アクロニス・ジャパン、個人向けバックアップソフトウェア「Acronis True Image」最新版発表会を開催
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アクロニス・ジャパンが、OS X・Windows のバックアップを作成する「Acronis True Image 2016」と、PC に加えてモバイル機器のバックアップも可能にした「Acronis True Image Cloud」を発表し、その製品説明会が行なわれました。
Acronis 社はコンシュマーに限らずエンタープライズ分野でもデータ保護のグローバルリーダーとして高い評価を受けている会社であり、その動作の信頼性と速度、使い勝手の良さに対する評価は折り紙付きです。
これまでもコンシュマー向けにバックアップツールを出していましたが、「Acronis True Image 2016」で正常進化しつつ、「Acronis True Image Cloud」にて これまで参入していなかったモバイル分野にも参入を開始する「コンシュマー市場向けの過去最大の製品リリース」というのが今回のリリースになります。
「Acronis Cloud」の代表的な機能の1つ目は、ローカルデータの全てを容量無制限にてバックアップすることが可能になっていること。バックアップデータを保存するクラウドストレージは、日本でバックアップを実施した際には日本国内のデータセンターのみに保存されるようになっており、データに関して日本国内法で保護されます。
なお、データセンターは現在は 東京のみ で稼働。この東京データセンターには必要充分な災害対策は成されているものの、データの安全性を更に向上させるために、時期は未定ではあるものの大阪と北海道にデータセンターを追加開設する予定であると発表されました。時期は未定とは言うものの、契約など準備が完了し次第の始動になるので日時をコミットできないだけで「極めて近い将来」に始動するということでした。
「Acronis Cloud」へのバックアップ速度については、データ転送、圧縮、インフラなどの全ての面で常に改善を行なっており、一般的な SSD 容量である 200GB をバックアップした際の実測値として東京では5時間06分、日本国内であれば6時間44分というのが結果としてあるそうです。
様々な要素について今後進化することで 2018年には東京で2時間02分、日本国内でも2時間41分で完了するという見通しになっています。
データの機密安全性については、まずローカルでバックアップデータが決定した際にローカルデータは暗号化された上で圧縮されます。暗号化された圧縮データがインターネット経由で送信される際には通信経路は暗号化され、経路の保護も行われて送受信されます。
なお、暗号化はユーザが初期設定時に作成したパスコードが利用されて行われますが、このパスコードを復元する手法は提供されないためにパスコードを失った際にはデータの復元は不可能となります。
バックアップに続く「Acronis Cloud」の代表的な機能は「クラウドアーカイブ」。
これはAcronis Cloudをオンラインストレージとして使う機能で、容量の大きなデータを保存しておき、ローカルの保存データを無くすことが出来る機能となります。
クラウドアーカイブするデータは手動で選択することも出来ますが、バックアップツールを開発しているメーカーらしく、ローカルデータのうち「容量が大きいもの」「最後に使われてから日が経っているもの」などを検索してクラウドアーカイブするデータを選択することも出来るようになっています。
AppStore からダウンロードした専用アプリ「Acronis True Image Cloud for iOS」をインストールすることで、写真、動画、連絡先、カレンダー、リマインダーなどのデータを「Acronis Cloud」にバックアップすることが出来るようになります。
この「モバイル対応」で重要なのは、対応プラットホームが現状で iOS と Android であり、近い将来に WindowsPhone にも対応するという事。
また、バックアップされたデータはAcronisの定義したフォーマットになりますので、Android のデータを iOS に同期させるようなプラットホーム変更の際にも利用できます。
なお、「Acronis Cloud」からバックアップを書き戻す際には、端末内に存在する写真や動画などに「追加」されます。このために端末内データが消去される心配は無いものの、利用中に実行した場合にはデータが多重保存される可能性もあります。
