ペンタックス:K-7 体感&トークライブ
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ペンタックスが、新型デジタル一眼レフカメラ「K-7」の発表に合わせ、2009年5月24日に秋葉原UDXギャラリーにて開催した「NEW K 体感&トークライブ」に参加してきました。
田中希美男氏とペンタックス開発陣らによる「田中希美男が迫る K-7 の実力」と題したトークショーが行なわれました。
K20Dと比べて、視野率100% の新設計光学ファインダーを採用している、画素数は1460万画素と同じだが、CMOSセンサーは新設計で、まったくの別物だと言えるそうです。また、従来の工業用プラスティックボディだったのが、マグネシウム合金ボディを採用したこと、メーカーが、-10℃耐寒ボディとうたって保証している点などを上げていました。
視野率100% の新設計光学ファインダーは、ペンタックスとして初めてで、これを実現するために部品構成を極めるなどにより実現していると説明していました。
また、ファインダーとフレームの隙間を狭められていて、人間がファインダーを覗いた場合、かならずしも中心点で覗くとは限らないので、ファインダースクリーンの設計を変更したと説明していました。
また、ファインダースクリーンが、従来と比べて若干暗くなっていて、マットの拡散特製を広く設計することで、マニュアルピントの検出精度を上げたかったのと、ファインダーから見えるボケ量と、実画像のボケ量とできる限り近づけるためだと説明していました。
大口径レンズを使用した場合のファインダーから見えるボケ量を改善しようとする試みは、カメラマンからしてみると嬉しい事だと話していました。
マグネシウム合金ボディを採用したことで、剛性感がアップし、シャッター音が抑えられているそうです。
ニコンやキヤノンのハイエンドデジタル一眼レフカメラは、動作最低保証温度は0℃だが、 K-7 は出荷前に-10℃を超える環境試験を行い、試験に合格した製品を出荷するため、デジタル一眼レフカメラのメーカーとして、初めて-10℃の動作保証をうたっているモデルだそうです。
CMOSセンサーから出力されたアナログデータをAFEに送り、AFEがデジタルデータとして、新画像処理エンジン「PRIME II」に渡しているそうで、CMOSセンサーとAFEの接続が、従来の2チャンネルだったのが4チャンネルになり、AFEと画像処理エンジンとの接続がパラレルからシリアル接続に変わり、また、画像処理エンジンとバッファーメモリとの接続方式が800MHzだったものが1GHzにアップし、また2本のラインとなったことで、最高約5.2コマ/秒の連続撮影速度を実現したと説明していました。
新しいCMOSセンサーは、ノイズの低減がさらに進み、長時間露光によるバルブ撮影などを行なう場合、かなりの差が出ると説明していました。
PRIME IIが高速化されたことで、レンズ収差補正、倍率色収差補正、ディストーション補正などが出来るようになったそうです。
特に広角レンズで起こる色ズレを補正する倍率色収差補正は、DAレンズ、WRレンズ、DFAレンズでは有効だが、フルサイズのFAレンズには対応していないそうです。
田中氏は、ニコンなどは全ての自社レンズだけでなく、タムロンやシグマのレンズなどでも、倍率色収差補正は対応しているので、ペンタックスも全てのレンズで倍率色収差補正が有効になるようにして欲しいと要望していました。
カスタムイメージとして、新しく「ほのか」が追加され、ハイキー調整していて、ハイライトのトーンを調整して彩度を落とし、白跳びしないレベルで設定されていると説明していました。
人物撮影などの場合、色白に写るようです。
オートフォーカスは、K20Dと同じ「SAFOX VIII+」(AF測距点11点(9点はクロスセンサー)だが、アルゴリズムを改善し、合焦速度のスピードアップと暗い被写体への精度が向上しているそうです。田中氏は、K20Dと比べて、驚くほどの速さを感じることはないが、レンズがピントに向って迫った後に、レンズのチャタリングを行なう機能が残ったままなので、これを無くして欲しいと要望してました。
ファインダーの前にあるペンタプリズムの横に「光源情報検知センサー」を設置し、環境光の状態を検知出来るようになったそうです。これにより、光源波長によるピントズレを極限まで無くす努力を行っているそうです。
また、光源がわかることによってオートホワイトバランスにも応用し、精度と安定度が向上してるそうです。
測光センサーを16分割から、格子状の「77分割センサー」に変え、センサー大きさが場所によって異なり、端の部分に太陽光などが入る場合、どうしてもそちらに引っ張られてしまいがちだったが、77分割測光センサーを採用したことで、高輝度に引っ張られることが無くなっていると説明していました。また露出の変動が少なくなる工夫もされているそうです。
ゴミとり機能について、従来は、リニアモーターと同じ原理で空中に浮いているCMOSセンサーを高速に揺することでゴミを取っていたが、静電気で付着しているようなゴミを取るのは難しかったため、CMOSセンサー上に圧電素子とローパスフィルターを組み合わせ、高速な超音波振動を与える「DR II」を採用しているそうです。
田中氏は、相当数のレンズを交換する撮影環境下でもゴミがつかないゴミ取り機能は、ニコン、キヤノンなどを含め、オリンパスのダストリダクションシステムがダントツの性能を誇っていたが、ペンタックスのDR IIは、それに近いか同等のゴミ取り性能を持っているといえると説明していました。
K-7は、シャッターとミラー制御用モーターが分離され、2つ搭載されたため、シャッターと絞りの独立制御が可能になっていると説明していました。
これにより、ミラーが上がった状態で絞り制御が可能になり、連射撮影時のボディへの振動が激減しているそうです。
新画像処理エンジン「PRIME II」の高速処理が可能になったことで、自動で標準/ アンダー/ オーバーの3コマを連続撮影し、カメラ内で1枚に合成したHDR画像を作成可能になったと説明していました。連続撮影するため三脚必須となり、階調が広がるため眠い感じの画像になってしまうが、後で処理をすれば、通常撮影では表現できないディテールが得られると説明していました。
HDR画像は、Adobe Photoshop CS4 Extendedでも作成可能ですが、元の画像データを撮影するのが難しい(調整するのに時間がかかり、一瞬でシャッターを切れないため)といった欠点が有りましたが、これをカメラ内で処理してくれるのは面白いかもしれません。
空中に浮いているCMOSセンサーという環境を利用して、三脚固定で構図が決まった状態で、CMOSセンサーを上下左右に1mm移動させたり、左右に1度回転させることが出来る「構図微調整機能」が搭載されていると説明していました。
田中氏は、構図を変えたければ三脚を動かせば良いと考えるのは素人で、そんなことをしたらパースペックが変わってしまって垂直線が変わってしまう。カメラマンは水平に動かしたいと考えているはずなので、それが実現したことは驚きの一言だと話していました。
なお、出荷時は1mmしか動かせないようですが、その後のファームウェアで2mm動かせるようになるらしいです。 また、今後の機能追加を見込んで、ファームウェア用のメモリ容量が、予め大きいものが搭載されているそうです。
電子水準器を搭載していて、電子水準器を搭載しているデジタル一眼レフカメラはすでに存在するが、K-7は、この電子水準器を利用して「水平自動補正」機能が搭載されているそうです。
この機能をオンにすると、左右5度までの範囲であれば、シャッターを押して保存されたデータの傾きが補正されるそうです。ただ、視野角100%ではなくなってしまうようでした。