がない人に取っては、始めから無用の話かも知れない。

 一言でCinema Toolsを表現するならば、映画製作に於けるフィルムネガ編集とノンリニア編集の、重要なリンク機能と言える。映画を作ったことのある方ならわかるだろうが、フィルムの編集には膨大な時間がかかる。これをノンリニアで効率的に行おうとするツールだ。

映像関連のデモを行うアップルブース


 映像の世界にはフレームレートというものが存在する。我々が日常見ているテレビやDVDの場合はNTSCという規格のもので、毎秒29.97フレームである。ヨーロッパ方面で使われるPAL規格の場合は毎秒25コマである。そして御存じの通り、映画の世界では毎秒24フレームなのである。

 では、毎秒24フレームの映画をテレビで放映する場合はどうしているのであろうか?例えば、映画をコマ送りで見た時に、ABCDEFGHIJという10個の画面が順番に見えたとする。コレをテレビでコマ送りで見た場合には、ABCDDEFGHHIJとなる。つまり、4コマ目をもう一度5コマ目に表示しているのだ。この変換作業をテレシネと言い、フィルムの素材をSDやHD、ベータカム等にコンバートするのだ。実際には「2-3プルダウン変換」という、もう少し複雑な処理をしているのだが、分かりやすく説明すると次の様な処理をしているのである。



 Cinema Toolsというソフトは、フィルムエディットのオフライン編集を行うためのツールである。テレシネは、実際には一部の現像所等でしかできないと考えて差し支えない。フィルム素材をマックに取り込む場合、通常多く用いられるのはテレシネされたテープ素材からのキャプチャーとなる。

 では、取り込んだ素材をマックで仮編集(オフライン編集)を行う場合、何が問題になるのだろうか。懸命な方なら察しが付くかとは思うが、テレシネが行われた5コマ目が問題となるのだ。フィルム用のオフライン編集ではなく、そのままNTSCで納品するならば問題はあまりない。しかし、最終的にはフィルムでの編集を行う事を、本ソフトでは目的としている。

 オフライン編集をする時には、編集の作業行程を記したEDL(Edit Decision List)というテキストファイルを用い、オフラインの編集行程を実際の編集にフィードバックする。テレシネをした素材をCinema Toolsでは、フレックスファイル(拡張子がflxのテキストファイル)を元に映像のキャプチャーを行う。

フレックスファイルをFCP上で表示


 ここでフレックスファイルを元にデータベースを作成し、毎秒29.97フレームで取り込んだ映像を毎秒24フレームの映像にコンバートするのである。ちなみに、これがリバース・テレシネと呼ばれる作業である。ここで生成される映像ファイルには、拡張子revが付けられる。・FCPは非常にフレキシブルな映像編集ソフトなので、当然の話ではあるが毎秒24フレームの映像にも対応している。実際にオフライン編集するのは、このリバース・テレシネされた映像に対してである。

24fpsで書き出されたムービー


 Cinema Toolsでは、オフラインの編集行程を、カットリスト(拡張子cutのテキストファイル)等として書き出すのだ。実作業は、このカットリスト等のファイルを利用してフィルムエディターが行う。

様々な形式のリストを生成

FCPによって書き出されたカットリスト


 フィルム編集には膨大な時間がかかる。このCinema Toolsは、フィルム編集者に取って、福音とも呼べるものかも知れない。このCinema Toolsは、24fpsのHDフォーマットにも対応し、オーディオのEDL書き出しにも対応している。

村上 丈一郎@お宝鑑定団(デジタルクリップ代表)



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