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Twitter「Twitter Developer Meetup」を開催、将来に向けての目標と概要について説明

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Twitter Developer Meetup

Twitter Developer Meetup

Twitter本社より複数の開発担当者が来日していたために、Twitter API を利用するアプリケーションなどを開発する開発者との懇談を行う「Twitter Developer Meetup」が、デジタルガレージ本社にて行われました。

スピーカーの左からLeland Rechis (Product Manager - Mobile)・松澤由香里 (Director internationalization)・Ryan Sarver (Director of Platform)]


 Twitter からは作業が完了した認証システムを Basic認証から OAuth に変更したことの意味や、現在開発実装中の機能として位置情報サービスの "PLACES"、一部で実装検証中の USER STREAMS のデモを行い、更には将来に向けての目標と概要の説明が行われました。

 まずは、先日作業が完了した認証システムの Basic から OAuth への切換について。

 この切換の意味の第一は「個人情報の保護」。Twitter がエコシステムとして拡大を続ける上で個人情報を確実に保護することは一層の重要なことであり、保護を行う為には認証システムを整備する必要が有りました。

 続けて、理由として挙げられたのは「データの流れの可視化」。Basic 認証では一度認証してしまうと複数のセッションが同時に認証されてしまい、詳細なデータ分析を行う為のデータが不足してしまう事が有りますが、OAuth にすることで1つ1つのデータについて細かく認証が行われる為にデータの流れを細かく分析する事が可能になります。これによってシステムを安定運用させるための投資や開発を重点的に行うべき箇所が明らかになり、ひいてはシステムの安定運用に繋がります。

 ただし、現状では OAuth認証が「全体を Read」「全体を Read/Write」の何れかにしか設定出来ない事については問題として考えているが、「情報ごとに細かく設定出来れば良いのか。どこまで細かく設定するのか。その設定は分かりやすいのか。一般ユーザでも設定の意味が理解され、設定ミスを起こさないか」など検討すべき課題が多数存在するので、Twitter 社内でも議論と検討を重ねている最中であり「現在の選択肢は『シンプル』というTwitter の強みに則している」という観点からも第一歩としては満足しているということでした。


位置情報サービス

位置情報サービス

続けて、実装中の機能についての説明に

まずは位置情報サービス「PLACES」。これは携帯端末などから送信される緯度経度情報を ツイートのメタタグとして付与することで、位置情報をベースとしたツイートを可能にするもの。この機能を実装した当初は緯度経度情報のみの付与でしたが、それでは付加情報としては情報量が少な過ぎるために現在は緯度経度情報を基にその場所に存在するランドマーク情報を送れるようにする作業が進んでいるという事でした。ただし、このランドマーク情報を Twitter は保有していないために社外からライセンスを調達しなくてはならず、この手続きと資金調達に時間を要しているという説明が成されました。このために、現状ではランドマーク情報はUSAなどの一部地域でのみ提供されるに止まっています。


 2つめのデモは「User Stream」。

これは現時点は「TweetDeck」「EchoFon」「Seesmic」の 3クライアントに対してのみに提供されているテスト中の機能ですが、クライアントがサーバと 1対1 で接続することで遅延なくリアルタイムにツイートがクライアントへ配信されるという機能になります。これはツイートの即時性を向上させると共に、新規データが存在するかという問い合わせの手間が省ける為にサーバシステムに掛かる負荷を減らすことが出来ると期待されています。開発用のドキュメントは既に公開されていますので、開発中のシステムに開発・組み込むことは可能ですが、現在は特定クライアントのみに許可して、システムの動作を確認している最中の機能であるために利用することはまだ出来ません。


Twitter の最大の目標は「安定性」

Twitter の最大の目標は「安定性」

 これ以降は、Twitter の将来像について。

以上のような各種機能によって Twitter は「即時性」を向上させつつも、負荷を下げる施策・開発を数多く行っていますが、これらは第一にして最大の目標「安定性の向上」。


 将来的に導入が計画されている API V2

将来的に導入が計画されている API V2

安定性を向上させつつ、「シンプル」というTwitter の特徴を更に突き詰める為に、Twitter 「API V2」の開発を将来的に行う予定を持っているという事が発表されました。但し、API V2 については未だに完全に構想状態であり、何時までに発表出来るという類いの約束やコメントは出来ないという事でした。


 なお、Twitter は Webサービスの提供をしつつも、モバイルサイト・モバイルアプリの開発においては「ユーザ登録」などの極一部の機能を除いては基本的に「公開されている Twitter API を利用しての開発」を行っており、これは即ち「Twitter が提供するドッグフードを一番最初食べるのは、Twitter のモバイル開発チーム」という状態であるという事。この事から、モバイル開発チームからは「API にバグが幾つか有ることも分かっているし、それらで苦しんでいるのは皆様 (開発者) だけでなく Twitter モバイル開発チームも同じ。だからこそ、Twitter は真剣に fix しようとして開発を進めている」「API V2 はモバイル開発チームも望んでいる」というコメントが有りました。

なお、Twitter のユーザアカウントの作成登録について API が用意されておらず、またTwitter以外からはサービスが提供できない事については、「Twitter の新規登録者という個人情報に関わる一番最初の部分をどうやって保護しつつ公開すべきか議論しなくてはならない」というだけでなく、「現在の登録サイトでは、登録せずとも Twitter の公開されているツイートを見れるようにして、初めての訪問者が 『Twitter とは何か』という事を理解しやすくするなどの施策を打って有る。これらのユーザ体験を Twitter 以外の登録サービスでも提供して、初めてのユーザにより優れた Twitter 体験をして貰う方法を考えなくてはならない」という事で、将来的に公開することは考えているものの、それまでにクリアすべき課題が少なからず有ることを示唆していました。


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