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PAGE 2010:セミナー「戦略的Webサービス設計事例と新しい方法論」レポート

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戦略的Webサービス設計事例と新しい方法論

戦略的Webサービス設計事例と新しい方法論

2010年2月3日〜5日にサンシャインシティコンベンションセンターTOKYOにて開催された「PAGE 2010」で、行われたセミナー「戦略的Webサービス設計事例と新しい方法論」に参加してきました。

セミナーは有限会社CMパンチの佐々木康彦氏によって進行されてました。

最初は、株式会社エクスペリエンス代表取締役の橘守氏が「WebのROIを向上させる」と題して講演が行われました。


橘氏は、大手メーカーサイトの製品説明は仕様については詳しく書かれているが、利用者が使いたいサービスに関しての説明がない場合が多く、結局、本当に知りたい情報は、ユーザー自身で調べなければならない場合が多く、まったく意味がないと説明し「製品側の売る理由」だけでなく「消費者が買う理由」についても詳しく掲載すべきだと提案していました。


Webユーザビリティのアプローチの仕方にも問題が多く、画面の使いやすさや分かりやすさばかり気にする事が多いが、それだけではなく、ユーザーの行動や心理分析を踏まえて戦略的に導入されたサイト構築がなされていなければならず、そもそも、そのサイトに何を目的で訪れているのかについて追求するべきだと話してました。


また、顧客からの問い合わせ窓口として重要な問い合わせフォームに関しては、設問を用意し、何を目的で問い合わせを行おうとしているのか判断し、その動きに追随するような段階方式を用意して、正しい窓口に問い合わせが届くようガイドするようなフォームを用意するとコンバージョン率はアップすると解説されていました。

また、それを項目単位で分析することで、ボトルネックとなっている場所を特定し改善することも重要だと説明していました。


次に、シックス・アパート株式会社代表取締役の関信浩氏(@nseki)と、メディア事業ディレクター及び新規事業担当の清田一郎氏(@kotoripiyopiyo)による「ソーシャソルメディアの活用による新たなメディア事業の可能性と展開」と題した講演が行われました。

関氏は、最近話題のTwitterUstreamなどを取り上げ、これらを「リアルタイムウェブ」と呼び、過去しか検索出来ないGoogleに対して、これらは、今を即座に伝える新しいサービスで、インターネットは「リアルタイムの時代へと移り変わりつつある」と話してました。

最近、ブログが低迷し、SNSの伸びが凄いと言われるが、統計上、ブログ数は書く人をカウントするが、SNSはアカウント取得者数で、そのほとんどは読む人だと説明していました。

マスマーケティングに関して触れ、テレビを見ている人の場合、ながら視聴で頭に入って行かない場合があり、こうした「ながらテレビ」に、Twitterを利用した「ツイテレ」や「ピーチク」などを持ち込むと、途端にそのマスメディアのエンゲージメントを高める効果があると紹介していました。


Twitter事例として、Twitterのおすすめのユーザーでもある清田氏(いちる)が、リアルタイムウェブが登場した事で「さざ波から津波を構成する」という今までになかったようなことがリアルタイムで発生していると話してました。

小さい輪の一つ一つは、誰かがツイートして、それをリツイートした状態を表していて、それが徐々に広がり、中規模な波となり、最後に大きな波となる流れが黄金パターンになっていて、従来は、最後の大きな波だけ形成しようとすることが多かったと説明していました。


小さな波に相当するリアルタイムウェブは、主に都市部で広がるTwitterや、地方をカバーするGREEといったSNSサービスが相当し、瞬間風速的に加速するが持続性が弱く直ぐに消えてしまう存在だと説明していました。

中規模な波に相当するブログは、リアルタイム性とストック性を両方兼ね備えていて、3日後に読んでも理解することが出来て、検索エンジンにもヒットしやすいという特徴を持っていると説明していました。