このように「Acronis Cloud」へのアップロードは主に「Acronis True Image Cloud for iOS」のアプリを介して行なわれますが、アップロードされたデータを管理したり、ダウンロードするために「Web管理画面」が用意されています。
Web管理画面を開くと、最初に表示されるのはアカウントに登録されているマシン群。Web経由で最後にバックアップが実行された時刻を確認できるだけでなく、登録されているマシンに対して遠隔からバックアップ開始の指示を出すことも出来るようになっています。
その他に、「クラウドアーカイブ」のデータを階層状態を残したまま表示できるようになっており、必要な情報に素早く到達し、Webブラウザ経由でのダウンロードによる入手などができるようになっています。
これらの機能を持つ「Acronis True Image Cloud」の、ローカルでのバックアップ機能だけを持ったのが「Acronis True Image 2016」です。
過去の製品よりもバックアップ速度が高速化されているだけでなく、Windows10 や OS X Yosemite への完全対応を果たしているだけでなく OS X El Capital へもリリースされ次第に対応するコミットメントが成されています。
販売については、「Acronis True Image Cloud」は年間サブスクリプションで、「Acronis True Image 2016」は売り切り型の永続ライセンスにて提供されます。
「Acronis True Image Cloud」は1コンピュータ3モバイルデバイス対応版が 9,980円/年 で量販店店頭にて販売、その他に Acronisオンライン限定で 3コンピュータ10モバイルデバイス対応版 15,980円/年 と、5コンピュータ15モバイルデバイス対応版が 19,980円/年 が販売されます。
モバイルデバイスについては「端末移行のタイミングで利用されることを想定している」ために、複数端末分のライセンスが付属しています。なお、移行のタイミングでは移行前、移行後の両端末にライセンスが必要ですが、移行が完了した後にはWeb管理画面で移行前端末の情報を消去してライセンスを取り戻すことも可能です。
また、利用中にバックアップ端末を増やしたい場合には、アップグレードするプランと契約残日数から決められた計算式に基づいて差額を計算、支払することで契約プランの変更も可能になっています。
「Acronis True Image 2016」はコンピュータのみで売り切り型永続ライセンスなので、3コンピュータ版を 7,980円にて量販店で販売。他にオンラインで1コンピュータ版 4,980円 と 5コンピュータ版を 9,980円 のプランが用意されます。
オンライン版は 2015年09月09日より、ボックス版は2015年09月11日から順次販売が開始されます。
発表会後の質疑応答では「OS X には TimeMachine、iOS であれば iTunes という優れたバックアップシステムが存在するが、それに対する Acronis True Image のアドバンテージは?」という質問も出ましたが、「OS 標準のバックアップツールは、端末とバックアップストレージが 1対1 の関係となっている。対して Acronis True Image Cloud であれば複数デバイスが存在しても全てCloudで統合してバックアップできるのが強み。また、プラットホームを問わずにバックアップ出来るので、モバイル対応で実現したようにプラットホーム変更の掛け橋となることも出来るのが、OSベンダーには真似できない強み」と明確な回答が寄せられました。
また、「では、Dropbox のようなクラウドストレージでも良いのでは? とも言われるかもしれないが、『容量無制限』を安価に実現しているのは Acronis だけ。また、Dropbox のように複数のユーザが自由に使えるストレージではバックアップファイルが予期せず破壊されたり、消去されてしまう可能性が有る。 Acronis True Image はバックアップデータはアプリケーションからしかアクセス出来ないようになっているし、決して削除されないようになっているので『バックアップから復元しようとしたらファイルが存在しない』というような問題が発生しない」というのが専業メーカーとしての差別化ポイントだと説明されました。
OS X において初期状態からバックアップを用いて復元する方法としては、Acronis True Image にはOS X のコアと共にAcronis True Image を入れた専用起動USBメモリ「レスキューメディア」を作成するためのメニューが存在するので、事前にレスキューメディアUSBメモリを作成の上で、そのメモリを利用して起動、復元して欲しいということでした。