M4チップを搭載したiPad Pro 13-inch (M4)をチェック
※本サイトは、アフィリエイト広告および広告による収益を得て運営しています。購入により売上の一部が本サイトに還元されることがあります。
Appleが発表したM4チップを搭載した新型iPad Pro「iPad Pro 13-inch (M4)」をチェックしてみました。
最先端のタンデムOLEDテクノロジーを採用した新しい画期的なUltra Retina XDRディスプレイを搭載し、iPad Pro 11-inch (M4)の厚さは5.3 mmで、iPad Pro 13-inch (M4)はさらに薄い厚さ5.1mmを実現しています。
iPad Pro 13-inch (M4) with Wi-Fi + Cellularモデルの重さは、実計測値で「587 g」となります。
M4チップは9コアまたは10コアCPU、10コアGPU仕様で、LPDDR5X-7500 x2で120GB/s帯域性能があります。
メインメモリ容量は、256GB、512GBの場合8GB、1TB、2TBの場合16GBとなっています。
新しいオプションとして「Nano-textureディスプレイガラス」が選べるようになりました。
iPad Pro 13-inch (M4)は、発光層を2層重ねた有機ELパネル「タンデムOLEDテクノロジー」を採用したディスプレイを搭載し、SDR輝度最大1,000ニト、XDR輝度最大1,000ニト(フルスクリーン)、ピーク輝度1,600ニト(HDRコンテンツのみ)を実現しています。
ミニLEDを採用したiPad Pro 12.9-inch (第6世代)は、SDR輝度最大1,000ニト、XDR輝度最大1,000ニト(フルスクリーン)、ピーク輝度1,600ニト(HDRコンテンツのみ)で仕様的には同じですが、iPad Pro 13-inch (M4)が有機ELとなったことで「黒」の深さが異なります。
また、10Hz〜120Hzのアダプティブリフレッシュレートを持つProMotionテクノロジーが搭載されています。
なお、iPhone 14 Pro、iPhone 14 Pro Maxから採用された1Hz〜120Hzのアダプティブリフレッシュレートを持つProMotionテクノロジーではないため「常時表示ディスプレイ」は利用できません。
Nano-textureガラスは、反射防止ナノコーティングが施されていることで写り込みが少なくなりますが、標準ガラスよりもクッキリ感は少なくソフトな描画になります。
iPad Pro 13-inch (M4)ディスプレイにiPhone 15 ProのアダプティブTrue Toneフラッシュを使用して光の直進テストを行ってみました。
標準ガラスは反射防止コーティングが施されているものの、ガラス面に当たるフラッシュ部分の広がりが小さく直進性が高いことが分かります。
それに対して反射防止コーティングに加えて、Nano-textureが施されているガラスは、ガラス面に当たるフラッシュ部分の広がりが大きく拡散性が高いことが分かります。
画質と彩度を求める方は標準ガラスを選んだ方が良いと思います。
iPad Pro 13-inch (M4)は、M4チップを搭載したにもかかわらず筐体を極薄化したため、iPad Pro 13-inch (M4)のハウジングにはグラファイトシートが組み込まれています。
強度に関しては、ロジックボードの上に新しい金属製のカウリング(カバー)が配置され、デバイスの中央を貫いて中央リブを形成するという新しい内部構造レイアウトを採用することで剛性が向上しています。
また、背面の Apple ロゴにも銅が注入されており、iPad 本体を熱を放散するためのより効率的なヒートシンクに変えるのに役立っています。
こうした設計により、iPad Pro 12.9-inch (第6世代)モデルと比べて放熱性能が20%向上しています。
iPad Pro 13-inch (M4)の背面カメラは12MP広角カメラ、ƒ/1.8絞り値のみで、10MP超広角カメラが非搭載となりました。
LiDARスキャナは継続搭載され、位置が以前10MP超広角カメラがあった場所に変わっています。
また、iPhone 14 Pro、iPhone 14 Pro Maxから搭載されたアダプティブTrue Toneフラッシュが採用されて、位置が以前LiDARスキャナがあった場所に変わっています。
アダプティブTrue Toneフラッシュの上には、新しく「アンビエントライトセンサー」が装備されています。
なお、5つのスタジオ品質のマイクが4つのスタジオ品質のマイクとなり1つ減っています。
アダプティブTrue Toneフラッシュが搭載されたiPad Pro 13-inch (M4)の背面カメラは、カメラがAIを活用して、書類が申込用紙や領収書であることを検出します。
不要な影がある時は、アダプティブTrue Toneフラッシュで撮影した複数のイメージをつなぎ合わせて、影や映り込みのない高品質なスキャン画像を作成してくれます。
これはiPadOS 17.5以降で利用できます。
iPad Pro 13-inch (M4)のTrueDepthカメラは、12MP超広角カメラ、122°視野角でiPad Pro 12.9-inch (第6世代)モデルと同じですが、ƒ/2.4絞り値がƒ/2絞り値に変更されています。
