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Mac Treasure Tracing Club

October 2002 MACお宝鑑定団 
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2002年10月16日〜19日間、東京ビッグサイトで開催された「WPC EXPO 2002」に関するレポートです。


2日目会場レポート

・TEAC

 ノートPC向けのDVD Multiドライブ "DV-W22E (DVD-RAM *2倍速, R *2倍速, RW *2倍速, CD-R *16倍速, RW *10倍速)" と、同時に同ユニットを利用したリテール向け製品 "DW-227PU" を参考出品していました。リテール向け製品のインターフェイスとしてはUSB 2.0のみのサポートとし、Firewireについては「市場の規模などを見ているが、現状では見送り」という判断をしているとの事でした。

 なお、ノートPC向け製品としてはトレータイプのみのラインナップを考えており、スロットローディングタイプについては「メカユニットが増える事でトラブルの原因などが増えてしまうので、計画していない」という事でした。

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トレー式のノートPC向けDVD Multiドライブ USB2.0という事で、
バスパワー駆動が不可能というのは非常に残念


・KOKUYO

 今までホワイトボードに書かれた文字をPCにイメージデータとして読み込める mimio を発売していたKOKUYOがリリースしたのが、A4程度のサイズの紙に書かれたデータを読み込む "mimio personal"。来年2月に3〜4万円でリリースする予定となっているものの、発売当初はWindowsのみのサポート。Mac OSについてもサポートを検討しているものの、具体的なプランについては未定という事でした。

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小さくなった事でタブレットのようにも見える "mimio personal"


・DVD Multiドライブ

 CEATEC, WPC Expoの開催によってDVD Multiドライブが出揃ったところで、各社のMac OSへの対応状況を調べてみました。

■ Pioneer - 非サポート
■ Panasonic - 会社としては非サポート。しかし、これはリソースなどの都合によって検証出来ていないだけで有り、問題無く動作するはず
■ TEAC - 発売前なので未確認。発売後に確認を行うが、iTunesやDVD Studio Proへの対応は必要だと十分認識している

というような反応でした。日立は展示を行っていない為に確認が取れませんでしたが、各社から得られた回答は、どれも自社ブランドでリリースする製品についてのサポートについての姿勢。Panasonic製品のOEMを受けている Pixela はMacOS向け製品をリリースする事を、今回のWPCにて発表した事から分かるようにOEM向け製品の対応は、この限りでは無いとの理解をしておくべきでしょう。

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PIXELAが発表したPanasonicドライブを採用したFirewire接続DVD Multiドライブ


・IEEE 1394b

 横河電機が発表していたのが IEEE 1394, 1394b共にアナライズ可能なIEEE 1394bデータアナライザ "IP1200"。現在IEEE 1394bチップが存在しない為にテクニカルプレビューという位置付けであるものの「(恐らく) 国内に唯一存在するIEEE 1394b機器」という事でした。

 IEEE 1394bのコントロールチップとしては IEEE 1394, 1394b共にサポートする "Billingual Type" と IEEE 1394b のみをサポートする "Beta Type" の2種類が有り、これは設計によって決定するという事でした。Billingual TypeのIEEE 1394bチップであれば、IEEE 1394b(9pin) - IEEE 1394(6, 4pin)の変換ケーブルを利用する事によって、現在のIEEE 1394対応機器も問題無く接続することが可能となります。なお、現状でIEEE 1394bとして制定されているのは電力線も含む9pinの信号線のみ。IEEE 1394においては電力線を省いた4pinもサブセットとして制定されているものの、このような動きは現状では無いとの事でした。

 ちなみに、IEEE 1394bのケーブルを銅線で実現した場合には1.6Gbps(S1600)が、光ファイバを利用する事で3.2Gbps(S3200:開発中)が転送能力の (現状での) 限界となっています。

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国内唯一のIEEE 1394b機器(?)となるデータアナライザ IEEE 1394bのソケット(左)と、ソケットに周囲にガイドを付ける事で抜け落ちなどを防ぎ車載・白物家電などでも使いやすくした "テレマティックス"タイプコネクタ


