etc / レポート

DENSO SmartTech Contest 2011:夏野剛氏、神尾寿氏「特別対談」

※本サイトは、アフィリエイト広告および広告による収益を得て運営しています。購入により売上の一部が本サイトに還元されることがあります。

2011年10月15日にD-Squareにおいて「DENSO SmartTech Contest 2011」の表彰式が行われ、慶應義塾大学特別招聘教授の夏野剛氏、通信・ITSジャーナリストの神尾寿氏との特別対談が行われました。

夏野氏は、iPhoneとAndroidはまったく違うものと考えた方が良く、iPhoneの方が遥かに完成度が高く、Androidは発展途上にり、これらをまとめて「スマートフォン」と呼ぶので混乱が起きる要因にもなっており、らくらくホンよりGALAXY Sの方が安いというのはおかしいと話し、会場から笑いがおきてました。

神尾氏は、キャリアの2年縛り販売方法によって買換需要が鈍化しているところに、販売を活性化させる商品として、スマートフォンを一生懸命に売っている。多くのユーザーに焦りを感じさせることにも繋がっているが、とりあえず、普通の携帯電話よりも安いことから、スマートフォンに買い替えておけば安心するといった事も要因として考えられ、全てのユーザーがスマートフォンを使いたいからと思って買っているわけではないと話し、夏野氏は、定額制が無くなったら、スマートフォンの市場は下降し、本質的な製品だけが残ると話し、神尾氏は、NTTドコモの「Xi」は、最初料金体系が受け入れられず、まったく販売が振るわなかったが、料金体系を定額っぽく見せる事でようやく売れるようになった。スマートフォンシェアが伸びると、トラフィックが10〜20倍増えるため定額制を撤廃したいと考えいるかもしれないが、スマートフォンの勢いは止まらないため、キャリアは後戻りできない状態になっていると話してました。


夏野氏は、今年出来たスマートフォンの7割り以上は、ガラケーの機能を乗せているものが多く、スマートフォンという言葉はいずれ無くなり「ガラスマートフォン」みたいなものが特別視されるんじゃないかと思うと話し、神尾氏は、iPhone 4Sをスマートフォン版とau版とを色々な場所で計測してみたところ、率直にいって、いわれるほどauの方が速いわけではなく同じレベルだと言えると話すと、夏野氏は、周波数特性の差が無くなると仮定して、全てのキャリアからiPhoneと同じAndroidが出てしまったら、市場シェアは33%で均衡してしまうため、シェアが下がるメーカーは差別化を行わないと困るはずだと話してました。

夏野氏は、トヨタの車に乗ってドコモの携帯使ってるなんて超つまんない人生だよねと話し(笑)Androidは機種仕様の違いがかなり違うため、ゲームなど表現力を必要とするもの以外は、ブラウザーベースアプリのシェアが上がるかもしれないとのべ、HTML5の高機能化していて、スマートフォン版おサイフケータイはブラザウザーベースで動いていることからも予測出来ると話してました。

神尾氏は、ブラウザーベースのアプリが再び注目されるかもしれないと話すと、夏野氏は、スマートフォンだけでなくタブレットもありパソコンもある。これにテレビが加わってくるが、利用しているのは1人という状況が多いのに、操作性が違うのは不便なので、タブレットサイズの違いを吸収することなどもブラウザーベースアプリの方が柔軟性があり、開発コストも低いと話してました。

夏野氏は、家の3歳の子供はiPad 2に興味が集中していて、3台あるAndroidタブレットには見向きもしない。その影響で、ディスプレイがあるものは全て指で操作しようとするので、テレビ画面をフリックし、なぜ画面が変わらないんだと聞かれることがあると話し、この子供達がタッチパネル世代として成長することは明らかだと話してました。神尾氏は、タッチデバイスとしてはタブレットベースの方が操作性とバッテリー時間が長いことが上げられ、ターゲット層も広いと話してました。

夏野氏は、デンソーにiPadがコンソールにそのまま入っている試作プリウスを見せてもらった。あれ欲しいな〜と会場に話しかけ、なぜカーナビナビの操作系が左側にあるのか分からず、普通右側じゃんと言うと、神尾氏は、カーナビは操作系が左側に寄っていて、これは世界の車が左ハンドル(右ハンドルは日本、イギリス、インドなど少数)になっているからで、実際、利き腕は右の人が多いので、操作系は右側にあった方が操作しやすいのは事実だと話してました。

夏野氏は、持ち運べるカーナビ「PND」は、車から降ろして使うにはかなりかっこ悪いとのべ、iPadの方が良いんじゃないかと話すと、神尾氏は、デジタルUIを実装しようとした場合、右ハンドルによって開発すると限界が来るとのべ、自動車ビジネスをサービスの観点から考えると、レンタカーのカーナビはレベルが低い場合が多く、デンソーはカーシェアリングあるいはレンタカーなど、車を利用するシーンに対して、もっと良い使い安い提案をした方がよいと話してました。

夏野氏は、車でメールが読めるとか、インターネットブラウザーを操作するとかを売りにした時代があったが、結局走行中に操作出来ず停止しなければならないのだから意味がほとんどないと話すと、神野氏は、車の中だけの利用シーンを想定したテクノロジーではなくて、そこから離れても使えるものを考えた方が良いと思うと話し、夏野氏は、Steve Jobs氏は徹底的にユーザーの価値を高めることを追求し続けていて、決して押し付けではないのが支持を受けていた理由だと話してました。

神尾氏は、人を中心にして人の生活をどうやって豊かにするかを考えた方が良いと話してました。


新着記事