Appleの一四半期は通常の1年に相当する
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Steve Jobs氏が亡くなってから、色々な元Apple関係者へインタビューしたり歓談したりする機会が増えるようになり、今まで聞けなかったような話しが聞けるようになりました。
そんな中で、Appleのマーケティング手法について聞ける機会がありました。
Appleは、全て1四半期(3ヶ月)で動いている企業で、それは一般的な企業の場合1年をかけて進めるような内容に相当するそうです。
マーケティング担当が行っている事は、Steve Jobs氏が全ての情熱を傾けるSpecialイベントでローンチされた製品をいかに広めるかが主な仕事で、製品が披露される時に発表される発売日に向けてプロジェクトをお越し、Goとなってから発売日までに全て実行出来るよう進めるそうです。
そのためマーケティング部門が製品情報について事前に知る事はまれで、知っていたとしてもSpecialイベントが行われず、発表と同時に発売になるようなアップデート製品に限られ、それでも1週間前程度といった感じだそうです。
Steve Jobs氏を初めシニアヴァイスプレジデントの主な仕事は、それぞれの部門のバイスプレジデントから上がってくるプロジェクトについて決済することが主な仕事で、自ら考えた案を部下に実行させるということは珍しい事案だそうです。
発案するのは主にディレクターで、そうでなければ社員の仕事に対しての評価がなされず、モチベーションも上がらないからという理由によるところが多いと考えられます。
Worldwide Marketing担当Philip Schiller氏は、1万ドルを超える予算が発生するプロジェクトについて全て決済を行う立場で、なかなかOKを出さない事から「Mr.NO」と呼ばれるほど評価が厳しいことで有名だそうです。
ポイントは、1度ノーになったプロジェクトは復活しない事で「一発勝負」で決まるという厳しさもあるようです。
そしてGoになってから、他の部門への調整や、キャンペーンを行う際の広告代理店との打ち合わせ、周辺機器メーカーなどとの交渉が始まり、それらを10日前後で行い、ローンチ日に間に合わせるという速度が命という事が普通に行われているそうです。
全てはSpecialイベントにかかってると言っても過言ではないApple製品は、発売日にApple Retail Storeにおける並べる順番も含めて細かく決められていますが、それらは発表後にもの凄い速さで計画され実行されていくとう事を知りました。
また、新製品のターニングポイントとして、何かを無くしたり、何かが無かったりした場合、記者やユーザーからの質問や要望に対してリサーチするのか聞いたところ、予め想定された内容についての範囲内にある場合は、特に取り上げず、製品の魅力がアップするような意見や提案に対してのみピックアップして報告するそうです。
それは1,000人に聞いて1件あるかないかといった状況で、とても多くの意見を聞く理由としては、そうした光る意見をピックアップするためでもあるようです。
Appleは、よく何日間で100万台売れたといった数字を強調する理由について聞いてみたところ、Appleでは売上よりも台数を重視する傾向が強く、そうした台数は、通常Appleを取り上げないメディアでも取り上げてもらえるニュースにもなり、金額よりも台数の方が分かりやすくインパクトも強いということが理由のようです。
Appleという企業は「自らの理想に向かって突き進んでいる会社」と言えるかもしれません。
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