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上からIEEE 1394bBillingualソケット, Betaソケット、IEEE 1394(6pin), IEEE 1394(4pin) IEEE 1394関連ケーブルバリエーション


・Randevous

 ネットワーク対応プリンタをリリースする各社にインタビューしたところ、Randevousについてはどの会社の担当者からも「あぁ、アップルさんが発表された」という回答が直ぐに帰って来る事から分かるように業界内ではきちんとした知名度を持っているものの、製品への採用については「今後の製品ロードマップを見ながら、必要が有れば採用する」という状況のようでした。

 中には「AppleTalkをサポートしているので、現状ではまだ不要という判断 (brother)」という会社や、「現在ではネットワークプリンタは企業ユースが多く、そのような市場では基本的に専属のネットワーク管理人が居る事が多いので搭載しないと思うが、ネットワークプリンタが家庭向け商品にまで普及した際には非常に有用になるのではないか (Canon, OKIなど)」という会社など、ある程度の採用ビジョンを持っているベンダーも存在しました。

・IBM

 ThinkPad 10周年記念のジョークマシン "ThinkPad 701C" (バタフライキーボード搭載フォトスタンド) の展示が行われていました。
ちなみにバタフライキーボードについては「今時はキーボードにバタフライユニットを採用しなくてはならない程まで小さくするよりも、ある一定以上のサイズの液晶を持つマシンを如何に軽くするかが問題」という事で、復活は時勢に合わないと明言されてしまいました。

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ウルトラマンPCを彷佛とさせるコンパクトさ

パネルディスカッションレポート

・ユビキタス時代を迎えてさらに進化するパソコンの未来を占う

 WPC EXPO初日の決まり事と言えば、PC有力数社の代表が集まってのパネルディスカッション。例年、その年ならではキーワードがタイトルに含まれるのですが、今年は「ユビキタス時代を迎えてさらに進化するパソコンの未来を占う」となっていました。

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 さて、PCマーケットの一角を担うアップルの代表は当然の事ながら、原田永幸社長。原田社長は WPC Expo (旧WORLD PC Expo) 8年目を迎えるパネルディスカッションの唯一の皆勤者という事です。

 肝心の原田社長のスピーチですが、当初WORLD PC Expoという名だった事について「"PC" という言葉を名前に含めてしまう事で閉塞感が出てしまい壁にぶつかってしまうと何度も言っていたが、今年になって漸く名前が"WPC"に変わったという事で、新たな展開が有ると嬉しく思っている」と軽いジャブを入れてからのディスカッション開始となりました。

 最初にモデラーから提示された「ここ1年間でパソコンは成熟しているのか、今後も成長の余地があるのか?」というタイトルに対しては、「箱売りの時代は終わったと一般的には言われるが、それは "安い", "薄い", "軽い" などの価値だけで戦って来た事に対する限界であって、パソコンの成長という意味では全く終わっていない。Appleは今後100年は進化して行くと考えている。」と述べ、今後のトレンドとしては「ハードウェアやOS, アプリなどは大前提として、それらを組み合わせたサービスがキー。ソリューションという面を如何に成熟させるかが重要」と逆に提案されてました。この動きを受けて、アップルとしては今年に入ってからもiMac(Flat Panel) などのハードウェア、Mac OS X 10.2としてOSをリリースすると同時に、Shakeなどソフトウェアに対する投資・開発を続行している一方で、"Beyond The Box" という目標を達成する為にAppleのソリューションを理解し、説明出来る社員を各ショップの店頭に派遣する事で、購入前のお客様に実際の商品を触れながらソリューションを理解して貰えるようにしているとの事でした。

