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Mac Treasure Tracing Club
December 2001 MACお宝鑑定団 
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Macintosh Software Meeting 2001 レポート

・日本のMac関連デベロッパが一同に結集する、毎年恒例のMOSA主催「Macintosh Software Meeting 2001」が本年も12月08・09日のスケジュールで開催されました。今回は初日08日の初台アップルトレーニングルームで行われたセミナーについてレポートします。

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ゲート
FAQ


 セミナーのオープニングはMOSA会長のヤノ電器株式会社の矢野孝一社長の挨拶から。まずMOSAの体制について会長がA&Aの新庄社長からヤノ電器の矢野社長に変わった為に、事務局スタッフも変わったことが発表されました。今回のセミナーは第8回目を迎えるのと同時に、新スタッフが運営する初のMacintosh Software Meetingとなるが、今までと変わりなく実り多いセミナーとなって欲しいと挨拶されました。

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矢野孝一氏


 続けて、アップルコンピュータ株式会社より恩田英樹ソリューションセールス営業本部長による挨拶が行われました。

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恩田英樹氏


 恩田本部長は「今までドライバなど日本語資料どころかリソースそのものが少ない分野の商品を扱ってきた立場を活かして」そのような商品についてもきちんとサポートできるような体制をアップルに作れるように努力していると述べられたうえで、次世代OSの Mac OS X 10.1 は米国の大手マスコミなども認めているようにWindows XPなどとは比較にならないほど優れたOSであると現在のAppleは Mac OS X を最重要視している事を改めて強調されました。また Mac OS X については、多くのソフトウェアがリリースされている他OSに対して多くの市場が残されていると説明され、日本語ローカライズだけでも大変であるが、日本オリジナルのソフトウェアを開発することは非常に重要であると説明されました。「(恩田本部長自身は)プログラマでは無いのでプログラムコードを書いたり読んだりすることは出来ないが、製品が出来上がっていくプロセスについては充分に理解している」と前置きされたうえで、Mac用アプリケーションは「大勢でチームを組んで作るだけで無く、個人の素晴らしい思い付き・アイデアから良いソフトが生まれている。また、その個々人が繋がりあってコミュニティとして非常に強い団結力を持っている」のが特徴であり、素晴らしいソフトウェアが出来れば「『個人だから売れない』と諦めるのでなくアップルに相談して貰えばデベロッパをサポートしている Apple DR だけでなく、ソリューションマーケティングなどの部署も出来るだけ協力してサポートしてゆくし、場合によっては会社を動かす活動もする」っと、今まで以上にアップルはデベロッパのサポートを行ってゆく旨を再度確認・説明されました。

 これ以降はデベロッパがMac OS Xに最適化されたアプリケーションを如何にして製作するかと言う事をコードを具体的に示しながらのセミナーとなりましたので、その中からユーザーに役立つ情報だけをピックアップしてレポートしたいと思います。

● セッション1:「Mac OS X 10.1 アップデート」

 アップルコンピュータ(株)デベロッパ・テクニカル・サポート ワールドワイドデベロッパリレーションズ Stephen Chick 氏

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Stephen Chick氏


 このセッションではMac OS Xが10.1になって、どのような点が改善されたのかについてオーバービューが行われました。

  まずはMac OS Xの歴史から。Mac OS X10.0(ビルドナンバー:4K78)から始まり、10.0.2(4P12)、10.0.3(4P13)、10.0.4(4Q12)とビルドナンバーが上がり、その後にパフォーマンス、DockFinder、DVD再生、CD作成などをサポートしたのが9月に出した10.1(5G64)、10.1.1(5M28)と着実に進化してきた事が説明されました。このビルドナンバーというのは"Apple System Profiler"や、アップルメニュー最上部に有る「このMacについて」を開き、Mac OS Xのバージョン番号部分をクリックする事によって見ることが出来るナンバーの事。

Mac OS X 10.1に"Installerアップデータ"を当てるとMac OS X のバージョンは10.1のまま変化なしでも、ビルドナンバーが5L21になるなど、Apple社内の開発チームはビルドナンバーによってシステムの状態をかなり細かく確定する事が可能になっているので、バグレポートやフィードバックを送るときにはビルドナンバーを必ず明記して欲しいとの事でした。一般に公開されているMac OS XのフィードバックWebではバージョンナンバーしか尋ねられませんが、必要が有ると感じたら明記する方が良いでしょう。

 肝心のMac OS X v10.1については「(Mac OS Xにとっての)初のメジャーバージョンアップ」という位置付けで、このリリースによって「Mac OSXから6ヶ月経って、実務に耐える環境の整備/新機能への対応 を果たした」と判断されているようです。この後に新機能の解説が有りましたが、展示会などで度々行われたプレゼンテーションと同一でしたので省略します。

 注目の新機能の解説については「サービスメニューのCarbonへの対応(Mac OS X 10.0ではCocoaのみ)」と「Dockタイルのメニュー項目の追加」の2点。