また、個人の主観的な意見が反映されることで、レビューなどの信頼性が高いという特徴があるとも説明していました。

大きな波に相当するニュースサイトは、広がりに1日〜10日と広がりに時間はかかるが、非常にストック性が高いのが特徴だと説明していました。

大きなニュースサイトになるとYahoo! JAPANのトップページに掲載される場合が多いため、広がりがとても広範囲に渡る場合があると説明していました。

さざ波だけでは大きな波にはならないと表現し、クローズドな知る人ぞ知るといった情報の場合、それが広がることはまれで、また、大きな波を起こすために、マスメディア広告などを大々的に行ったとして、それを検索して調べようとしても、それ以上の情報が何も無い状態だと、その大きな波も終わってしまう。結局、認知だけは上がるが関心度は上がらないという状態になると解説し、「小さな波も大きな波も同時に発生させる必要がある」というのがポイントだと説明していました。


ソーシャルメディアをマッピングした図を示しながら、Twitterで池袋で何か美味しいお店があるかとツイートして、自分の親しい友だちのリプライがあったとして、その意見は意見で、別に食べログで検索してみようとは思わないと話し、レビューの信頼度というのは、規模が大きくなればなるほど薄くなる場合が多いと紹介していました。

また、Amazonco.jp価格.comなどのレビューを参照する場合、評価が高い意見と低い意見を両方読んで、それを元に情報を平均化しようとする行動が多いのではないか?と説明していました。

ニュースサイトのレビュー記事は信頼性は高く広がりも大きいが、メーカー側が取り上げてもらおうとすると、記事広告を打つ事が多く、そうなると信用度が下がるため、ブログ的なものや、Twitter的なものを上手く巻き込んでいく必要があるかもしれないと説明していました。


最近、東京の高円寺にあるボードゲーム店「すごろくや」が、Twitterのフォロー数に応じて割引を行うというキャンペーンをはじめて、それをIDEA*IDEAが記事として取り上げたところ、フォロー数の多い人がこぞって店に行き、それがブログの記事として広がりはじめ、5日間でブログの記事として約5,000件、はてなのブックマーク約3,000件にも増えていたと紹介し、これが「さざ波から津波を構成する」という一つの事例だと紹介していました。

ただ、これは大手ニュースサイトでは取り上げられていないので、まだ大きな津波は発生していないと説明していました。


次の事例として、ソフトバンクの孫正義氏(@masason)が、Twitter上でUstream スタジオを作って下さいと意見をツイートしたところ、よしやりましょうと30分で返事が返ってきた事が話題になり、それが大手ニュースサイトで取り上げられ、それが元にブログの記事が発生し、さらにその記事が元となり広がっていったと紹介していました。

これは、元がTwitter上で発生したことなどで、その時間に見ていないと知る事が出来ない情報で、こうした「後から知って広がる」という事も多くあるという点を踏まえる必要性があると説明していました。

これからのインターネットマーケティングは「リアルタイムウェブ」「ブログ」「ニュースサイト」この3つを同時に上手く活用することが最適だと言えると説明していました。

最後に、こうしたセミナーはTwitter中継が行われることが多いので、必ずTwitter中継のまとめサイトを作った方が良いと説明していました。


次に、サムライワークス株式会社の取締役兼COO、矢追龍之介氏が、最先端のWeb&ネットワークテクノロジーを紹介していました。

ウィジェットやブログパーツの制作が8割を占めていたが、mixiアプリが登場してきてからは、そうしたSNSアプリの制作依頼が8割になってきていると説明していました。

また、iPhone、スマートフォンサイトの制作依頼も多くなってきていて、iPhoneのアプリの場合、Apple側の審査が入る事で承認に時間がかかる場合があり、また、iPhoneサイトの依頼も増えてきていると話し、必須かどうかは不明だが、アクセスのしやすさでコンバージョンがアップすることは期待出来ると説明していました。

mixiは平均してマイミク数が24人で、そこからmixiアプリの招待状を送ることで広がりの力があると言えると説明していました。

ウェブ向けにアプリを開発するよりかは、SNSの中でアプリ提供する方が属性が計りやすく、また、パイが見えているので仕掛けやすいと解説していました。


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