 「コンピュータを普及率だけで量れる時代は終わり、今後はソリューションの充実差が大切になる」という結論で、タイトルを締めくくられていました。

 続けて提示された「ユビキタス社会(今回は「何処からでもネットワークに接続出来る社会」と定義)で何が変わるのか、パソコンはどう変わるのか?」というタイトルに対しては、原田社長は「これはプラットホームベンダ1社の範囲を超えた話であるので、本来はIT産業各社が集まらないとイケナイんでしょうが...」と前置きされた上で、「Appleは1984年に誰でも使えるコンピュータ (Mac) をリリースし、1990年には 『TV電話のような双方向性を持った、映像・音声コミュニケーション』、『携帯電話のようなモバイリティ』、『PCが自律知能を持ち、人間のインテリジェントなサポート』の3点が実現されれば大きな力になると理解して (Knowledge Navigatorビジョンの事?)、それらの実現に向けての動きを取って来た」と、ユビキタス時代という言葉は無くとも、以前より考慮されていた時代が漸く到達しつつ有るだけだと説明されました。

 また、ユビキタス時代と言われネットワークが充実して「日本はシリコンバレーよりもネットワークが充実していると言われるようになった」今日だからこそ、これを如何にして活用するかを考える事で大きなチャンスがあるとされました。実例としてUSにおいては写真やPDFファイルなどの印刷を1部から発注し、それを印刷した上で郵送してくれるオンデマンド印刷とネットワークが結び付いたサービスが有るにも関わらず、日本国内では実現出来ていない事を挙げられ、「印刷とPCが組み合わさってCDなどのメディアが、流通とPCが組み合わさってeコマースなどが実現した。日本のIT教育が「PCを使って何かをする」教育では無く、「PCを使えるようにする」教育であるのも問題であるが、ビジネスや慣習のレガシーを打ち破って、新しい価値観を創作する必要が有る」とし、「車が走らない高速道路は作らない。"まず高速道路有りき" では無く、高速道路に何を走らせるか、必要なのかを議論すべきである」という事で新しいライフスタイル・価値観が必要であると述べられました。

 タイトルにも有るように、これらの新価値の創作には今ではネットワークが必要不可欠であり、このネットワークを快適に使えるように、また新しいサービスを容易に実現出来るようにAppleはRandevousなどのテクノロジーの開発・OSへの搭載を進めており、その成果はオープンソースのDarwinプロジェクトとして公開しているとしていました。

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 最後に今後の展開として、「デジタルデバイスはデジタルカメラが1,800万台、PDAが1,260万台というように非常に大きなサイズのマーケットと成っている。Appleはデジタルハブ戦略を推し進める事で、これらのデジタルデバイスとの容易で快適な接続の実現に向けて進化して行く。」と述べられた上で、「これらを結ぶ新たなソリューションには優れたソフトウェアが必要であるので、最近では "Shake" を獲得し、新バージョンをリリースしたように、今後もAppleはOSのみならず、ソフトウェアに対する開発とリリースを進めて行く」とされました。「ソフトウェアのリリースによって、例えばDVDは今では『DVDビデオタイトルのオーサリング』に留まらず、『ビジネスや教育(eラーニング)のツール』にも多く使われるようになったように、マーケットに幅と深みが生まれ、新しいビジネスモデルやマーケットの誕生」が実現することで、これこそがユビキタス社会であり、Appleが目指している将来であると結論付けられました。

 パネルディスカッションを振り返ってみれば。コンシュマー向けにきちんとしたビジョンを持って、製品開発をしているのはAppleとSONYぐらい。その両社ですら、例年同じような事を言い続けているだけなのですが、エンタープライズマーケットにシフトしているIBMを除く他社から昨今のマーケットの冷え込みに対する意見ばかりが目立つ中では、両社が斬新に見えてしまうのも真という、例年通りの感想を持ったパネルディスカッションでした。



