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PFUのWi-Fi機能を搭載し、iPhone/iPadとの直接連携を実現したパーソナルドキュメントスキャナ「ScanSnap iX500」をチェック

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ScanSnap iX500

ScanSnap iX500

PFUより民生用ドキュメントスキャナにおける最上位機種であった「ScanSnap S1500」を置き換える新モデル「ScanSnap iX500」が発表されました。

toshisatojidesignによってデザインされた筐体は、これまでの ScanSnap には無かった黒色の「Simple Black」。これによって、家庭での利用だけでなく、ビジネスの現場での利用においても違和感無く利用出来るようになっています。また、外部には汚れが付き難い塗装が施されていますので、黒筐体では気になりがちな指紋汚れなどは殆ど気にならないレベルに抑えられます。

筐体を畳んだ時のサイズは高さが 1cm 程高くなっていますが、S1500 を横に並べなければ分からない程度の違いです。

筐体を展開させた際には、スキャン後の用紙を溜める用紙受けのハネ上げが大きくなった為に少し威圧感が有ります。なお、このハネ上げの変更は 25枚/分 というスキャン速度の高速化に伴う変更。このようにハネ上げ角度を急にしておかなければ排出された紙が飛んで行ってしまう事故が起きてしまうということでした。

内面の処理関連については、まずは CPU が独自開発の「GI (ジーアイ)」プロセッサになったことで、用紙の斜め補正などのスキャニング後に必要となる各種画像処理が高速化しただけでなく、Wi-Fi・USB 3.0 などの最新インターフェイスの制御が可能になりました。


このように処理速度に余裕が出たために、紙送りの仕組みにおいても高速給紙を実現するための変更が行われました。S1500 においてはバッドユニットのゴムで紙を押えつつピックローラで紙を送るという仕組みが取られていました。この方法ではパッドユニットが汚れると紙の押えが甘くなるので、給紙トラブルが起こりがちです。

iX500 では高速給紙と信頼性を向上させるために、業務用スキャナでも利用されている上下両方にローラー(上面が「ピックローラー」、下面が「ブレーキローラ」)を設置し、それらが逆回転することで上下の用紙を分離させつつ高速に送り込む機構を採用しています。この機構によって 25枚/分という高速スキャニングを実現する給紙を確実に行います。


接続インターフェイスについてもGIプロセッサによってモダン化が行なわれ USB3.0 に対応しただけでなく、Wi-Fi (IEEE802.11b/g/n) も搭載されました。

なお、スキャニングを最高速度で行ってもデータの転送量は USB2.0 以下ですので、USB3.0 にしてもスキャニング速度は変わりません。どちらかと言えば、USB3.0 の他機器と混在配線しても、「他機器の通信速度を下げてしまう原因にならない」という点が重要です。

インターフェイスとして、USB3.0 と Wi-Fi を搭載し、Wi-Fi は物理スイッチで On/Off を切り替えられる上に、WPSボタンも搭載されています。

Wi-Fi についてはWi-Fi搭載機器としてネットワークに参加出来るだけであり、自身が基地局になることは出来ません。また、現在は Wi-FI の設定は OS X/Windows を使わなくては出来ません。このために Wi-Fi 設定後は iOS/Android からスキャニング指示を出す事が出来ますが、最初の設定のためだけに OS X/Windows 稼働マシンが必要となります。


肝心のスキャニング速度は、エクセレントモード以外では 25枚・50面/分 のスキャニングが可能。なお、エクセレントモードでは 7枚・14面/分まで速度が低下する上に、iOS/Android搭載端末からのスキャニングに対応できなくなります。

このような高速化と信頼性を高めた iX500 ですが、Wi-Fi が搭載された事によって iOS 搭載機と 同一のWi-Fiに接続することで iOS搭載機から直接スキャニングの指示、データの転送が可能になります。


OS X と組み合わせ利用する場合には、スキャニング後の OCR 機能がバックグラウンド処理に対応しました。これで OS X 搭載機の専有時間を減らす事が出来ます。

ScanSnap クイックメニューでは、よく使う機能に スターマークを付け、スターマーク項目だけを表示させる事が可能になりました。


スキャニングしたデータが名刺サイズに近い場合には、名刺管理ソフト「CardMinder」が推奨アプリとして表示されるようにもなっています。


また、スキャニングしたデータを MS Word/Excel/PowerPoint のフォーマットに変換するための SBBYY FineReader for ScanSnap が同梱されます。処理時間は掛かりますが、かなり優秀な変換結果が得られます。

なお、S1500 では同梱されていた Adobe Acrobat Standerd については、Mac OS X については省かれました。これは、Acrobat で利用されていた OCR、ページの纏め、ページ並べ替えなどの簡易的な編集作業を OS X に標準同梱されている「プレビュー.app」で出来るようになっているための判断となりました。


これらの機能を持つ iX500 は S1500 を置き換え、2012年11月30日からオープンプライスにて発売開始されます。

なお、iX シリーズを名乗れるのは GIプロセッサを搭載しているモデルだけとなりますので、S1300i・S1100などは変更なく発売が継続します。発表会においては「今後 S1300i・S1100 のモデルチェンジだけでなく、新しいコンセプトのモデル開発も行って行く」と説明されましたが、その新コンセプトが何であるかは説明されませんでした。




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