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Mac Treasure Tracing Club
Streaming Media Japan 2001
November 2001 MACお宝鑑定団 
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2001年11月20日〜22日にかけて、幕張メッセで開催されたIDG ジャパン主催による「STREAMING MEDIA JAPAN 2001」に関するページです。

11/21 レポート

・ Streaming Media Japanにてアップル社基調講演「QuickTime & MPEG4」が行われ、国内一般公開として恐らく初めてアップルによって MPEG4 のデモが行われました。

qt5mpeg4.jpg omiya.jpg

第1回Streaming Media Japanの基調講演
にふさわしい「QuickTime & MPEG4」

基調講演のスピーカーは
アップルコンピュータ株式会社の
大宮哲夫マーケティング本部長。



 講演はAppleのWebサイトにおいても公開されている Starwars Episode II の予告編ムービーの上映から開始され、上映終了と共に講演が行われました。まずは、上映されたばかりのStarwars予告編ムービーについて「ルーカスフィルムが各種ストリーミングフォーマットを検証した結果、高い水準のクオリティなど要求されるニーズに対応できたのは唯一QuickTimeだけであり、ジョージ・ルーカス監督自身が『QuickTimeでのみ予告編を公開する』と決定した事によってEpisode I・IIの予告編はQuickTimeでのみ公開されている」とQuickTimeは世界トップレベルのクオリティを持つと説明されました。続けてAppleとAkamaiが共同で配信したEpisode Iの予告編については「ストリーミングにおいては記録的とも言える、メガクラスのダウンロード数とテラバイトクラスのデータ通信量を配信し、この成功はQuickTime Streaming Serverの拡張性や堅牢生を証明する一つのデータで有る」と説明されました。

 前振りはここまでで、いよいよ本題。

講演は

●QuickTimeとは何か? -- QuickTimeについての説明とビジネスへの活用法について
●次世代システムと、現状の問題点の解決法としてのMPEG4

の2点について行われました。

 「QuickTimeとは何か?」という話に入る前提として、まずは歴史の復習から。

1991年(10年も前!!)にPCで初めて動画再生を可能にする技術としてQuickTime 1.0が発表されて以来、QT2(1994年)にMac・Winのマルチプラットホーム化・360度回転のQTVRに対応、QT3(1997年)にWebからの配信への対応を開始、QT4(1999年)にはRTP/RTSPなどの標準プロトコルによるストリーミングに対応、QT5(2001年)にはスキンやダイナミックダウンロードに対応したとQuickTimeの長い歴史を振り返った上で、現在は1億5000万以上の配付や75種類以上のデジカメにライセンスが配付された実績が有ると説明されました。

 続けてQuickTimeとは、QuickTime PlayerがQuickTimeなのでは無く、トラックベースで様々なメディアに対応できる「マルチメディアアーキテクチャ」、MacOS・Windows向けに文章化されて公開されたAPI群であり、Mac OS Xの基盤の一つでも有る「堅牢でオープンなAPIの集合体」、Final Cut ProやiMovieに止まらず、Acrobatのような画像・映像を扱う有りとあらゆるソフトウェアの根幹に位置する「コンテンツオーサリングプラットホーム」、100Mbps以上のHD〜28.8Kbpsのストリーミングまで映像などの取込みから配信までの全てをサポートする「コンテンツ配信、再生環境」であると説明されました。一番強調されたのは "「インターネットの次に来る波は"デジタルハブ"」であり、この根幹にQuickTimeは黒子のように存在する" という事でしたが、基本的にQuickTimeの特徴に付いて一つ一つ詳細に述べただけでしたので、この部分については今回は詳細なレポートを省略します。

