デベロッパインタビュー:FirstSeed Inc.編、プログラミング開発を始める前にアプリケーションのアイデアを考えよう
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Mac App Storeの有料アプリケーションランキングで10位にランクイン(2023年8月時点)しているカレンダーアプリ「FirstSeed Calendar for Mac」などを開発する日本のデベロッパ「FirstSeed Inc.」にインタビューしました。
対応してくれたのは、同社の代表取締役、大榎一司さんです。
同社は、少数スタッフでAppleプラットフォーム向けのソフトウェア開発および販売を行っていて、他のプラットフォーム向けの製品開発は行っていないそうです。
大榎さんは、プログラミング開発歴は20年以上あり、ハイパーテキストを実現した最初の商用ソフトウェア「HyperCard」でプログラミングの楽しさを知り、その後、自宅のパソコンがWindowsだったことからMicrosoftのVisual Basicを覚えたそうです。
アメリカの大学でコンピュータサイエンスを学んだ経験から、ぼんやりとプログラミングをはじめるのではなく、明確に作りたいものを思い浮かべることが重要で、それが続けるモチベーションに繋がると話してました。
FirstSeedとして最初にリリースしたアプリケーション「FirstSeed Calendar for iPhone」を開発したきっかけは、大榎さんがスケジュール手帳のヘビーユーザーで、iOSの標準カレンダーアプリが手に馴染む感じではなく、また、月表示でスケジュールを一覧表示出来ないなど不満点があり、それらを実現できるものが欲しかったからだそうです。
iPad版やMac版の場合、キーボードショートカットの実装をすることは重要で、アプリケーション開発する上で考慮した方が良いと話していました。
アプリケーション開発するにあたり、まず作りたいと浮かんだアイデアを手描きでスケッチしすることからはじめ、そのデザインスケッチを元に実装する機能などを考えるのが良いと話してました。
どのようなデザインにするか?どのような機能を実装するか?ユーザーインターフェイスをどうするか?など、まずはスケッチをたくさん作って具現化した方が目標を決めやすいそうです。
Appleが提供する開発ツールとして、Swift、SwiftUIなどがあるけど、全てが揃っている「Xcode」からはじめるのも良いんじゃないかと思っているそうです。
ただ、プログラミング学習する上で重要なのは、疑問に対して直ぐに回答してくれるアドバイザーが近くにいるかどうかで学習速度は変わってくるということで、そうしたアドバイザーを作るというのも重要だと話してました。
昔のXcodeとは異なりシミュレーターの出来がとても良いので、iPhone、iPadなどの実機を複数所有する必要はないが、Macシミュレーターは実装されていないため、Macアプリケーション開発の場合は、実機が必要となると話していました。
FirstSeed Calendarは、iPhone/Apple Watch版、iPad版、Mac版として別々にリリースされていますが、AIを搭載したタスク管理ツール「FirstSeed Tasks」は、iPhone/iPad/Apple Watch/Macに対応したユニバーサル化されたアプリケーションとしてリリースされています。
その理由として、Appleのマルチプラットフォーム向けアプリケーション開発環境が劇的に進化したことで、それによってユニバーサルアプリ化を実現出来たところが大きいそうです。
これだけ人気のあるアプリケーションの場合、Windows版、Android版、Web版を出して欲しいという要望も来るのでは?と聞いたところ、そうした要望も来るそうですが、開発しなければならないと感じるほど届いているわけではないそうで、今のところは考えていないそうです。
FirstSeed Incとしては、Apple Vision Pro対応も考えていて、また第3弾アプリケーション開発のアイデアもあるとのことでした。
個人&法人問わず、Macアプリデベロッパーで、Macアプリ開発に関するインタビューを受けてくれる方を募集します!
— Mac OTAKARA (@idanbo) July 1, 2023
もっとMacアプリデベロッパーが増えて欲しいので、協力して頂ける方がいましたら連絡下さい!https://t.co/osS5Hl3dcr pic.twitter.com/WHjJZ7OMqe