Andru EdwardsのYouTubeチャンネルで、Appleのプライバシー担当シニアプロダクトマネージャーSandy Parakilas氏、プライバシーエンジニアリング担当マネージャーKatie Skinner氏へのインタビュー「Talking Privacy with Apple - Are Your Secrets Safe?」が公開されています。

Sandy Parakilas氏は、WWDC24でApple VPが語るメッセージや、ユーモアを交えたプライバシーCM制作など、プライバシーマーケティグを考えている人で「Appleはユーザーを第一に考えていて、プライバシーはその中で非常に重要な部分であると考えています。人々はそれを期待していて、Appleが思慮深く心配する必要がないように、曲がり角を避けて物事を先回りして考えていることを期待していると思っている。」と述べています。

また、セキュリティとプライバシーは別々に考えていると説明し「セキュリティとは、攻撃や悪意のある攻撃者からユーザーを保護することです。プライバシーは選択というよりも制御であり、データがどのように使用され、何を誰とどのように共有しているかについて透明性を提供している。」と述べています。

Katie Skinner氏は「プライバシーエンジニアリングが上手く機能している理由の一つとして、ヒューマンインターフェイスおよびデザインチームと緊密に連携している事だと思います。その機能に組み込む適切なコントロールは何なのか？ユーザーのデータがどのように機能に直接取り込まれるのかについてのユーザーの期待と透明性をどのように構築できるのかを真剣に考えている。」と話しています。

Apple Intelligenceのプライバシーについて、Sandy Parakilas氏は「Apple Intelligenceを設計するにあたり、Apple Intelligenceのコアをデバイスに組み込むことで、その一部はセマンティックインデックスです。個人的なコンテキストを使用して素晴らしい機能を提供したいと考えています。そこで、デバイス上のシステムがユーザーの個人的なコンテキストを理解して本当に役立つ結果を提供できるようにするセマンティックインデックスを用意しました。それを確保することは非常に重要で、セマンティックインデックス自体はデバイス上で暗号化され、Data Vaultによって保護されます。Data Vaultは適切なプロセスのみが特定の情報にアクセスできるようにするために使用するカーネルレベルのセキュリティメカニズムです。」と語っています。

セマンティックインデックスは個々のデバイスに違ったデーターが残るのか？と質問されると、Sandy Parakilas氏は「ツーエンドの暗号化を使用してデバイスを最新の状態に保つことで、デバイスで非常に優れた同期が行われることに留意して欲しい。したがって、多くの場合、デバイスには最初から同じ、またはほぼ全て同じ情報がすでに含まれている。」と説明しています。

セマンティックインデックスには、他のアプリからのデーターも含めることができると説明していたが、例えばiPhoneにはインストールされているアプリからのデーター追加があって、iPadには同じアプリがインストールされていない場合はどうなるのか？と質問するとKatie Skinner氏は「そのコンテキストは他のデバイスでは利用できない。」と答えています。

Private Cloud Computeのデーター処理に関して、Katie Skinner氏は「Private Cloud Computeに送信されたデーターは処理後に保存しない仕組みで、送信されたデーターを機械学習データー構築のために使用することもない。そのデーターを保持していないことを証明することができる。」と説明しています。

ChatGPTとの連携に関して、Katie Skinner氏は「ChatGPTに送信されるデーターは、OpenAIによって保存されず、機械学習データー構築のために使用されず、誰もサインインする必要もない。加えてIPアドレスも隱蔽されている。」と説明し「そのため、ChatGPTを使用した複数の異なるセッションをリンクすることは出来ない。」と語っています。