track.jpg

QuickTimeを理解する上で一番重要
なのはトラックベースのレイヤー
構造になっているという事



 QuickTimeについて解説が終わったところでデモへ。アップルに吉村氏によって、Mac OS 9環境において QT5 よりサポートされたSkinのサンプルやCubic VRのデモが公開された後、Quartz・OpenGL・QuickTimeが完全に統合されたMac OS XでのQuickTimeの表現力の違いについてのデモが行われました。サンプルはCubic VRで撮影された教会の映像の中央に、OpenGLでリアルタイムレンダリングされた水玉が浮いているというもの。OpenGLで描かれた水玉には教会内部の様子が表面に反射しつつも、背景はきちんと透過していて、しかも水玉をマウスでクリックすると波紋の発生と、波紋に従って反射風景が歪むという一連の動きが全てリアルタイムに表示されるというMac OS Xならではのリッチな表現能力を使い切ったデモとなっていました。

opengl.jpg

Mac OS Xの世界ではOpenGLと
組み合わせた表現が可能になる



 これより、MPEG4についての話へ。

 まずストリーミングの実情として、規格が乱立している現状では、制作者には全フォーマットでの配信に対応しなくてはならないという余計な負担が掛かる上に、互換性が無いためにマーケットの成長を妨げているという事を指摘されました。

 この現状を解決する次世代フォーマットとして制定されているのが「MPEG4」。

MPEG4は圧縮コーデックを定義したMPEG1・2とは異なり、1つのファイルフォーマットでPDAからPCまでのストリーミングに対応できるように、ファイルフォーマットとしてQuickTimeを採用し、QuickTimeのレイヤー構造のようにMPEG-Java・Audio・Visualレイヤーやコンテンツ管理システムが乗った、ISOで認可された業界標準のビデオフォーマット。AppleはファイルフォーマットとしてQuickTimeが採用されただけでは無く、IBMやCiscoやコンテンツプロバイダのAOL Time Warnerと"Internet Streaming Media Alliance (ISMA)"を結成したり、NTT DoCoMoや松下などの国内主要携帯電話メーカーが中心となって結成した"Wireless Multimedia Forum (WMF)"と密に連絡を取り合う事でMPEG4の向上と普及に努めているとの事でした。

whatmpeg4.jpg future.jpg

QuickTimeのように各種機能が
レイヤーのように実装される

iMotione(NTTドコモ)・zmovie(au)
のように携帯の世界でもMPEG4は利用される



 続けてMPEG4のデモへ。ただし、このデモはネイティブなMPEG4ファイルでは無く、QuickTimeにMPEG4のビデオコーデックを実装したものをQuickTime Playerにて公開するというものでした。内容としては、1つの映像素材を複数のビットレートで再生するもので、サンプルのデータは以下の通りでした。

100Kbps 384Kbps 1Mbps
映像 MPEG4 240*120 1670万色 12fps MPEG4 320*160 1670万色 24fps MPEG4 640*320 1670万色 24fps
音声 MP3 モノラル 24KHz 16bit VBR MP3 ステレオ 44.1KHz 16bit MP3 ステレオ 44.1KHz 16bit


データを見る限りでは、Sorenson3よりもファイル容量が少し小さくなるかな?という感じでしたが、サンプルである為に何とも言えないというのが正直な感想でした。

 デモの2番目はリアルタイムストリーミングのデモ。Appleのテストツールによって映像のみのリアルタイムエンコーディングでしたが、380Kbpsで320*240 1670万色 8fpsの映像配信というようにテストツールとしてはなかなかの成績だと思わされました。

demo.jpg

リアルタイムストリーミングのデモもきちんと行われた



 以上でデモは終了。最後の締めとして、QuickTimeのMPEG4への具体的な取り組みとして「当初はビデオ、オーディオコーデック」の実装にフォーカスしており「間もなく」公開されるという事が発表されました。MPEG4のフルサポートは目標となっているものの、具体的な発表時期などには一切触れられずに「来年2月にビバリーヒルズで開催する "QuickTime Live! " にて、もっと詳細について説明されるだろう」とされただけでした。

 今までにアメリカのカンファレンスなどでAppleからMPEG4についての説明を聞いている身としては目新しさは感じませんでしたが、QuickTimeは派手さはないもののMPEG4などにおいて自身が標準として定められながらも貪欲に業界標準規格を吸収しながら着実に成長を遂げている事が良く理解できた基調講演でした。




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