独自ソフトで勝負するPCメーカーの苦悩
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ITmediaニュースに「[WSJ] Vistaを速くし、Macに対抗--独自ソフトで勝負するPCメーカー」という記事が掲載されてます。
これを読むと、Windows Vista搭載機種の使い勝手を上げて、各メーカーが、使いやすい製品を売りにしようと頑張っていることが読みとれます。
Dellは「Dell Dock」や「Dell Video Chat」といった独自開発ソフト、日本ヒューレット・パッカードは「TouchSmart 2 ソフトウェア」、ソニーは「VAIO Movie Story」「Picture Motion Browser」など多彩なソフトを提供してます。
本文にもあるように、Windows Vista自体も様々な機能が搭載されているため、その機能と比べて、さらに使いやすいのが独自提供ソフトという形になっています。でも、よく考えると変な話ですよね。
Mac OS Xは、非常にシンプルな機能しか搭載されておらず、用途を絞った作業は、iLife '08、iWork '08といったソフトウェアで提供されてます。でも、パソコンを購入すると最初から入っているという形は同じなのですが、Mac OS Xにある機能より、こちらのソフトの方がさらに使いやすいというセールスアピールを聞いたことはありません。
通常、MacとWindowsを比較する場合、iPhotoは何と比較された記事が多いか探してみるとわかります。じゃあ、Windowsメーカーは、ライバルのWndowsメーカーのどの機能と比較して、こちらの方が使いやすいとセールスアピールしてるのでしょう?もし、独自提供のソフトと、他メーカーのWindows Vistaの機能と比較していたのなら、それは御社のパソコンにも入ってるOSですよね?と不思議な感覚に陥ります。
こうしたバンドルソフトなどは、以前無償配布されていた時代もありましたが、適正に情報を開示するための規制「サーベンス・オクスリ法」によって、無料で新規配布することが出来ず、有料での提供でしか行えなくなりました。(既存のソフトを置き換えることはできます。)
それだけでなく、Windows PC機は、OSが同じなので、ソフトウェアによって独自性をアピールしたいのに、他のWindows PCでもインストール出来るようにしてしまうと、独自性が薄らいでしまうデメリットがあります。例えば、ソニーの場合ですと、現在販売されているソニーオリジナルソフトを見るとわかりますが、少ししか販売されていません。Cyber-shotや、HandycamをVAIO以外のユーザーが使うためのソフト程度です。
既存のユーザーが、そのメーカーのブランドをとても気に入っていて、その新しいソフトを使いたいと思ったとしても、手に入れるためには買換えを選択するしかないといった場合が多くなるわけです。
Macの場合はどうでしょう?幸いにして、Mac OS Xでしか動かないソフトばっかりなので、Appleは、独自性を保ったまま、既存ユーザーに安心して販売できます。そのためMacユーザは、Macでしか動かないオリジナル開発ソフトが手に入るわけです。
DELLも、日本ヒューレット・パッカードもアップルも、ソフトウェアメーカーではなく、箱で売って利益を得る「製造業」です。それは、車メーカーと同じで、同じ4つのタイヤがついていたとしても、純正アクセサリーは他メーカーで使えるようにはしないのです。