書籍「最強 Apple フレームワーク」のレビューと考察 #Appleフレームワーク本
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時事通信出版局から発売された、iU(情報経営イノベーション専門職大学)の専任教員である松村太郎氏と、特任教授の徳本昌大氏の共著書籍「最強 Apple フレームワーク」を献本して頂きました。
本書は、iUの大学2年生向け必修講義「ビジネスフィールドリサーチ」の授業で学ぶビジネスフレームワークを、Appleの事例とストーリーで解説した、世界でも異色の書籍です。
ビジネスの現場で必要となる情報や経営情報の分析、問題発見、問題解決、アイデア創発、経営判断などのスキルを、グループワークを通じて学ぶ授業から生まれた書籍と言えます。
Appleのビジネスモデルの強さと、それがどう市場での成功に結びついているかが解説されています。
Appleのビジネスモデルは、ハードウェア、ソフトウェア、サービスの3つの柱で構成されています。
ハードウェアは、iPhone、Mac、iPadなどの製品を通じて収益を生み出します。
ソフトウェアは、iOS、macOS、watchOSなどのオペレーティングシステムや、AppStoreを通じて収益を生み出します。
サービスは、Apple Music、Apple TV+、ApplePayなどのサブスクリプションサービスを通じて収益を生み出します。
この3つの柱は互いに連携し、相乗効果を生み出すことで、Appleのビジネスモデルを非常に堅固なものにしています。
ハードウェアの販売を通じてユーザーを獲得し、ソフトウェアやサービスを通じて継続的な収益を生み出すというサイクルは、Appleのビジネスモデルの強みであり、市場での成功を支える重要な要素となっています。
Appleは、スタートアップ企業として創業し、世界的な企業へと成長を遂げました。
Appleのビジネス戦略は、スタートアップ企業にとって学ぶべき点が多くあり、常にユーザーニーズを重視し、革新的な製品やサービスを提供することで、市場を勝ち取ってきました。
また、Appleは、強力なブランドイメージを構築し、ユーザーとの強い絆を築くことで、顧客ロイヤルティを高めてきました。
この書籍を読むことで、スタートアップ企業は、Appleのビジネス戦略を参考に、自社の成長戦略を策定することができると思います。
本書籍の鑑定結果ですが、経営学について学べますが、具体的にどのようにして利益を上げているかについての商学についてはあまり触れられていませんでした。
Tim Cook CEOが導入した在庫過多に陥る事が無いように、1個単位で在庫把握出来る「グローバル・デマンド・ビジビリティー(GDV)」システムを導入したことが少し触れられているだけです。
このAppleが倒産しかけた最大の理由である在庫管理を改善させた「Enterprise Resource Planning」(基幹業務情報システム)は、マーケティグ、商品開発、売上向上など、あらゆる部分で肝となるシステムです。
製品が販売開始されて3ヶ月以内に顧客満足度を計るアンケートが送られていることは本書籍でも触れられていますが、世界中で販売されているApple製品が、ある日ある店で急に売れている理由を調査するためにもGDVは重要な役割を果たします。
また、在庫管理が極限まで絞り込まれている状態であるからこそ、在庫過多にはならないにも関わらず、量販店でMacBook AirやAirPodsなどに値引き販売が行われると「在庫一掃して新製品発売か?」といった意見を目にしますが、これは大きな間違いで、売れている製品だからこそ、さらにセールをかけて販売増を狙う「ブーストセールスマーケティグ」を実施するのも特徴の一つとなっています。
つまりセールスが打たれている製品は、在庫過多ではなく「売れている製品」だということです。これも、Appleが行っている一つの特徴となっています。
1994年にAppleのApple Store担当シニアヴァイスプレジデントAngela Ahrendts氏が就任してから、Apple自体のセールスキャンペーンは、各国のBlack Fridayと日本および中国の初売りだけに絞り込まれ、Apple Premium PartnerやApple正規販売代理店などのセールスキャンペーンと区別されるようになり、Appleサイト上でセールスキャンペーンが掲示される機会が極端に減りました。
これにより、基本Apple製品は安売りされていることがない印象を持たせることに成功しただけでなく、各量販店が顧客へのセールスマーケティグを実施しやすくなりました。
こうした売上を具体的に上げる方法にも触れて欲しいと思いました。
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