WSJ:Appleはモバイル決済システムに消極的
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WSJが、Gartnerの調査によると、モバイル決済市場は今年1720億ドルへと上昇し、2016年までには6000億ドルにまで成長すると分析しており、Googleは2011年にNFC技術を採用した「Google Wallet」サービスを発表し、Microsoftも2012年6月に電子お財布サービスを発表したが、Appleはこのモバイル決済システムに慎重で野心的ではないようだと伝えています。
Appleは、iOS 6で「Passbook」を発表したが、この機能はデビットカードと繋がる事は出来ず、一部のAppleのエンジニアは、直接決済出来る積極的なアプローチを望んでいるが、Appleの経営陣はのんびりアプローチを選んだようです。
昨年、この市場に関しての社内議論が本格的に始まったとき、Appleの小さなグループは、iPhoneに様々な支払い方法を埋め込む技術や、独自の支払いネットワークシステムを構築する事について調査を行っていたようで、iPhoneソフトウェア担当シニアバイスプレジデントのScott Forstall氏に所属するチームは、包括的な「財布アプリ」の開発を始めたそうです。
それは、クーポンに加えて支払いカードにユーザーがアクセスすることを可能にし、これによりデパートで服を購入する場合、標準的なクレジットカードで支払うのか、デパート発行のクレジットカードで支払うのかを迷う事無く、1つの端末でスマートに支払いを行う事が出来る仕組みだったようです。
Apple従業員は、いくつかのNFC関連特許を取ったが、テクノロジーが十分にセキュアであるのか?iPhoneのバッテリー寿命に影響を与える事無く、必須チップとアンテナを内蔵することができるのか?について不安を感じていたようです。
2012年前半に電子決済計画についてAppleの重役らによるレビューが行われ、Peter Oppenheimer CFOは、NFCを使うより、インターネットを使用したより新しい安全なテクノロジーがあるかどうか疑問だと話し、ワールドワイドマーケティング担当シニアバイスプレジデントのPhilip Schiller氏は、Appleが直接クレジットカード払いを容易にしたとして、ユーザーが悪意を持った販売業者との取引で悪い体験をした場合、Appleも一緒に非難されるかもしれないと話したそうです。
そして経営陣は、当初の計画より縮小された「Passbook」のバージョンを最終的に選んだようです。
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