Blackmagic Design、ライブプロダクション製品シ群を発表
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Blackmagic Designが、NAB などの放送機器関連の展示会でも無いタイミングで新製品を発表する事が異例であれば、開発表明だけではなく発表と同時に出荷開始という事も異例となった同社の新製品に関する発表会が行われました。
ここ数年の Blackmagic社は「Ultra HD」と名付けた 4K × 2K の解像度に対応した 6G-SDI、12G-SDI に対応した機器を充実させており、収録から編集、配信まで出来るようにするという縦の商品群展開が一段落した状況になっています。
そのタイミングで映像関連市場を見直したところ、YouTube などのストリーミングや映像セミナー、テレコミュニケーションなど放送業界以外での現場でも高品位な映像を必要とするシチュエーションが増加しており、それらの新分野にも対応するという横方向に商品群を広げるための商品が、今回発表された新製品群であると説明されました。
まずは、Disk Recorder の新製品「HyperDeck Studio Mini」。
これまでのHyperDeck Studioは 1Uサイズで記録媒体としてSSD を使っていましたが、「HyperDeck Studio Mini」は1/3UサイズでSDカードを記録媒体としています。
SDカードでの記録とは言え UHS-II対応カードを利用することで 4K 収録が可能になっています。
1080HDであれば UHS-I対応カードでも利用可能ですので、安価に1080HDで使い始め、将来的に UltraHD こと 4K へ移行する事も可能です。
また、SDカードは2枚挿せますが、同時記録は非対応。2枚のカードを交互に差し替える事でノンストップ収録が可能です。
映像の記録は現在のところ Apple ProRes 系Codecのみ。
今後のアップデートによって Avid DNxHD Codec に対応する予定がありますが、転送速度の問題から非圧縮には対応予定なし。
また、高品質記録のために H.264 などのコンシュマー向けCodec への対応も予定に無いということでした。
HyperDeck Studio Miniから搭載された機能としては、オーディオの収録ch数を設定メニューで設定可能になっています。
これまでは Audioは 16ch が強制的に設定されていしまっていましたが、2ch なども設定できるようになりました。
またEthernet端子の新たな活用方法として FTPサーバ機能が内蔵されており、HyperDeck Studio Miniに刺さっているSDカードへ映像ファイルが書き込めるようになりました。
この機能とRS-422 のデッキコントロールなどを組み合わせることで、遠隔地から映像データを差し替えられるデジタルサイネージの映像出力システムなどとしても利用できるようになります。なお、SDカードに書き込まれた映像データをFTP経由で抜き出すことは出来ません。
また、HyperDeck Studio Mini は映像と共にリファレンス信号も出力することが出来ますので、複数のデジタルサイネージで再生タイミングを一致させることなども可能です。
この価格帯の製品にしては珍しい機能としては、SDI出力2系統を利用することで 映像 (Fill)と、その映像を抜くためのマスク(Key) 情報を創出できるようになっています。これはマスクを設定した Apple ProRes 4444 データを再生すると自動的に対応します。
なお、Fill/Key に対応していない映像データの場合には、標準設定では SDI出力2系統から同じデータが出力されます。
続けての新製品は「ATEM Television Studio HD」で、これまでのATEM Television Studio を完全にリニューアルする製品となります。
まず、入力が HDMIとSDIがそれぞれ4系統の計8系統と増加しました。
ATEM Television Studio はソフトウェア制御だったので制御するマシンが必要でしたが「ATEM Television Studio HD」は前面に操作パネルが付いたので、本体だけでも相当の事が出来るようになりました。もちろん、これまでと同様にソフトウェア制御も可能です。
またプレビューでの画面は表示位置をカスタマイズ可能になったために、オペレータごとに使いやすい表示、他社製品との整合性が採りやすくなりました。
同時にメディアプールのストレージが搭載されたために、再起動をしても素材の並べ順などがリセットされずに保持されるようになりました。
なお、入力切り替えボタンの上に4つづつ存在する小さなLEDライトですが、これはオーディオモニタとなっており、それぞれの切り替えボタンの映像のオーディオレベルを示しているという事でした。
最後の新製品は、Blackmagic としては初の取り組み分野の製品となる「Blackmagic Web Presenter」でした。
これはドライバレスで USB WebCamとして認識される HDMI/6G-SDI の入出力を持つコンバータであり、2160p60の映像を扱う能力を持っています。
これらの映像をハードウェア内でsyncを取った上で USB2.0 ポートから 720P 映像として出力。このUSB2.0 から出力された映像は、PCにおいては USB WebCam の映像として認識されます。
また、ネットワークの帯域が細い場合には、USB2.0ポートから出力される 720P 映像のフレームレートが自動的に下げられ、映像に破綻が出ないようにされます。
これだけの能力を持っている「Blackmagic Web Presenter」ですので、WebCam プロトコルへの変換機としてだけでは無く、映像コンバータとしても利用できます。Blackmagic社のコンバータと言えば「Teranex Mini」ですが、これの価格がUS$495-であり、「Blackmagic Web Presenter」と同額。
Blackmagic Web Presenterにはモニタが標準ではついていないので、US$85の「Teranex Mini Smart Panel」を付ける必要があるとは言え、1万円程度の価格さでコンバータに WebCam 機能も付けられると考えるとコストパフォーマンスの高さが分かります。