キヤノンのミラーレスカメラ「EOS M」を発表会でチェック
※本サイトは、アフィリエイト広告および広告による収益を得て運営しています。購入により売上の一部が本サイトに還元されることがあります。
主要カメラメーカーとしては最後発となる キヤノン が、ミラーレスレンズ交換式カメラとして「EOS M」を発表しました。
この発表を受けて、キヤノンマーケティングジャパン株式会社による商品説明のクローズイベントが開催されましたので、参加して来ました。
AF 搭載の銀塩一眼レフカメラとして登場した EOS シリーズですが、その登場から今年で25年。デジタルカメラとなった EOS Digital シリーズ、動画撮影に特化された EOS C シリーズに続く、ミラーレス機構を持つエントリー層向けのシリーズとして "EOS M" は位置付けられます。
EOS M は専用の EF-M マウントを持ちますが、アダプタを介すことによって全ての EFレンズ 資産を全機能欠かす事なく利用可能であるので、由緒正しい EOS シリーズの 1モデルとして位置付けられます。
さて、EOS M 専用の EF-M レンズ としてラインナップされるのは現時点では「EF-M18-55mm F3.5-5.6 IS STM」と「EF-M22mm F2 STM」の2本。
EF-M18-55mm F3.5-5.6 IS STM は STMを採用することで非常に静粛性を向上させ、IS (手ブレ補正) を搭載することでオールマイティな利用に向いたレンズ。
安価なEFレンズとしては初の金属フレーム。別売りでレンズフードも用意されるが、内面に特別な処理はされていません。
EF-M22mm F2 STM は F2 という非常に明るいながらも、23.7mmという非常にコンパクトなパンケーキサイズに収まっており、更には15cm (0.21倍)まで寄れるレンズ。
スナップの中でも、食事写真を多く撮影する人は鞄の中に EOS M と EF-S 22mm を常に忍ばせておくと非常に具合が良さそうです。
パンケーキレンズにも レンズフードが用意されています。
EF-Mレンズでは有りませんが、EF レンズを EOS M に装着するために用意されたマウント変換アダプタが「EF-EOS M」。
EF・EF-S レンズを EF-Mマウントに装着可能にするアダプターで、これを利用した際には 135フィルム換算で 1.6倍 の焦点距離となります。
EF-EOS Mマウントアダプターを介しても、手ブレ補正・AF などのEFレンズが持つ全機能が利用可能。EOS M に、EOS Kiss にバンドルされていた「EF-S55-250mm F4-5.6 IS II」のような大型で重めのレンズを装着するとバランスが悪くなるので、金属製の脱着可能な三脚座も付属しています。
本体の EOS M についてですが、持った感じは「シッカリしている」という印象。
これはマグネシウム製フレームを採用している上に、表面素材も剛性が有るものを利用している為に持ち上げた時に歪みやプラスチックの鳴き音が発生しないため、代わりに、筐体のサイズからは意外に思えるほどの質量を感じます。
カラーは 4色展開。
まず、ベーシックな色である「ブラック」は EOS シリーズと同じく高耐久ビーズ入り塗料を利用しての塗装。これによって、視覚的にも剛性と高級感が与えられます。
「シルバー」はアルマイト処理によって、金属感が強めに感じされるようになっています。革製のケースと組み合わせるとオシャレ。
「ホワイト」は IXY 30S と同様のソリッド塗装となっており、ツルッとした感じを受けます。ホワイトは光を強く反射するので、反射光や光透過のよって写真の写りに影響が出ないように相当気を遣っての塗装・設計がなされたという事でした。
「レッド」はマグネシウムをアルマイト処理する事で直接染色した上で、トップコート塗装をすることで塗りを保護するという処理が行われています。
このように、どの色を選択しても、高級感と所有の喜びが得られるようになっています。「レッド」については EOS Kiss X50 の感じを思い浮かべた方も多いかも知れませんが、EOS M はもっと金属感が有る、全く違う印象が与えられる塗り技法が使われています。
筐体デザインについては、これまで一眼レフで培われた EOS の快適な操作を出来るだけ再現しつつ、出来るだけタッチディスプレイを活用してボタン数を減らす事でコンパクトにする努力がなされています。
三脚穴・レンズ光軸・アクセサリシュー・背面ディスプレイの中心線が全て同一線上に並んでいます。
これによってパン・チルト操作も自然に出来ます。
特にシャッターボタンについては非常に細やかな設計が為されており、シャッターボタン自体が傾斜している上に、シャッターボタンに向かって指が置かれる部分についても人差し指が自然に掛かるように設計されています。
EOS 一眼レフと異なり、グリップが存在しないのも EOS M の特徴。PowerShot のような指を掛けるパーツが有るだけで、これがコンパクト化に貢献しています。代わりに EF Lレンズのような超重量級レンズを装着した際のグリップ感は低下しています。
グリップ部を少しでも大きくしたい場合には、純正オプションの「ボディジャケット」を装着することで、グリップの膨らみと、皮っぽいグリップ素材感が得られるようになります。
また、ストラップの装着方法が EOS M から変わったのも特徴。プロカメラマンはカメラのストラップについても使うストラップを吟味した上で細かく調整して使用しますが、カメラをそんなに使わない人によっては撮影時には邪魔に感じたり、レンズの前を横切って撮影の障害物にしてしまいがちなのがストラップ。
このために、EOS M ではストラップを硬貨を使って簡単に外せるようにした上に、装着するレンズや持ち方によってカメラの向きを自由に変えられる新設計のストラップを採用しています。
ストラップ装着時。回転自由度が上がった為に、ストラップの捩れが起き難くなっているようです。
最後に肝心の撮影性能についてですが、連写性能については EOS Kiss X50 に近い感じ。AF の合焦については EOS Kiss X6i をライブプレビューモードで利用した場合に非常に近い感じの性能と動きをします。
撮影画質については、現在のカメラは開発途上版ということでデータの保存とプレビューが許可されませんでしたので、不明です。
動画撮影については、EOS MOVIE 対応機としては、EOS Kiss X6iに続く、ステレオマイクを内蔵したカメラとなります。
連続撮影時間は「2GB、4GB の壁は存在しないものの、29分59秒まで録画すると一度録画が止まる」仕様。30分の時点で、再度録画をしなくてはなりません。連続録画をし続けて CMOS が加熱すると、本体が故障の危険と判断した時点で録画を停止して、電源が落ちます。電源が落ちた後は温度が指定値以下にまで落ちるまでは電源が上がらない仕様になっています。
なお、2GB、4GB の壁を越える手法と、動画撮影中に HDMI からもスルー出力が行なわれるのか否か、HDMI から出力される映像に各種撮影情報がオーバーレイ表示されるのか否かについては、説明会場には情報が無いということで不明でした。
バッテリ室は出来るだけバッテリにスペースを割こうという設計がされています。
電池室蓋の真ん中には、AC電源を通す為の穴が空けられており、ラバーカバーで隠されています。