また位置がiPad (第10世代)と同じ横向きに変更されています。
FaceTimeビデオ利用時に、空間オーディオや、「声を分離」と「ワイドスペクトル」のマイクモードなどが利用できます。
以前のTrueDepthカメラがあった場所には、アンビエントライトセンサーが装備されています。
iPad Pro 13-inch (M4)の充電と拡張性は、Thunderbolt 3 / USB 4ポート搭載でiPad Pro 12.9-inch (第6世代)モデルと同じです。
ネットワークは、Bluetooth 5.3、2x2 MIMO対応Wi-Fi 6E(802.11ax)対応で同じです。
SIMカードはeSIMテクノロジーを採用しており、物理的なSIMカードには対応していません。
iPad Pro 13-inch (M4)はiPad Pro 12.9-inch (第6世代)と同じく、製品仕様のチップのメディアエンジンに「ProResエンコード/デコードエンジン」が記載されています。
Final Cut Pro for iPadの書き出しビデオ・オプションで「Apple ProRes」を設定した場合の書き出し性能は、iPad Pro 12.9-inch (第6世代)と比べ、M4チップ処理性能により向上します。
なお、iPad Pro (M4)メディアエンジンには、新しく「ハードウェアアクセラレーテッド8K H.264」も搭載されています。
Final Cut Pro for iPadのツールバーの「カメラ」ボタンをタップし、カメラ画面の左下隅にある 「設定」ボタンをタップし、「環境設定」を表示させてみました。
iPad Pro 12.9-inch (第6世代)の場合と同様に「Apple ProRes」の項目が表示され、Apple ProReビデオ録画が可能です。
ProResビデオを最大4Kのフレームサイズ、最大30 fpsのフレームレートで録画できます。
iPad Pro 13-inch (M4)は、1台の外部ディスプレイで最大6K解像度、60Hzをサポートしています。
Appleの「Apple Studio Display」または「Apple Pro Display XDR」に接続してディスプレイ表示することが可能です。
iPad Pro 13-inch (M4)は、iPad Pro 12.9-inch (第6世代)と同様に、一般的な色基準のリファレンスカラーとビデオフォーマットのリファレンスカラーを表示できる「リファレンスモード」が利用可能です。
一般的な色基準のリファレンスカラーも、SDRおよびHDRのビデオフォーマットのリファレンスカラーも表示できるようになり、カラーが極めて重要なワークフローで、iPad Proを単独のデバイスとしても、MacのSidecar機能を使ったリファレンス用ディスプレイとしても活用できます。
これを利用するには、Appleシリコンを搭載したMacが必要になります。
iPhone 15・iPhone 15 Proから搭載された「バッテリーの状態」がiPad Pro 13-inch (M4)にも搭載されています。
設定>バッテリー>バッテリーの状態>「上限80%」設定項目が追加され、充電を80%に制限できます。
これは、バッテリーの寿命を延ばすのに役立ちます。上限80%を選択すると、iPadは最大約80%充電され、その後充電が停止します。
バッテリーの充電レベルが75%に下がった場合、バッテリーの充電レベルが再び約80%に達するまで充電が再開されます。
Apple Pencil Pro
iPad Pro 13-inch (M4)は、Apple Pencil(USB-C)、Apple Pencil Proに対応しています。
Apple Pencil Proは、長さ166 mm、直径8.9 mm、重量20.7 gで、Apple Pencil(第2世代)と比較して、長さと直径は同じですが、重量は19.15 gで1.55 g軽量化されています。
チップは従来の「Apple Pencilチップ」が利用出来ます。
Apple Pencil Proを使用した場合、軸に内蔵された新しいセンサーによりユーザーの「スクイーズ」(指で強く押した状態)を感知してツールパレットを表示できるようになり、創作活動を妨げることなく、ツール、線の太さ、色のすべてをすばやく切り替えられます。
独自の触覚エンジンは、ユーザーがスクイーズしたり、ダブルタップしたり、図形認識でスナップしたりすると、確認として軽いタップを返し、驚くほど直感的な体験をもたらします。
ジャイロスコープにより、ユーザーはApple Pencil Proを回転させて、使用しているツールを正確にコントロールできる「バレルロール」が利用できます。
軸を回転させると、ペンと紙のように、形の異なるペンツールとブラシツールの向きを変えることができます。
また、Apple Pencil Proのホバー機能を使うと、ペン先がディスプレイに触れる前にツールの正確な向きを見ることができます。
Apple Pencil Proの設定を見てみると、Apple Pencil(第2世代)とは異なり「アクション」の項目が2つに増えています。
従来の「ダブルタップ」に加えて「スクイーズ」が追加されています。
エフェクトは、Apple Pencil(第2世代)の「PENCILのポイント」に変わる設定項目で「ホバー」「ツールのプレビュー」「シャドウ」「触覚」のオン/オフが行えます。
