シナジーのCalDigit製Thunderbolt接続I/F拡張ドック「CalDigit Thunderbolt Station」製品版をチェック
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シナジーが販売する、CalDigit製Thunderbolt接続I/F拡張ドック「CalDigit Thunderbolt Station」は、ThunderboltからUSBやオーディオ等のインターフェイスを拡張するドック。
以前、ベータ機段階でのレビューを行ったが、今回、量産出荷型を提供いただいたので、実際に市販されているモデルで再検証を行った。
今回は、その後登場したThunderbolt2ポートを有するMac Pro (Late 2013)で再検証した結果をレポートする。
(斎賀和彦教授@mono-logue)
前回エントリーと重複するが、CalDigit Thunderbolt Stationの基本的インターフェイスは「Thunderbolt 2基。USB3.0 3基。Ethernet 1基。オーディオ(入出力)各1基。HDMI 1基」という仕様となっている。
写真で分かるようにMacBook 等とともに持ち歩くのも抵抗感の少ないサイズ(ACアダプタはもう少し小さいと嬉しいけど、供給電源パワーの課題については後述する)。なお、ACアダプタレス(バスパワー)では駆動しない。
USBは3.0で、Belkin社のThunderboltドックである「Thunderbolt Express Dock」が同じUSB3.0ながら上限帯域を2.5Gbpsに制限しているため高速なデバイスを繋ぐと転送速度が低下するのに対し、本機では速度への影響はなかった。(G-Technology社のG-DRIVE USB3.0でテスト)
前回のβ機ではiPadへの充電に問題があったが、出荷版では手元のiPad(1および2)で警告ダイアログが表示されるものの充電および同期を確認できた。
電源供給に関しては別表を参照していただきたいが、わたしの知る限りほとんどの拡張ドックやHUBで使えないアップル純正のUSB SuperDRIVEは本機でもNGだった。
パイオニアのポータブルBDドライブである「BDR-XD04BK」はMac直刺しならUSB1本接続で駆動するが、CalDigit Thunderbolt Station経由では付属の二股USBケーブルを2本とも繋がないと駆動できなかった。
速度的には心配がないが、大電力を必要とするUSBデバイスの運用には注意が必要だろう。
Thunderboltについては本機は2ポート、つまり入力出力が一対なので、Thunderboltを増やすのではなく、延長の途中でUSB等の分岐を行うもの。
その過程でThunderboltの速度が低下しては困る。
この計測結果も別表の通りだが「Thunderbolt1機器に関しては速度への影響はない」「Thunderbolt2機器は大幅に速度低下。TB1規格のレベルにまでスルー性能は落ちる」というもの。
本機はThunderbolt1規格のドックゆえ当然とも言える結果だが、現行のMac Pro (Late 2013)やMacBook Pro (Retina, Late 2013)といったThunderbolt2規格のマシンでPROMISE等のThunderbolt2RAIDを運用する際には本機は間に入れないようにしたい。
なお、表にはないが、Mac Pro (Late 2013)--PROMISE Pegasus2--CalDigit Thunderbolt Station-- PROMISE Pegasus1と接続して計測したところ、PROMISE Pegasus1の速度への影響はなかった。
CalDigit Thunderbolt Stationの特徴としてHDMIポートを持つことがあげられる。
これはThunderboltから1920x1200のセカンダリビデオ出力を得られるメリットがあるが、MacBook Pro Retinaに引き続き、Mac Pro (Late 2013)もHDMIを搭載(4K30P対応)したことから若干アドバンテージが低下した感がある。
Thunderboltを6ポートも有するMac Pro (Late 2013)も同様で、そういう意味ではThunderboltドックの特性を活かすのは、ノート型MacかもしくはThunderboltポートの少ないiMacであろう。
特にHDMIを持たないiMacではセカンダリディスプレイを繋ぐためにはThunderboltポートをひとつ潰すことになる(Thunderboltはディージーチェーン可能だが、ディスプレイに繋ぐには終端になる)。
パワー的にはiMacで充分、だけど拡張性が・・といった場合に、コストパフォーマンスに優れたCalDigit Thunderbolt Stationは良い選択肢になろう。