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シネックス、Scosche製iOS対応γ放射線測定器「RDTX-PRO」製品説明会を開催

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RDTX-PRO

RDTX-PRO

シネックスScosche製iOS対応γ放射線測定器「RDTX-PRO」を近日中に想定販売価格 34,800円(税込) にて発売をすることを発表し、製品説明会を開催しました。

放射線測定器と言えば「ガイガーカウンター」と呼ばれるガイガー・ミュラー計数管によって放射線を検知する装置がよく知られていますが、ガイガーカウンターは放射線数を測定する機械であるために、放射線の持つエネルギー量までは測定することは出来ません。このために放射能測定という点については、非常に参考にはなりますが、厳密な測定にはなりません。

対する RDTX はシリコン半導体を放射線を検知する受線素子として利用することによって、放射線数だけでなく放射線が持つエネルギー量の測定をも可能にし、これによって放射能の実パワーを計測しやすくしています。また、シリコン半導体を用いている事によってキャリブレーションをせずとも±5%以内の誤差しか出ないという安定した測定を可能にした上に、ガイガー管と比較して軽量かつ丈夫なものになっています。

iOS 搭載機と連動して動作する γ放射線測定機ということで電磁波などのノイズ波まで検知してしまうことが考えられますが、これらのノイズについては「シリコン半導体を受線素子として利用しているために、検知波の特性まで分かる。ここで電磁波はγ放射線とは別のものとして判別・検知出来るので、それらのノイズ情報は検知はしているが、検知結果からは除外するようになっている。」ということでγ放射線のみを検知するような設計がなされているという説明でした。


測定器キャリブレーション用のγ放射線物質の上に「RDTX-PRO」を乗せてみると、数分でアラームを発報

測定器キャリブレーション用のγ放射線物質の上に「RDTX-PRO」を乗せてみると、数分でアラームを発報

このような高精度な受線素子を搭載している RDTX-PRO には背面スイッチにて電源を入れることで独立した放射線探知警報機として動作させる機能も搭載されています。この場合には、RDTX-PRO を iOS 搭載機と Dockコネクターで接続するか、単三電池を 1本挿入することで96時間の独立動作が可能であり、計測累積 0.85μSv を越えた時点で警告アラームが鳴ります。


radTEST

radTEST

これらの高精度γ放射線測定センサーを持つRDTX-PROを支える iOS アプリ「radTEST」も秀逸。


表示モードを "Digital Display" にすることで一般的な測定器と同じように CPM (Counts Per Minutes)・μSv・計測累積値・平均値を数値として見ることが出来るだけでなく、直近の1分間の計測結果をリアルタイムに分析することで "Average" として μSv/hr の推測値を算出することが出来ます。特に CPM 計測においては測定時間カウンターが一緒に表示されますし、カウントリセットが 1タップ で可能ですので、条件を揃えて何度も計測することでサンプリング計測とすることを支援します。


"Meter Display" という簡易表示モードでは緑・黄・赤の表示を針が動くことで安全かどうかをビジュアル的に一目で確認できるようになります。


これらの機能を用いて測定した結果については iOS で測定された GPS データと共に共有することが可能であり、現時点では Twitter・Facebook、もしくは Scosche社独自の情報共有サイト「RDTX-Pro map」へのポスティングが可能です。

なお、非常に近いうちに mixi へのポスト対応も実現するということでした。


共有される測定結果の情報は 表示モードを問わずに同一。このために、数値データと共に「緑・黄・赤」の信号表示を使うことで、分かり易さと正確さの両立を目指します。

これらの機能を持った「RDTX-PRO」は iOS 搭載機とDockコネクタ経由で接続して利用する周辺機器であり、iPod touch・iPhone での MFi も取得済み。このために今後 iOS の新機種が出ても「対応可能なハズ」という事でした。

測定アプリケーションについても iOS 4.x への対応は勿論のこと、開発者向けに配布されていることが発表されている iOS 5 への対応についても「検証を進めているが、現時点では問題無く対応出来る見込み」ということで、長い期間に渡って利用出来る設計がなされている機器となっています。


出荷については、測定器ハードウェアとしては既に量産が開始されており、日本へも最初のロットが入庫している状態。現在は測定用アプリケーションの iTunes App Store への審査待ち状態であり、これが数日以内に承認が完了し、ダウンロードが可能になった状態になった時点でハードウェアの出荷を開始するという事でした。ただ、現時点では受線素子として利用しているシリコン半導体の生産がボトルネックとなっているために月産数千台レベルでの量産しかできない状況であり、この問題については「努力はしているが、直ぐには解決出来ない」状況。

しかしながら、RDTX-PRO については iPod touch 取り扱い店だけでなく、教育機関、官公庁、農協、漁協、電力会社などからの問い合わせも受けている状況であり、出荷当初から品薄感が出てしまう恐れが十二分に考えられる状況となっています。このために、現時点では出荷について優先順位などは付いていないものの、今後は公共性などの事情によって優先順位を設定することは有りえるということでした。

なお、RDTX-PRO が1台販売されるごとに メーカーのScosche社が US5ドル、流通会社の株式会社シネックスが US5ドルの計US10ドルを、四半期毎に計算して東日本大震災及び原発事故被害からの復興活動をしている団体 (現時点で対象は未定) へ寄付することになっています。

最後に商品ラインナップについて。

現在、生産されているのは「RDTX-PRO」のみですが、近いうちに壁などへ設置しておき Wi-Fi 経由でγ放射線測定結果を参照したり、設定しきい値を超えるとアラートやメールで警告を発信する据置型「HRDTX」を開発、続けて RDTX-PRO からセンサーのみを切り出した廉価版iOS連動測定器「RDTX」の開発が予定されています。


Scosche社開発チームのスタッフが「自分の母親でも使え、安心出来るものを目指して開発した。」と胸を張るだけあって、高い技術を、使いやすいインターフェイスで包み込んだ良い製品に仕上がっていると思えました。



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