Apple Pencil Proのスクイーズ設定は、ダブルタップに割り当てできる機能と同等の割り当てが可能なのに加えて「ツールパレットを表示」と「ショートカット」が新しく割り当て出来るようになっています。
また、スクイーズを作動させるのに必要なPencilを握る力の強さを調整できる「感度」が利用可能になっています。
Apple Pencil Proは、Appleの「探す」に対応しています。
ただし、iPad Pro 13-inch (M4)から離れたおおよその位置情報の表示だけで、鳴らして探すといったことは出来ません。
iPad Pro(M4)用Magic Keyboard
iPad Pro 13-inch (M4)は、新しいキーボード「13インチiPad Pro(M4)用Magic Keyboard」が利用可能です。
フローティングデザインが継続採用され、表側の質感は以前のモデルと変わらない感じですが、アルミニウム製のパームレストと、触覚フィードバックで反応の良さが一段と向上したより大きいガラス製トラックパッドが装備されていて、全体的な体験はMacBookを使っているように感じられます。
非常に細いですが「ファンクションキー配列」が新たに採用されています。
新しいMagic Keyboardは、スペースブラックのアルミニウム製パームレストを備えたブラックと、シルバーのアルミニウム製パームレストを備えたホワイトの新しいiPad Proを完璧に引き立てる2つのカラーがラインアップされます。
13インチiPad Pro(M4)用Magic Keyboardは、キーボードの端と筐体との端の境に、シリコン製の小さいリムが装備されるようになっています。
これにより、キーボードを閉じた場合、画面にキーボード面が直接当たるのを防ぎ、キーボード跡が付きにくくなっています。
Magic Keyboardを接続した状態で、設定>一般>キーボード>ハードウェアキーボードを確認してみました。
言語設定に加え、自動大文字入力、自動修正、ピリオドの簡易入力、ライブ変換などののオン/オフが行えます。
バックライトは環境光が暗くなると、キーボードバックライトが自動的に有効になります。
Magic Keyboardを接続した状態で、設定>一般>トラックパッドを確認してみました。
軌跡の速さ、ナチュラルなスクロールのオン/オフが行えます。
トラックパッドで、タップでクリックや2本指で副ボタンのクリックのオン/オフも行えます。
新しく「システムの触覚」項目が追加され、より大きなガラス製トラックパッドの触覚フィードバックのオン/オフが行えます。
13インチiPad Pro(M4)用Magic Keyboardの重さは、実計測値で「668 g」でした。
従来の12.9インチiPad Pro(第6世代)用 Magic Keyboardから製品名変更された「13インチiPad Air(M2)用Magic Keyboard」の重さは692 gなので「24 g軽量化」されています。
iPad Pro 13-inch (M4) with Wi-Fi + Cellularに13インチiPad Pro(M4)用Magic Keyboardを装着した場合の総重量は「1,256 g」で、MacBook Air (13-inch, M3, 2024)の1,240 gよりも「16 g」重くなります。
iPad Pro 13-inch (M4) with Wi-Fiと13インチiPad Pro(M4)用Magic Keyboardとの組み合わせの場合の総重量は「1,247 g」で、MacBook Air (13-inch, M3, 2024)の1,240 gよりも「7 g」重くなります。
iPad Pro(M4)用Smart Folio
iPad Pro(M4)用Smart Folio「13インチiPad Pro(M4)用Smart Folio」は、これまでのSmart Folioとはことなり、カバー側を背面側に回り込ませてつけられる角度が大幅に増え、実質5段階ほどの角度調整が行えるようになっています。
なお、以前のiPad Proとの互換性はなく、マグネット吸着も出来ません。
互換性
iPad Pro 13-inch (M4)でApple Pencil(第2世代)を使用することは出来ません。
iPad Pro 13-inch (M4)横にある磁力装着面に装着しようとすると、ある部分の磁力が反発して装着することが出来ない仕組みになっています。
iPad Pro 13-inch (M4)にiPad Air 13-inch (M2)用キーボード「13インチiPad Air(M2)用Magic Keyboard」が利用可能か試してみました。
背面にあるマグネットが反発してずれてしまい装着することが出来ませんでした。
iPad Pro 13-inch (M4)にSmart Keyboard Folio「12.9インチiPad Pro(第6世代)用Smart Keyboard Folio」が利用可能か試してみました。
背面にあるマグネットが無反応で装着することが出来ませんでした。
また、iPadOS 17.5上でもハードウェアキーボードとして認識されませんでした。
なお「12.9インチ iPad Pro(第6/5/4/3世代)用 Smart Folio」もマグネット位置により利用できません。
執筆:大石結花