ファイルメーカー「FileMaker 18 プラットフォーム」レビュー
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ファイルメーカーが、FileMakerの最新バージョン「FileMaker 18プラットフォーム」として「FileMaker Pro 18 Advanced」「FileMaker Go 18」「FileMaker Server 18」「FileMaker Cloud for AWS 1.18」を発表しました。
ここでは、FileMaker Pro 18について、「FileMaker Pro 18 Advanced」「FileMaker Server 18」を中心に、旧バージョンとの変更点を交えつつレビューします。
まずは、FileMaker Pro 18 Advancedから、macOS High Sierra 10.13以降、Windows 7 SP1 Professional Edition、Windows 7 SP1 Ultimate Edition以降のシステム環境をサポートしています。
新規作成をする際には、これからFileMaker Proを利用するユーザーのためのコンテンツ管理、タスク等の実用的なStarterが6種類、イベント管理などの13種類のサンプルも用意されています。必要に応じてカスタマイズして利用することが可能です。ファイル拡張子は「.fmp12」となります。
ファイル構造的には拡張子からもわかる通り、FileMaker 12の系統となっており、Ver.12〜17で作られたファイルは、いずれも開くことができます。
ただし、サーバーアクセスをする場合は、FileMaker Server 16以降が必要であり、それ以前のバージョンのサーバへはアクセスできません。
視覚的にも大きな違いを見せるのがレコードインポートの際のダイアログボックス。
これまでのバージョンでわかりにくかった「どのデータをどのフィールドに読み込むのか」「フィールドごとの読み込みのオン・オフ」が視覚的にも非常にわかりやすいインターフェースに変更されています。
ちなみに、旧バージョンのインポート時のダイアログボックスの画像がコチラ。
矢印と破線の区別は、お世辞にも見やすいとは言えませんね。
バージョンアップをするたびに、素晴らしい進化をし続けているスクリプト機能ですが、今回もとても良い新機能が追加されています。
スクリプトの中に「エラーログ設定」オンと「エラーログ設定」オフの間に関し、スクリプトを実行した際のログファイルを書類フォルダ内に書き出します。
ログファイルをコンソールで見ているところです。
ここでは、1行目に「1728」というエラーコードが吐き出されています。
手元のエラーコード表には記載がないものですが、恐らくアクセス権に関するエラーだと思われます。
FileMaker Pro 18 Advancedの特筆すべき新機能として、「ファイルのバージョン比較」があります。
ファイルをXMLで書き出すことにより、以前のバージョンとの比較をすることが可能になっています。
多くのスタッフで開発を進めて行く際には、便利な機能になると思われます。
セキュリティに関してもセキュリティダイアログボックスの刷新も図られているのですが、中でも目を引くのは「アクセス権セットの編集」の中に追加された「完全アクセス権のないアカウントを管理」という項目です。
この項目により、アカウントのグループ化をすることができるため、中位アカウントにおいて、下位のアカウントの管理をすることができる様になります。
これは、FileMakerでのシステムを提供しているシステムベンダーに取っては非常に心強い機能となるものと思われます。
蛇足ながら、FileMaker Pro 18 Advancedは最初のバージョンから「令和」にも対応しています。
FileMaker Pro 17 Advancedは、FileMaker Pro 17.0.5 Advancedアップデータで対応していますが、FileMaker Pro 16以前のバージョンは未対応となります。
筆者が最も気になっているFileMaker Pro 18 Advancedの新機能に「外部テキストファイルとの連携」というものがあるのですが、手元にあるレビュー用アプリでは確認できなかったため、製品版を入手次第、追加で記事にする予定にします。
iPhone/iPadアプリ「FileMaker Go 18」も同時に発表されています。
FileMaker Go 18関連のトピックスとしては、iOS App SDKで作成するAppのアカウントとして、OAuth 2.0をサポートしています。
また、サポートするバーコードが拡張されています。
FileMaker Server 18に関しては、起動復元機能を追加。万が一のサーバートラブル時のデータ復旧に威力を発揮します。
また、Zabbix オープンソースによるFileMaker Serverの監視が可能となり、既成の設定ファイルを用いての迅速な監視体制にも対応したとのことです。
細かい部分ではありますが、FileMaker Server 18において、スペイン語をサポートしています。
FileMakerでは、原則としてダウンロード購入のみの方向ではあるものの、日本国内からの要望を受け、パッケージ販売も継続するとのことです。
通常版、アップグレード版、アカデミック(学生・教職員限定)の3種類が販売されます。
今回のFileMaker 18 プラットフォームの発表を受けて、FileMaker 15に関しては2019年9月20日をもって直接販売およびサポートを終了するとアナウンスされています。
FileMaker Cloud for AWS(FileMaker Cloud 1.x)は、FileMakerが直接販売する「FileMaker Cloud」に変わります。
2019年中に米国からロールアウトが開始される予定で、米国以外の地域における FileMaker Cloud の開始については、地域ごとに段階的に行われる見込みだそうです。
記事:Macお宝鑑定団 副会長 村上丈一郎 a.k.a Alwaysmac