Samsung Electronicsが、業界最高性能の最大10.7ギガビット/秒（Gbps）をサポートする業界初の「LPDDR5X DRAM 10.7Gbps」を開発したと発表しています。

2022年10月に発表した14ナノを基盤としたLPDDR5X DRAM 8.5Gbpsを上回る性能で、12nmクラスのプロセス技術を活用することで、既存のLPDDRの中で最小のチップサイズを実現し、低消費電力DRAM市場における技術的リーダーシップを確固たるものにしたと説明しています。

同社のLPDDR5は5.12Gbps性能なので約2倍の性能となります。

AIアプリケーションの急増に伴い、デバイス上で直接処理できるオンデバイスAIがますます重要になっており、低消費電力で高性能なLPDDRメモリの必要性が高まっています。

サムスンのLPDDR5X DRAM 10.7Gbpsは、前世代と比較して性能を25%以上、容量を30%以上向上させるだけでなく、モバイルDRAMの1パッケージ容量を最大32GBまで拡大し、高性能、大容量、低消費電力のメモリを必要とするオンデバイスAI時代に最適なソリューションとなっています。

特にLPDDR5Xは、作業負荷に応じて電力を調整する最適化された電力変動や、省エネ期間を延長する低消費電力モード間隔の拡大など、省電力に特化した技術を組み込んでいます。

これらの改善により、電力効率は前世代より25%向上し、モバイル機器ではバッテリー駆動時間の延長が可能になり、サーバーではデータ処理時のエネルギー使用量を削減することで、総所有コスト（TCO）を最小限に抑えることができます。

LPDDR5X DRAM 10.7Gbpsの量産は、モバイル・アプリケーション・プロセッサ（AP）およびモバイル機器プロバイダーとの検証を経て、2024年後半までに開始する予定だそうです。