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WWDC2014 KeyNoteスピーチレポートその2 「なぜAppleは革新的な製品を作り続けられるのか」

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その1では、Apple製品の進化の源のようなものを説明しましたが、今回、OS X YosemiteiOS 8で、具体的にどのように進化するかを説明しましょう。

OS XとiOS 8の連携はさらに強化され、同じAppleIDで設定したデバイスは何も考えなくても内容が同じになるようにiCloudを通じて統一されます。


iPhoneで撮った写真は余計な操作を必要とすること無く所有する全部のデバイスで同期(どのデバイスでも見れる)します。

たとえば、旅先でiPhoneで写真を撮って、機能強化した写真編集で修正したら、自宅のMacですぐに反映されるのです。

家族は6人までデータやサービスを共有できるようになるので、家庭内で同じデータを効率良く共有する事が出来ます。

写真アルバムは印刷した写真で家族の共有をしていたわけですが、これをネットを使って同じ写真を家族が同時にそれぞれの持つデバイスで共有できるわけです。


また、メッセージやカレンダー、アドレス帳を共有できます。

さらにOS X Yosemiteが動くMacでは、近くにあるiPhoneと連携してMacで電話を受けて、通話も出来るのです。ついに『Macが電話になる』(実際には受話器)というわけです。

まさにこれはハードウエアとソフトウェア、そしてネットを使ったサービスまですべてをてがけているので出来るわけです。

そして形のあるハードウェアで利益を得るので、製品の進化に不可欠なソフトウエアとサービスの提供は非常に安い値段(OSを含めて大部分は無料)で提供できるのです。

ハードウェアを無料で配って、サービスを売るという方法(替え刃で利益を上げるひげそり用かみそりやレンタルのコピー機が典型)が多い中で真逆をいっているわけです。

今回、このソフトウェアとサービスの連携強化を打ち出しました。


健康を管理する目的でiPhoneに接続されるたくさんの健康管理デバイス、心拍測定、運動量測定、体重・体脂肪計、血中酸素濃度測定、血中グルコース測定などがサードパーティーからすでにでていますが、これらの個人の健康管理のためのデータをiCloudに保存し、プライバシーを守った状態で管理するための「HealthKit」も発表されました。

これによってサードパーティーが一番やりにくかった大量のデータを管理し、安全に取り出すという機能を得られたわけです。


将来、色々な健康管理器具をiOSデバイスに接続して、データを収集し「Health」アプリケーションで健康状態を見たり、24時間・72時間など連続した状態を保存して医師の診断に使ってもらう事が出来ます。医療・健康器具分野で歴史のあるサードパーティーは得意とする測定部分に集中できるわけです。

私はこの健康管理分野に特に注目しており、これからApple製品と医療・健康器具を使う事によっていままで見えなかったいろいろな心と体のデータを見えるように出来るでしょう。

病気になる傾向をつかんでおけば早期にその予兆を見つけられる事になるでしょう。厳重なプライバシー管理の下、専門家に同じデータを見てもらって適切な助言をえられるようになるわけです。


今回ハードウェアの発表が無かったのは、サードパーティーも革新的なハードウェアをAppleと連携する事により、ソフトウェアとサービスで利益を上げるモデルを開放したと言えるでしょう。

詳しくは説明できませんが、iCloudの機能を開発者に開放したので、管理コストのかかるサーバー側の面倒をiCloudに任せる事が出来るのです。

開発者は本当にエンドユーザーへの新しい体験の提供に集中できるというわけです。


WWDCでは一般公開される基調講演に続きたくさんのセッションが非公開で進められます。

基調講演で紹介された新しい機能は各セッションで詳しく説明されます。

また、担当者が会場に留まる場合が多いので、直接質問し、将来の機能の提案ができます。

各セッションは基調講演でCEOが説明した大本のコンセプトを厳格に保ったままきわめて具体的な道具を提供・説明してくれます。


開発マシンとしてMacを使うわけですが、動かすのはiPhoneとiPad、しかもディスプレイの品質や大きさが違うものをサポートしなければいけません。

これも詳しくは説明できないのですが、開発環境も革新的な進化を遂げて、最終的に動作させるデバイスへの調整と開発している大本の資源を非常に効率良く管理する事が出来ます。

WindowsやAndroidと違ってOS XとiOSでは新しいOSがリリースされると大部分のユーザーがアップデートします。

開発者はセキュリティーが強化され、機能も上がった最新のソフトウェアを新しいハードウェアで動かす事を前提に開発できるわけです。

いつまでも使われる、機能の低いハードウエアと危険なソフトウェアに合わせてやりたいことを我慢する必要はないわけです。


iOSアプリケーションの購入は、App Storeの購入サイトしか使えない事に高圧的な窮屈さを感じるかもしれません。

しかし、悪意のあるソフトウェアからデバイスと自分のプライバシーデータを守るには現在のような厳しい審査は避けられないでしょう。


Jonathan Ive氏

Jonathan Ive氏

Appleは製品を使う人の生活が変化し、新しい体験を得て、そこから得られたインスピレーションによってさらに革命的な創造をすることを望んでいるように思います。

我々もAppleの良い部分をまねして、世の中を変えるものを作ってみましょう。


WWDC2014 KeyNoteスピーチレポートその3に続く..

執筆:ガラパゴス・システムズ佐藤徹氏


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