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PAGE 2009:2009年はどうなる? 音楽も変わる!メディア産業も変わる!

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PAGE 2009において、デジタルメディアトラック「2009年はどうなる? 音楽も変わる!メディア産業も変わる!」が行なわれました。

清水メディア戦略研究所代表取締役、清水計宏氏

「今は大きな景気の後退期ですが、これはいいきっかけになるのではないか?今まで経済を牽引してきた大企業に変わる経済。それはいわゆるニートやフリーター。そういう人こそ、デジタルの恩恵が受けれる。いまは時代の変換期だとおもうが、生き残れるのは最も強いものでも最も知性の高いものでもなく、最も変化に対応できるものである。時代はエコになるだけでなく、商品の価値観が変わって行くのが大切で、コンテンツは、見る、閲覧する、聞く、読む、プレイするだけではなく、共有する、発見する、体験する、学び合うこともになるのではと予測しています。」と述べた後、マイスペースの大蘿淳司氏、ヤマハの杉井清久へとバトンタッチした。


大蘿淳司氏

大蘿淳司氏

マイスペース株式会社代表取締役社長大蘿淳司

新モデル 進化するソーシャルメディア

自己紹介の後、マイスペースの紹介となり、「マイスペースは31カ国、2億人が登録する世界最大級のSNSで、日本人クリエータ・アーティストの登録数は約10万人あり、新たな才能・面白さ・楽しさが次々と生まれる『創造の場』をめざしていています。特長はOPEN型で誰でも『プロフィール』が作れる、アーティスト・クリエーターとファンのためのエンタメ系SNSです。


文章を書くというよりは、好きな音楽、映像、アプリをコレクションしていく結果、どんな人かわかってしまう。というプロフィールになっていて、自分と同じ興味を持つもの同士がどんどんつながるネットワークパワーがある。

350万人のフレンドを持った女性がいますが、そのことによって、女性の写真には各5,000〜9,000件のコメントがつくメディアになりました。


マイスペースの戦略として、1つ目にアーティスト・クリエイター支援があり、「新たな才能・コンテンツが生まれる場・機会」「セルフプロモーションツール(音楽、動画、SNS機能)」「楽曲、Tシャツのオンデマンド販売、ライブ配信機能」等を提供しています。また、アーティスト・クリエイターの活動の場を無料で与えるカフェとつなぐ役割もしています。

これにより、いままでは『流すインターネット』にすぎなかったのが、『創るインターネット』となりました。


2つ目の戦略はエンタメ系コンテンツの流通促進で、バイラル型のコンテンツプロモーション,分散型コンテンツ流通(MUSIC JV)、日本+世界を狙う(どこで売れてもいい)ということがフレンドネットワークのパワーで可能になりました。

最近はクリエイターが仕事を広げるためにマイスペースを利用することが増えています。自分でファン作りができ、アーティスト・クリエーター同士の連絡網としても使え、国、ジャンルを超えたコラボレーションや、新たなコンテンツの創出、人に刺激されて想像力が高まる(ネットワークパワー)など、メリットは大きいです。


自分がネットワークを持つということはとても重要ですが、アーティスト・クリエータは特にそうで、フレンドを増やし自分のアクションを伝えることによって数人しかなかったライブの動客数を数百人まで増やし、マイスペース上で知り合った著名なアニメクリエータの映画主題歌に抜擢された「たむらぱん」や、UKのバンドとツアーを回った日本のアマチュアバンド、海外のバンドのジャケットデザインをした日本人などがいて、日本では認められなかったのに、海外では大きな支持を得ることもある」と話した。


企業からの使われ方としては、「ユーザーに支持される映像や音を発信し、ユーザがそれを貼付けることによって、ユーザからユーザへとねずみ算的に広告を広げる。しかも、企業のテイストに賛同する熱い支持者があつまるので、広告の効果がバナーだけに比べ20倍にもなる。」と効果の高さを示し、2009年春に始まる企画について、「今回、PAGE2009だから言う訳ではないのですが、ネットが進化しても紙媒体はなくならないと思う。実際に雑誌の売り上げが下がってると言われそうだが、情報を載せるだけという今までのやり方では、情報がより早く載るネットに負けてしまって意味がない。


新しい雑誌をつくれば需要はあるはず。マイスペースではラジオ(J-WAVE 81.3FM)、マガジン・雑誌(東京ニュース通信社)とコラボレーションし、メディアクロスプロジェクトを始めます。各々のメディアが縦割りに、かつ独立するあり方は意味がなく、それぞれの得意なもの・役割を分担し、複数のメディアでコンテンツを作り、広告主にサービスを提供する。今は『人』そのものが一番面白いコンテンツで、マイスペース上でおこっている、様々な才能コンテンツやその生まれ方、背景を紹介して行く『人』マガジンを発行し、マイスペースだからできる情報の深堀をしていく」と話した。


杉井清久氏

杉井清久氏

ヤマハ株式会社開発戦略室、杉井清久氏

音/音楽と創造の行方
改革の中のモノ作りとマーケティング

自己紹介の後、「今日は、二人のお話につながるよう、普段しないような壮大なお話からします。」と言って本題に入った。


「狩猟をしていた時代は、『狩猟すること=食べること=生きること』が幸せであったが、農耕するようになり『ためる歓び』→『消費の歓び』へと変化し、現在は『消費のための消費』→『マネーゲーム』の様に流れており、『消費の歓び』の最終章に来ている。現在のステージは『創造的消費』である。


これまではほんの一握りのクリエイターが創造する創造物を大多数の消費者が消費していて、クリエイターは特権階級であった。それが、神が与えた奇跡の無料メディア『インターネット』と、Photoshop、Illustrator、フラッシュなどの簡単創造技術の登場によりだれでも創造側へ行けるようになった。そして、大量生産、大量消費なんて面白くないという時代が来ている。今まではアーティストの売り込みに必要であったブローカーがいなくても、アーティスト自身で宣伝できるようになり、インディーズの楽曲数がメジャーを上回る時代になった。この流れの象徴に、講談社から出せなかった「恋空」というケータイ小説の例があります。ケータイの中で話題になったので、講談社へ原稿を持ち込んだが『これは小説ではない』と断られてしまい、ケータイサイト自らが出版したところ230万部のヒットとなった。今までは、仲介する人のこのみに合わなければ日の目を見なかった作品が日の目をみたのです。この革命を起こしたのは女子高生で、次にでてくる文字を選べば話がすすめるケータイの予測変換が大きな手助けになっていた。


このような革命を音楽にも起こしたいと思いできたのが「TENORI-ON」で、楽譜が読めなくても縦横にならんだ16個のボタンを押すことによって音を記録。縦は音の高さ、横は時間軸であり、感覚的に音を記録できA16層のレイヤーを同時にならすことにより、音楽になる。」と話し、『TENORI-ON』で音楽をつくり、演奏してみせ、あっさりと、心地よくおしゃれな音楽がつくられていった。

美しく即興性がある「TENORI-ON」をインタラクティブアートのようだと思いましたが、実際に表裏にあるボタンを自分と他人が押すことによって、セッションができるようにしたいとのことです。また、今でも1つのレイヤーをつくったら次の人にまわすとか、数人が持つ「TENORI-ON」を一斉にならすなどの方法でセッションができるとのことです。



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