Mac isLand 2nd:アップル・プロダクトによる効率化と導入事例
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日本の大手IT系ディストリビューターとして知られる「ダイワボウ情報システム」が、2009年7月15日に大阪新阪急ホテルにて、一般参加可能な展示会「DISセレクション 2009 & Mac isLand 2nd Stage」において、カムロックシステムズの百合 智夫氏による「アップル・プロダクトによる効率化と導入事例」セミナーが行なわれました。
セミナー対象者として Windowsユーザ・販売担当者が多く含まれていることから、セミナーの最初は TImeMachineの動作デモ・BootCampによって Windows が Mac でネイティブに動作すること・プレビュー.app で Photoshop psdファイルを表示出来ること・QuickLook で各種ファイルを素早く表示確認出来ることなどの Mac OS X Leopard の機能が紹介された上で、既に稼働中の各種案件の紹介となりました。
まずは、近年話題のデジタルサイネージ関連として、名古屋ボストン美術館における iPod touch による展示品案内システムが紹介されました。美術館の展示品案内システムとしては専用機が様々なベンダーからリリースされていますが、競合他社では無く iPod touch が選択されたのは「利便性」から。
システム利用者である美術館訪問者は当然のようにデザイン関連に興味が有る人々なので iPod であればメジャーな電子機器。これによって、日常の延長線上でガイドマシンを使いこなす事が可能です。
また、コンテンツを作成する美術館学術員にとっても、映像であれば MPEG-4、音であれば AAC・MP3 などの汎用フォーマットで素材を用意すれば良く、専用機のように音の編集や機械への転送に専用アプリケーションを必要としないという汎用性の高さが大きな評価となっての採用ということでした。
導入当初は iPod touch という人気機種であるが故に盗難などの心配が有ったようですが、客層と Apple の刻印サービスでiPod touch の背面に美術館名を彫り込む事で「機械自体に名前を書くのと同じ効果。盗んだとしても iPod touch を他人に見せられないし、後ろめたさを常に感じることになる」という効果によって、運用開始から 4ヶ月程度が経過した今でも 1台の盗難にも遭ってないということでした。
また、名古屋ボストン美術館の図書館には 館内でのみ閲覧を許可されている収蔵品のプレビューなどのために iMac も設置されており、これらのマシンについては Mac OS X のペアレンタルコントロールを用いる事で「美術館が見せていも良いと判断した Webサイトのみを閲覧可能とする」制限が施されています。
これによって、Mac OS X が内蔵する機能だけで図書館がインターネットカフェとなることなく、学術目的に限定されての運用を保つ事が可能となっています。当初は制限を掛ける事による利用者数減が心配されていましたが、実稼働に入るとフル稼働状態となっているようです。
これらのシステムを構築・導入されたのは日本電話施設株式会社で、通常システムを導入したあとには「ありがとう」と言われるぐらいですが、iPod や Mac のシステムを導入した際には 導入後に御客様と一緒に操作しながら利用方法を説明すると「楽しい」「便利」というポジティブなリアクションが返ってくる事が多く、これは今までに無いフレッシュな、Apple製品でした得られないレスポンスだったという事でした。
続けて「コンピュータを使う事を学ぶ」 だけではなく、コンピュータを使った製作物を「より多くの人に使ってもらう事」を学べる環境を目指してシステムを構築された東北福祉大学 情報福祉学科が紹介されました。
iMac を導入し、そこに Mac OS X だけでは無く、Windows XP・Windows Vista・Fedora Linux などを 教室毎に異なる 3OS づつ組み合わせてネイティブに動作させるrEFItを用いたTriple Boot環境を構築しました。Mac OS X 上で仮想環境として各種OSを用意するのでは無く、ネイティブ動作にこだわった理由は 動作速度。Xcode などでのアプリケーション開発や数値演算などを行う為に、仮想環境ではなく、ネイティブ動作としたという事でした。
この成果は早くも目に見える形で現れており、授業の課題として、東北福祉大学 社会福祉学科の藤川悠人氏が開発された iPhoneアプリ「Ukulele San」というウクレレの演奏アプリは iPhone app Store に登録されて直ぐに人気となり、無料の音楽アプリ分野で 1位を、日本のアプリ総計でも 25位には入るぐらいの反響を得ています。
このように Mac を選択するからと言って必ずしも Mac OS X だけに拘る必要は無く、Windows や Linux などのような各種OS をニーズとトレンドに依って自在に組み合わせる事が出来るシステムを構築出来る事が Mac の魅力の 1つでも有ります。
これらの Triple Boot システムを構築したのはリコー東北株式会社。
Mac OS X + Windows という組み合わせであれば BootCamp で簡単に実現出来ますが、これが Mac OS X + Linux となると難易度が上がり、さらに Mac OS X + Windows + Linux や、Mac OS X + Windows XP + Windows Vista のような Triple Boot 環境となると実現は非常に困難。
このような非常に困難なシステムを、教室のような大規模環境として問題なく動作するように準備するとなると、専門のトレーニングによって得た知識と機材を持つ 販売パートナー を持つ必要が出て来ます。
大規模で困難な環境のスムーズな導入や販売業務のためには DiS と契約している強力な販売ベンダー・SIチームがサポートするので相談を寄せると共に、自社でもトレーニングを受けたい場合には DiS による「Apple Training Service」を利用して欲しいとの事でした。