Creators Summit 2009:祖父江慎「それ行け ニッポン文字!!」
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2009年12月3日,4日にベルサール汐留にて「Creator's Summit 2009」において、人文書、小説、漫画などの書籍の装幀やデザインを幅広く手がける祖父江慎氏によって「それ行け ニッポン文字!!」と題したセッションが開催されました。
今回祖父江氏は、日本語文字の書体に関するデザインについて深い考察について多く語ってました。
最初に「僕のカエルとハムタロー」と読める文字を表示し、会場の参加者に読上げさせました。しかし、その読み方は間違いで、実際は「僕の力(ちから)工(こう)儿(簡体字)と八(はち)ム夕(ゆう)口(くち)一(いち)」と読むのが正しいと話し、会場から笑いと驚嘆する声が湧いていました。
また、戸籍登録で「ロカ」と登録申請したところ「口力」(こうりき)との区別がつかないので、平仮名で記入して下さいといったエピソードを紹介してました。
次に、日本の文字は、かなり書体に頼って読まれていると話し、平仮名は、元々漢字を崩して形作られているため、楷書体と草書体を組み合わさっていると説明してました。
明治時代は、漢字を明朝体で表し、平仮名を草書体で表していて、全て明朝体で表現すれば良いじゃないかと思うかもしれないが、平仮名を明朝体で表現すると、デザインが情けないことになっているため、すでにこの時点で諦められていたと考えられ、現代の明朝体フォントの中に入っている平仮名は、全て楷書体のデザインが採用されていると説明してました。
また、平仮名とカタカナに関して、最近のフォントの中に含まれている文字を抜き出して比べてみると、平仮名とカタカナの区別か尽き難いことがわかると思うと話してました。
フォントブレンドに説明し、悪趣味百科の制作で、DTPを本格的に導入し、文章の中の文字で、「う」「ん」「こ」の文字だけ太字にしたことがきっかけで深くはまっていったと話してました。
最近は、Adobe InDesign CS4の合成フォントを使用し、オリジナルのフォントを使っていると話し、超絶なこだわりをいくつか紹介していました。
講演の最後に、祖父江慎の著書「祖父江慎 コズフィッシュ」の装幀を紹介し、ようやく出版しようと考えていると話してました。
なお、全講演内容は、Ustreamをご覧下さい。