LinkShare Forum 2009:経済不況によるアフェリエイト市場の変質と消費行動の変化
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LinkShare Forum 2009において、新しく津田圭吾氏が社長に就任し、リンクシェアの社長として、この講演が最後となる花崎氏によって「経済不況によるアフェリエイト市場の変質と消費行動の変化」と題した講演が行われました。
恒例のリンクシェアの実績とデータの紹介が行なわれ、208年度前期は前年度比105%で920億円を達成し、前年の成長率と比較すると鈍化しているが下回っているわけではないと説明していました。
カテゴリ別の対前年同期伸長率でみると、PCカテゴリが30%ダウンしているが、それ以外のカテゴリは著しい成長率を見せていると説明していました。
PCカテゴリダウンの背景は、ネットブックなど単価そのものが下がったという事と、リンクシェアからパソコンのECサイトが減った(アップル、ツクモなど)という2つの要因が考えられると述べていました。
流通額推移からPCカテゴリを除くと、前年比124%の高成長を維持していることが分かり、経済不況の中で、アフェリエイトの成長率が高いことがわかると説明していました。
ECサイトのカテゴリ別シェアで比べると、PCの割合が26%から17%に減ったが、それ以外の分野割合が広がり、特に女性に強い分野のカテゴリが伸びていると言えると説明していました。
アフェリエイトカテゴリ別シェアで見ると、ポイント還元系の成長率が高くなり、SEO、SEM系比率が低下していると見てとれ、検索エンジンの機能強化によって、陣取り系のシェアが下がっていると説明してました。
アフェリエイトカテゴリ別の新規獲得率と販売額件数で見ると、還元系が圧倒的に新規獲得率が多いが、獲得率と販売額のバランスとして見てみると、個人サイトとSEM/SEO系の差がないことが見てとれ、個人アフェリエイターも重要であると説明していました。
モバイルアフィリエイト市場は、223%と200%成長を達成し、流通額80億円となったと説明していました。
モバイル市場のカテゴリ別シェアで見てみると、特に総合通販系が積極的に取組んだことが見てとれると分析していました。
PCとモバイルとの販売額比率で見ると、ファッション系、テレビ通販系、総合通販系の順で伸びていると説明していました。
モバイル アフェリエイトカテゴリ別 販売額比率を見てみると、PCでは苦戦しているコンテンツ系がシェアを持っていて、また、SEO系も比較的高いことから、企業側が、モバイル向けのSEO対策が万全ではない事から、アフェリエイターの力を借りて、SEO対策を行っているのではないかと分析していました。
年度別のアイテム単価と1購買あたりの平均アイテム数で見てみると、商品単価が下がり、購入アイテム数が増加していることが見とれ、安い物をより多く購入する消費者の実態がこれでわかると説明していました。
お歳暮関連商品 商品群アイテム数の単価伸張率を見てみると、単価が安いアイテムが伸びていることが分かると説明していました。
季節の物商品別に見てみると、クリスマス、福袋といったアイテムが苦戦し、単価も下がったが、なぜかおせち料理だけは単価が高く、巣ごもり減少の中でも、お正月だけは豪華に過ごしたいという消費者動向がわかると思うと説明していました。
還元系カテゴリでの成約率推移を見てみると、本来決めうちのはずの還元系サイトでも成約率が低下傾向にあり、消費者の比較志向が強まっていることがわかると分析してました。
永久不滅リサーチと共同で、カード会員登録している非アフェリエイタ300名の主婦と、リンクシェアのアフェリエイターの主婦(300名)を対象にしたアンケート結果を見てみると、ばらつきがあるカテゴリも見られるが、購買にいたるまで、平均3〜3.5回のサイトを訪問し、じっくり調べてから購入しようとしていることが読取れると分析していました。
次に商品を購入した際、その商品を人にすすめることがありますか?というアンケートの結果を見てみると、ショッピングカード会員はリアルで、アフェリエイターはネット上でクチコミを拡げていることが読取れると分析していました。
ネット上の消費者進化のプロセスとして、情報発信をしているアフィシューマー層は、いきなり始めるわけではなく、段階を踏んで進化してきた人達だと思うと説明していました。
次に広告出稿側のアンケート結果として、4マス、ネット純広告は手控え傾向にあるのに対し、成果型手法であるアフェリエイト、検索連動広告に注力した企業が多かったことが分かったと説明していました。
広告主が、アフェリエイトに求めるものとして、費用対効果(ROI)と新規顧客獲得を重視しており、今後の展開として、ターゲッティングやレコメンデーションなどの順のようだと説明してました。
まとめとして、不況による、広告主・消費者・アフェリエイト全てが、質的変化をみせ、広告主は、成果報酬型重視の姿勢が強まり、消費者は回遊性が大きく高まり、アフェリエイトは、EC競合、アフェリエイト競合が激化したと説明していました。
マーケティング手法への影響として、4マス広告予算を、ネット、成果型への流入し、CPCベースのROI低下が見られ、新規顧客獲得、ユーザー発信情報の重要性などが増大したと説明してました。
今後のリンクシェアの取組みとして、ECサイト側の要望が多様化していることから、購買影響力を指数化した、新しいネットマーケティングのための指標が必要だと考えていると述べていました。
アフェリエイトの取組みに関しては、モバイル市場と動画市場に注力し、特に動画検索とアフィリエイトの親和性を重要視していると説明していました。