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EIZOダイレクト

ナナオ カラーマネージメントモニター「CG241W」レビュー第2回

第1回のレビューから約2ヶ月、CG241Wはレビュー担当の仕事環境下で実際の業務に使用されている。主な用途は写真の画像処理および映像編集(コンポジット含む)である。これらの実使用の印象を織り交ぜながら2回目のレビューを行う。



・モニターキャリブレーションとプリントマッチング

前回、ナナオのオンラインショップであるEIZOダイレクトでセンサーセットとしてバンドル販売されているX-Rite Eye-One Display 2を使用して、モニターのハードウエアキャリブレーションを行うメリットと工程についてレポートした。

他の会社や別のマシンにファイルを移して作業を継続する場合(多くの業務ワークフローはこのパターンだろう)は、ファイルにプロファイルを埋め込んで他者(他社)と色環境を共有する(とはいえ、実際にやるとなかなか一筋縄ではいかないものだが)。

今回は、CG241Wが主要なターゲットとしている本格派デジカメユーザーの視点からレポートを行う。

デジタル一眼レフカメラの普及で増加した本格派デジカメユーザーは、モニターの色再現性にこだわる。その際に必須となるキャリブレーション作業がCG241Wでは容易であること、ハードウエアキャリブレーションのためビデオカードの出力を絞ることがなく、さらにルックアップテーブル、演算処理とも大きく精度向上がなされているためひじょうに滑らかな階調表現が得られることは前回書いたとおりだが、デジカメユーザーにとってもうひとつの重要な関心事は、画面で見たままの色でプリントを得られるか、ということだ。

家庭用プリンタはここ数年で飛躍的に進化し、安価なモデルでもひじょうに綺麗なプリントを得られるようになったが、「画面でみたものと同じ」かといえば残念ながらノーだ。本格派のユーザーにとって、色にこだわってRAW現像やPhotoshop画像処理を行った結果を「画面で見たまま」プリントするには膨大な試行錯誤が要求されるのが現実である。

CG241Wは実際にプリントする用紙の白色を測定し、キャリブレーションに反映させることでプリントと画面表示のマッチングを行う。



・プリントマッチング手順と結果

手順は比較的容易で、前回紹介したキャリブレーション工程の最初で、白色点で目標設定をクリックし、センサーで用紙を測定するだけで後はアプリケーション(ColorNavigator CE)が作業を行ってくれる。

ただし、センサーを画面の指定位置に吸着させるモニターキャリブレーションと異なり、紙とセンサーの距離や向き、紙の置かれた場所の明るさなど、ユーザーに左右される部分が残るため注意が必要だろう。また、部屋の環境光の整備も必要で、理想的には業務用の色評価用高演色蛍光管の使用が推奨されている。ミニマムでも一般に市販されている蛍光灯のうち演色評価指数の高い蛍光管の使用が求められる。今回のレビューにあたっては色温度が5000K付近に設定されたEX-Nの蛍光管を使ったが、カバーの影響もあり、ColorNavigator CEでの測定では、ぎりぎりの対応環境となった。

また、プリンターもなんでもよいという訳ではもちろんなく、業務用の顔料インクを使ったプリンターが推奨されている。(具体的にはEPSONのMAXART PX-5500,5800やCANONのPIXUS Pro 9500等)今回のレビューではEPSONのMAXART PX-5500を借りてテストを行っている。



白色点測定を加えたハードウエアキャリブレーションを行ったCG241Wは5000K設定のせいもあり、正直、赤みが強く感じられる(レビュー担当は通常6500K設定を使用しているため)。やや不安に思いながらもRAW現像や微妙なレベル補正を行い、PX-5500で出力したところ、ほぼ完璧なマッチングが得られ驚いた。普段はプロラボ等の出力サービスに出すが、一発でここまでカラーマッチングがあうことは少ない。

その後、いろいろ試してみた範囲においての印象では、撮影時にsRGBのJpegで記録し、Photoshopで画像処理を行う場合、あらゆるシチュエーションにおいてほぼ完全に画面とプリントの色味は一致した。CG241WはAdobe RGB比96%という広色域対応がウリのひとつなので撮影時にAdobe RGBのRAWで記録、Adobe LightroomでRAW現像、そのままプリントという方法では、多くの場合、満足のいく色が得られるものの、ときに再現性の異なる部分が残ったように思う。また、モノクロ写真の出力で女性の髪の毛の微妙な輝度を一致させるのが、カラー写真よりも難しかった(笑)。このあたりは、まだ作業時の設定含め、ノウハウの積み重ねが必要な部分だろう。



・ ムラのない均一な表示

CG241Wが前モデル(CG240W)にくらべ大きく進化したのが、ユニフォミティ(均一性)回路の搭載。画面にムラ(輝度ムラ、色度ムラ)など無い方がよいのは当然だが、現実には液晶パネルには宿命的にムラが生じる。これは液晶パネルの方式や生産ラインによっても異なるが、どんな液晶でも必然的に発生する課題である。そして、大画面になれば必然的にそのムラも目立つ。

CG241Wが搭載するのはデジタルユニフォミティ回路、これまで上位機種のCG221,211にのみ搭載されていた回路で、液晶パネルに発生するムラを個別に補正する。この補正調整は工場出荷前に行われ、補正結果を示すシートが製品毎に添付される。



このユニフォミティ調整は工場でのみ作業可能でユーザーには開放されていない。液晶パネルのムラが経年変化によって増減しないものならばそれで良いが、経年変化の影響を受けるものの場合はユーザー側で調整出来ないのは不安に感じるところだ。

この件についてナナオに問い合わせたところ、パネルのムラは経年劣化の影響は非常に小さいので、基本的に再調整の必要がないと解答があった。ムラ補正には高度な環境が必要なため、ユーザーレベルで調整できるものではないらしい。



・ハードウエア

ナナオのスタンダード系モニターはスイーベル機能を持っていたり、タッチセンサー型のインターフェイスだったりと凝ったギミックが少なくないが、CG241Wは逆にオーソドックスに仕上げられている。

前面ベゼルに並んだボタンは、アイコンも目立たない色で画面を見ているときに気にならないし、ブルーに光る電源ランプは常時消灯に設定することも出来る。



スタンドは仰角と高さが調節できるだけのオーソドックスなものだが、これによりモニター自体を縦位置に回転させるポートレート表示を実現している。

画面を縦位置で使ういわゆるポートレート表示は、CRT時代にはポートレートモニターという縦型モニターだったが、液晶時代になりモニター部分を回転させ必要に応じて縦位置横位置を使い分けられる製品が登場した(ビデオカード側が対応しないとダメ)。



24インチ画面のポートレート表示は、大迫力かつ縦位置写真の画像処理作業やページレイアウト作業にはひじょうに実用性の高いものでCG241Wの大きなアドバンテージともいえよう。

ただし、CG241Wの良さのひとつである付属の遮光フードは取り外さないとダメで、縦位置用のフードは用意されていないのが残念。

今回はプリンタマッチングを中心にレポートした。次回(最終回)はデュアルディスプレイ環境下での運用や、カラーマネージメント、Final Cut Studio 2を中心とする映像制作でのCG241Wについてレポートしたい。(10月中〜下旬 掲載予定)


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