PAGE 2010:デジタルコミュニケーションズ「EPUB」について
※本サイトは、アフィリエイト広告および広告による収益を得て運営しています。購入により売上の一部が本サイトに還元されることがあります。
2010年2月3日〜5日にサンシャインシティコンベンションセンターTOKYOにて開催された「PAGE 2010」で、デジタルコミュニケーションズが、Word文書をXML変換し、さらにEPUBに変換するデモを行っていました。
今回のPAGE 2010で、iPadやKindleの画像を貼り出し、EPUBについて説明を行っていたのは、ここだけなんじゃないかと思います。
同社のSoftware Tactician 加藤氏に「EPUB」に関して初歩的なことから質問して色々聞いてみました。
まず、EPUBは、XHTML 1.1とCSS2のサブセットから構成されていて、欧文向けのオープン電子書籍ファイルフォーマット規格だそうです。
基本的に欧文向けのため、本文横組で、ビューアのリサイズによって、本文テキストが動き、インターネットブラウザーでテキストを表示しているのに近いそうです。
縦組に関しては、CSS3に縦方向の書字が追加される予定で、ルビに関しては、XHTML 1.1のオプションとして、横文字ルビ表示が用意されているそうですが、Safariでは無視されるので、Safariのエンジンを利用しているiBooksでも無視されると予想され、横方向書式時のルビ表示は対応していないだろうとの事でした。
このように、EPUBとしての規格としては有っても、レンダリングエンジン側が無視する場合もあり、それぞれの端末仕様を把握する必要はあるとのことでした。
青空文庫の場合、ルビは「甲乙(こうおつ)」と単語の後ろに付け加える形式のため、本文文字量が増え、且つ読みにくい文章となるので、本来であれば、本文の頭に表示される方が望ましいが、欧文では求められているわけではないので難しいようです。
EPUBの特徴として、データにMETAデーターを持たせることが出来るため、ファイル名だけで書籍を検索させる以外に、METAデーターを利用することで、検索精度を上げることも考慮されているそうです。
今後、EPUB規格に日本語に関する項目を追加するには、XHTML規格、CSS規格の動向も重要で、それぞれの、どのバージョンを組み合わせるかという策定を行う必要が出てきそうで、簡単ではなさそうです。
PC用のEPUBビューアとしては、Lexcycle, Inc.の「Stanza」(画像が無視される)が普及していて、他に、アドビ システムズのAdobe InDesign CS4 Digital Editionsもあるそうです。
Stanzaには、iPhoneアプリ版「Stanza」も用意されていますが、こちらは画像が表示されるそうです。
Adobe InDesign CS4 Digital Editionsの場合、日本語テキストを流し込むと、小塚フォント指定がされてしまうため、文字化けする場合があります。それらの詳しい検証については、InDesignの勉強部屋の「Digital Editions用に書き出し」を参照して下さい。
このEPUBに関しては、PCWorldの報道によると、2009年末に、中国と台湾の両政府が、EPUBを標準電子書籍フォーマットとして推進していくことで基本合意したと伝えており、今年、具体的に調整を行う事になるようですが、現行の仕様を受け入れる形となると、縦書きを意識していないと考えられます。