 サービスメニューについては、今まで詳しく説明された事がほとんど有りませんでしたが

●プロセッササービス

 アプリケーションの選択範囲のデータを他アプリケーションにデータコピーを行うサービス
 ex, 文章の文字列を選択してサービスメニューから"Sticky"を選択すると、Stickyが自動的に起動して、その文字列が貼り付けられる

●プロバイダサービス
 他のアプリケーションからデータをペーストされるサービス
 ex, TextEditの新規書類を開き、サービスメニューからGrabを選択すると、Grabでキャプチャリングされたデータが自動的にTextEditの新規書類に貼り込まれる

の2つのサービスがあり、Carbonでも数行のコードを追加するだけで利用できるので今後採用して欲しいとの事でした。

Dockタイルの追加については iTunes を例にして、どのようにDockからポップアップするカスタムメニューを作成するかについてと、アプリケーションの状況によってDockアイコンを書き換えるにはどうすれば良いのかについて具体的なコードを示しての解説が行われました。

● セッション2:「ヒラギノ アップデート」
 アップルコンピュータ(株)デベロッパ・テクニカル・サポート ワールドワイド デベロッパリレーションズ 永松正人 氏

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永松正人氏


 ここではMac OS Xで採用された字形についての解説と、どのようにしてその字形が決定したか、不採用になったかについて様々な例を出しつつ解説されました。

 ここはWORLD PC Expo 2001のセッションで解説された事をベースにしつつ、字形の歴史など余りにも専門的な解説が行われましたのでレポートは省略します。しかし、Mac OS X v10.1より搭載された20,000字形セットについて「アップルパブリッシンググリフセット」という名称が付いていると発表されたのは恐らく初めてでしょう。今までも何度も強調されていましたが、このグリフセットは将来的にAdobeのグリフセットとも完全互換となる予定となっています。

また、後ほど補足された情報として、次のバージョンのEGBridge・EGWordではMac OS Xで拡張された字形セットにアクセスできるようになる予定だとも発表されました。

●セッション3:「Aqua ユーザエクスペリエンス」
 アップルコンピュータ(株)デベロッパ・テクニカル・サポート ワールドワイド デベロッパリレーションズ Stephen Chick氏

 ここではAquaインターフェイスを如何に実装するかについて詳しい解説が行われましたが、基本的にデベロッパー向けのテクニカルノート「Inside Mac OS X: Aqua Human Interface Guidelines 」に書かれている内容と同一でした。Aquaは Mac OS X を特徴付ける最も重要なコンポーネントですので、Appleは最も重要視し、大切に扱っていることが再確認できました。

●セッション4:「Mac OS X アプリケーションのデプロイメント」

 アップルコンピュータ(株)デベロッパ・テクニカル・サポート ワールドワイド デベロッパリレーションズ 金子貴寛氏

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金子貴寛氏


 ここでは各種コンポーネントを含むフォルダを1アプリケーションのように見せる「Application Package」の作り方など、プログラマにとってはMac OS・Mac OS Xの相互互換性を持たせられつつも、ユーザーは色々な意識をしなくても構わないようなアプリケーションの製作方法が解説されました。

 ここで一番興味深かったのは、Mac OS X v10.1より改善された拡張子の取り扱いについて。AppleではWindowsとのファイル互換性確保やIntenet時代を見据えてMac OS X v10.1からは「Type」「Creator」と同等に「拡張子」を扱うこととし、その為にデベロッパーには自分のアプリケーションのデータファイルには3つの拡張データ全てを付けるようにして欲しいと説明されました。しかしながら「Mac本来のシンプルさ」を保ちつつ「拡張子を意識させない」為に、ファイル保存時にユーザーが拡張子を明示的に入力すれば拡張子まで入れた名前がファイル名となり、入力されなかった場合には不可視状態というデータフラグを立てることでFinderに表示されないようにした拡張子を持たせる方法が解説されました。

 Mac OS(Classic)ではFile Exchangeなどを利用して泥縄的に扱われてきた拡張子も、Mac OS Xでようやくネイティブ扱いとして整備され、またそのサポート方法も他のデータファイルを活用することでWindowsでの拡張子の隠し方などよりも遥かにスマートに出来ている事が解説されました。

以上で初日のテクニカルセミナーは終了。

最後に特別ゲストとしてApple Computerにてデベロッパー支援の最高担当者 World Wide Developer Relations Partnership Management Director を務めている Shaan Pruden氏によるスピーチが行われました。2001年5月にカリフォルニア・サンノゼにて開催されたWorld Wide Developer Conference 2001 には日本から200名を超えるデベロッパーが参加し、来年のWWDCにも同じぐらい多数のデベロッパが参加することを期待していると述べられた後、今回のセミナーはMacHack日本版のような物であると聞いているのでデベロッパーにとって実り多いものであることを期待していると、簡単なスピーチが行われました。

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Shaan Pruden


 今回のセミナーにおけるAppleのプレゼンテーションは非常に短時間であったものの、Mac OS X 10.1もリリースされ、5月に開催されたWWDCから半年という、この中間期を補完するのに余り有る情報満載の非常に有用なセミナーでした。




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