1日目会場レポート

・Victor

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ソリューションについてパネルで詳細に解説



 CEATEC Japan 2002で電撃発表された「デジタルハイビジョンムービー」カムコーダーについて、今回はどのような編集・製作ソリューションを提案するのか解説パネルが用意されての展示となっていました。これと併せてスタッフの説明によると、525iでの撮影時にはDVストリームとして、525P・720Pでの撮影時にはMPEG2-TSによってFirewire経由にて編集マシンに映像データが取り込まれ、MPEG2-TS対応の編集アプリによって編集するというシステムとなっているとの事でした。525P/720Pを1125iにアップコン(っと言って良いのか?)する機能については「D端子を装備した古いタイプのモニターには、インターレース表示しかサポートしていないものが有るので、そのようなモニタを使っている人でもカムコーダーで撮影した映像を再生して貰えるようにする、言わば『救済策』のような機能。この為に、付属するD4端子から映像を出力する場合にしか機能しない」という意味があるそうです。

 さて、取込みについてですが、Firewireの上に MPEG2-TS を流すという動作はWindows XPでは何の問題も無く出来る為にVictorがキャプチャユーティリティを用意するだけで済むものの、Mac OSの現状では不可能な為に、どのような方法でMacOSをサポートするのかは検討中との事でした。CEATECでの発表までVictor社外に一切情報を出さなかった為に、Appleにとっても寝耳に水だったようで「(Victorとしても) 今後アップル社と積極的に情報交換をして、(サポートする)方法を検討してゆく。」という事でした。

 ちなみに、WPCの会場で展示されているカムコーダーはCEATECのモノと同じとの事で、ローテーティンググリップについては「動くのだが(動かした際に)何処に不具合が出るか分からないので、動かせない」という事で、今回も実働デモはお預けという結果でした。

・ピクセラ

 CaptyシリーズでPCをTVのように使っている人向けの製品として、Capty用の赤外線リモコンを発表していました。価格は未定であるもののUSB接続の赤外線受光ユニットとセットで、11月にはリリースされるとの事でした。

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リモコンも用意される事で、よりTVライクな利用も可能



・今日の渡辺MC

 昨年に続いて、マイクロソフトブースに登場。力強くTablet PCを説明されていました。

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・Nikon

 COOLPIX 2500の後継機にあたる3.2メガピクセルの「COOLPIX 3500」を参考出品していました。残念ながらボックスに入っていて触れられなかったのですが、希望小売価格\72,000-にて11月中旬にリリースされるとの事でした。

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ブルーベースからグレーベースになり精悍さが増した "COOLPIX 3500"



・Canon

 注目の EOS-1Ds は「製造ラインから出て来たものでは無く、βバージョンできちんとした撮影画像を見せられないので...」という事で、ボックスに収められての展示のみという形でした。CMOSという事で画質を心配する声も多いものの、キャノンとしては「CMOSも進化しているので、プロの求めるクオリティにも十分耐えられる事を確認して採用している」という事で、画質に関しても一切不安は無いとの事でした。

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残念ながら展示のみに留まった EOS-1Ds



・CONTAX

 同社初のコンパクトカメラ型デジカメとなる 「T VS DIGITAL」を参考出展していました。T2などの同社アナログカメラと同じくチタンボディを纏い、600万画素のCCD、記録メディアにはSDカードを採用、レンズは「Vario Sonnar」と同社らしい製品となっています。まだきちんと動作しないので実働させる事は出来ないものの、近日中に正式発表を行うとの事でした。

撮影モードの切り替えスイッチにはムービーカメラをイメージしたアイコンも有り、色々と期待させてくれる製品でした。

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チタンボディのクールなデジカメ

背面はかなりオーソドックス



・OLYMPUS

 USBストレージクラス対応のデジカメとUSBで接続する事でPCレスでデジカメのデータをMOに吸い上げる事が出来る "mini EX IV +" を展示し、11月30日に発売すると発表していました。

このシリーズは1.3GB GIGAMO対応の "mini EX IV + 1300" と、640MB MOまでに対応する "mini EX IV + 640" の2種類をラインナップ。このシリーズよりUSB 2.0をサポート(現状のMac OSではUSB 1.1で動作)する事により、Firewireモデルは無くなっているとの事でした。

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デジカメから直接データを吸い上げられるようになったMOドライブの新シリーズ






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