Appleが、身体障がいのあるユーザーがiPhoneやiPadを目で操作する方法であるアイトラッキングを含む、今年後半に登場する新しいアクセシビリティ機能を発表しています。

さらに、Music Hapticsは、耳の不自由なユーザがiPhoneのTaptic Engineを使って音楽を体験できる新しい方法を提供し、Vocal Shortcutsは、ユーザがカスタムサウンドを出すことでタスクを実行できるようにします。

これらの機能は、Appleのハードウェアとソフトウェアの力を組み合わせ、Appleシリコン、人工知能、機械学習を活用し、すべての人のための製品を設計するというAppleの数十年にわたる取り組みをさらに推し進めるものです。

Tim Cook CEOは「私たちは、生活を豊かにするイノベーションの変革力を深く信じています。だからこそAppleは40年近くにわたり、ハードウェアとソフトウェアの中核にアクセシビリティを組み込むことで、インクルーシブデザインを支持してきました。私たちは常にテクノロジーの限界に挑戦しており、これらの新機能は、すべてのユーザーに最高の体験をお届けするというAppleの長年のコミットメントを反映したものです。」とコメントしています。

AppleのGlobal Accessibility Policy and Initiatives担当シニアディレクターSarah Herrlinger氏は、「これらの新機能は、コミュニケーション、デバイスの操作、そして世界を移動するための新しい方法を提供し、幅広いユーザーの生活にインパクトを与えるでしょう。」とコメントしています。

人工知能を搭載したアイトラッキングは、iPhoneとiPadを目だけで操作するための内蔵オプションをユーザーに提供します。

身体に障がいのあるユーザーのために設計されたアイトラッキングは、前面カメラを使って数秒で設定と調整を行い、デバイス上の機械学習により、この機能の設定と制御に使用されるすべてのデータはデバイス上に安全に保存され、Appleと共有されることはありません。

アイトラッキングはiOSとiPadOSアプリで動作し、追加のハードウェアやアクセサリーは必要ありません。

アイトラッキングを使えば、ユーザーはアプリケーションの各要素をナビゲートし、Dwell Controlを使って各要素をアクティブにし、物理ボタン、スワイプ、その他のジェスチャーなどの追加機能に目だけでアクセスすることができます。

ボーカルショートカットを使うと、iPhoneとiPadユーザーは、Siriが理解できるカスタム発話を割り当てて、ショートカットを起動したり、複雑なタスクを完了したりできます。

「非定型的な音声を聞き取る」も新機能の一つで、より幅広い音声の音声認識を強化するオプションが用意されています。

Listen for Atypical Speechは、デバイス上の機械学習を使ってユーザーの発話パターンを認識します。脳性麻痺、筋萎縮性側索硬化症（ALS）、脳卒中など、発話に影響を与える後天的または進行性の疾患を持つユーザーのために設計されたこれらの機能は、話すことができない、または話す能力を失う危険性があるユーザーのためにiOS 17で導入された機能をベースに、新しいレベルのカスタマイズとコントロールを提供します。

iPhone 15 Proでは、画面に「Set Up Vocal Shortcuts（ボーカルショートカットを設定）」と表示され、iPhoneに自分の声を認識する方法を教えるためのアクションを選択し、フレーズを録音するよう促されます。

iPhone 15 Proでは、画面に「Say 'Rings' One Last Time（最後にもう一度 "指輪 "と言って）」と表示され、iPhoneにフレーズを3回言って認識させるよう促します。

iPhone 15 Proでは、Vocal Shortcutsから "Open Activity Rings "というアラートが表示されます。

Vehicle Motion Cuesは、乗り物酔いを軽減するiPhone/iPad向けの新機能です。

調査によると、乗り物酔いは、人が見ているものと感じているものとの間の感覚の衝突によって一般的に引き起こされることが分かっています。

Vehicle Motion Cuesでは、画面の端に表示されるドットのアニメーションが車両の動きの変化を表現し、メインのコンテンツを邪魔することなく感覚の衝突を軽減します。

iPhoneとiPadに内蔵されたセンサーを使用することで、Vehicle Motion Cuesは、ユーザーが移動中の乗り物に乗っていることを認識し、それに応じて反応します。

この機能は、iPhoneで自動的に表示されるように設定することも、コントロールセンターでオン/オフを切り替えることもできます。

CarPlayに追加されるアクセシビリティ機能には、ボイスコントロール、カラーフィルター、サウンド認識が含まれます。

ボイスコントロールでは、声だけでCarPlayを操作したり、アプリケーションをコントロールすることができます。

サウンド認識では、耳の不自由なドライバーや同乗者は、アラートをオンにして、車のクラクションやサイレンを通知することができます。

色覚異常のユーザーには、カラーフィルターがCarPlayインターフェイスを視覚的に使いやすくし、ボールドテキストやラージテキストなどの視覚的アクセシビリティ機能が追加されます。

今年、visionOSに搭載されるアクセシビリティ機能には、システム全体のライブ・キャプションが含まれ、耳の不自由なユーザーを含むすべてのユーザーが、ライブの会話やアプリのオーディオで、話し言葉のダイアログをフォローできるようになります。

visionOSのFaceTime用ライブキャプションにより、より多くのユーザーが、ペルソナを使った接続や共同作業というユニークな体験を簡単に楽しむことができます。

Apple Vision Proでは、Apple Immersive Video中にウィンドウバーを使ってキャプションを移動する機能が追加されるほか、iPhone用聴覚デバイスと人工内耳の追加サポートも行われます。

視覚アクセシビリティのためのアップデートでは、弱視のユーザーや、明るい光や頻繁な点滅を避けたいユーザーのために、「透明度を下げる」、「スマート反転」、「点滅を暗くする」が追加されます。

これらの機能は、柔軟な入力システムと幅広いユーザーを考慮して設計された直感的なインターフェイスを提供するApple Vision Proですでに利用可能な数十のアクセシビリティ機能に加わります。

VoiceOver、ズーム、カラーフィルタなどの機能は、目の不自由なユーザーや弱視のユーザーにも空間コンピューティングへのアクセスを提供し、ガイド付きアクセスなどの機能は認知障害のあるユーザーをサポートします。

ユーザーは、目、手、音声を自由に組み合わせてVision Proを操作することができ、スイッチコントロール、サウンドアクション、ドウェルコントロールなどのアクセシビリティ機能は、身体障害のあるユーザーにも役立ちます。